ナミチスイコウモリとは、コウモリ目チスイコウモリ科チスイコウモリ属に属するコウモリの仲間である。
概要
いわゆる吸血コウモリの1種で、3種類の中の1種。他の2種はシロチスイコウモリとケアシチスイコウモリである。チスイコウモリ属はナミチスイコウモリのみが属しており、チスイコウモリ科の様式属となっている。そのため、日本ではナミチスイコウモリのことをただ単にチスイコウモリとも呼ぶことがある。
南米大陸の南部以外と中米に生息しており、体長は7~9cm、体重は15~50g。背面の体毛は褐色で、腹面の体毛は白い。熱で獲物を感知していると考えられている。
門歯や犬歯はカミソリのようで、獲物の皮膚を切り裂くのに適している。この傷は小さいため、なかなか気が付きにくい。吸血というが、実際には皮膚を切った後に出てきた血液を舐めとって飲んでいるのである。唾液には血液の凝固作用を阻害する物質が含まれているので、獲物の血液が固まらずに摂取を続けることができる。
コウモリの仲間の中では地上での歩行が得意であり、獲物に接近する場合や満腹で空を飛べない状況などには地上を移動することが多い。森林に生息しており、夜に行動する。
エサとなる血液は、鳥類や哺乳類、家畜から摂取している。人間からも血を摂取する場合もある。30分もの間に自身の体重の40%もの血液を摂取するため、食事の後は飛べなくなる。また、同じねぐらに血液を摂取できなかった個体がいる場合、他の個体が口移しで血液を分け与える利他行動があるのが分かっている。
とはいえ、人間にとっては咬み傷から病気を媒介する存在なので、害獣とみなされることもある。
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関連項目
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