概要
出血した時に血管から出てくる液体。
ご存じの通り、人間やイヌ・ネコ・鳥・魚などは基本的に赤色。
基本的に背骨のある動物は赤色の、背骨のない動物は青色の血を流す。
血液が赤く見えるのは赤血球が赤く量が多いため。
(白血病は白血球が増えるが血液が白く見える訳ではない)
人間の身体は体重の約13分の1(約8%)は血液であるなど、活動を維持するうえで欠かすことができない。大人の体内にはおよそ4~5リットルの血液がある(ちなみに水分は体重の約60%)。
唇や色など半分近く血の色が見える部分もあるが、血流が悪いと青ざめて見える。
極論、赤色の少しどろっとした液体であるが、感染症の原因にもなりうるため、いい加減な取り扱いや、他人の血液を生で触るといった行為は推奨されない。
比喩として
機能
「流れる臓器」とも言われ、
などの役割を担っている。
心臓を出たものは動脈、用途を果たしたものは静脈をを通って腎臓で濾過され、心臓に戻る。
血液=赤色なイメージがあり、静脈から出たものはどす黒いため、初見ではぎょっとするかもしれない。
血液が心臓を出てから心臓に戻るまで、およそ30秒といわれる。
赤血球は120日、白血球は一週間、血小板は3日ほどで寿命を迎える。死んだ後は肝臓や脾臓で分解され、尿や便とともに体外に排出される。
献血・輸血
献血・輸血によって血液を譲ることもできるが、血液型の異なる人同士の場合、凝固や溶血といった致命的な問題が発生する。
O型においてはどの血液型にも輸血することができる。
ただし、輸血元が特定の薬を服用していたり、持病を持っている場合はこの限りではない。
かつて日本国内においては無償の献血のほかに有償で血液を売る「売血」も行われていたが、検査不十分による感染症などの様々な問題が発生したため1969年には終息している。
また、生命の危機に瀕していても輸血を極端に嫌がるカルト宗教団体も存在する(後述)。
戦場の兵士や工事現場の作業員など、万一の大量出血(輸血)に備え、服装・ヘルメットなどに血液型を表示記載し、速やかで円滑な医療措置が可能となっている場合もある。
血液量・出血による影響
事件・事故・災害・戦闘などによって大量出血した場合、適切な応急措置(止血)や早急な輸血といった手段がなければ危険に陥る。
身長 | 体重 | 血液量 | 出血性ショック (20%) |
危険 (30%) |
失血死 (50%) |
参考 |
110cm | 27kg | 2.1L | 0.4L | 0.63L | 1.05L | 約6~7歳 |
135cm | 40kg | 3.2L | 0.64L | 0.96L | 1.60L | 約8~11歳 |
150cm | 50kg | 4.0L | 0.80L | 1.20L | 2.00L | 約8~11歳 |
165cm | 60kg | 4.8L | 0.96L | 1.44L | 2.40L | 約14歳以上 |
172cm | 70kg | 5.6L | 1.12L | 1.68L | 2.80L | |
190cm | 80kg | 6.4L | 1.28L | 1.92L | 3.20L | |
200cm | 88kg | 7.0L | 1.40L | 2.10L | 3.50L |
もちろん体内で出血・負傷している場合もあるため、外傷がなくとも油断はできない。
交通事故や当たり屋など、「怪我がなさそうだし面倒だから通報しなくてOK」ではない。
※通報しなければ「当て逃げ」「救護義務違反」(ひき逃げ)で即犯罪者となる。
止血
負傷の度合いによって血の吹き出し方や時間当たりの出血量は異なるものの、出血が止まらない場合、早急に止血を行わなければあの世へ制限時間はさらに残り少なくなる。
出血性ショックの諸症状から、後遺症を残す可能性も出てくるため非常に重要。
出血箇所によって有効な方法は多少変わる。
頭を負傷したからといって首を絞めてはいけない。
もちろん医療機関への連絡や搬送も忘れずに。
運転免許を持っている方は取得時に、教本に載っていたり講習を受けた方も多いかもしれない。
血を抜く
前者の止血とは真逆であるが、釣った魚や仕留めた動物の鮮度維持、生臭さが移らないよう血を抜く場合や、輸送時や解体する際に暴れて危険という理由で殺傷を兼ねて血抜きをする場合も多い。
血液自体は劣化・腐敗しやすく常温保存には向かないが、栄養があるため料理の材料として用いられる場合もある。サバイバル等の極限状態においては、内臓や毛皮とともに活用したい部位のひとつ。
毒蛇に噛まれた際などに吸い出す方法もあるが、口内に傷があると危険。
中世ヨーロッパ~近代まで、治療法として患部の血を抜いて症状改善を図る瀉血(しゃけつ)も一部で強く信じられ行われていたが、現在は一部治療に用いられるのみ。
犯罪捜査
事件現場に残った被害者の体液の一種として実際の事件現場から警察・探偵もののフィクション作品まで幅広く用いられる。
- 時間経過とともに固まり、徐々に黒くなる。
- 不審な場所に付着した血液など、犯行当時の動きや様子のヒントとする場合もある。
- 犯罪捜査などでは、ふき取ってもルミノール反応によって暗所で光る。
- 被害者と揉み合った際や侵入時の負傷で付着した加害者の血液が残る場合もある。
フィクションにおいて
登場人物や視聴者に対して、ホラー映画や戦闘シーンとも親和性が高い。
負傷・危険、絶望や惨状・惨劇・暴力的な印象を突き付けるシーンとしてよく用いられる。
負傷や返り血で血まみれの姿や、壁や壁、天井まで血の海となった部屋・現場などは観客の恐怖や嫌悪感を掻き立てるが、耐性の無い人はドン引きしてしまいトラウマになる、夜も眠れなくなることも。
「血塗られた」「血で血を洗う」「血祭り」「鮮血」といった表現も珍しくない。
また、一部の(リョナ好きな)人は心が躍らせる。
サイコパスな方は幸福な意味で興奮するか、血みどろの地獄絵図でも割と動じないなど差がある。
血の海となった部屋や現場で不気味な笑みを浮かべるのもひとつのロマン。
吐血(喀血)によって病弱や死期が近いことを悟る、悟らせるシーンもお約束。
極度の怒りや悲しみ、嫉妬、呪いによって血涙を流す姿も禍々しい。
見た目から、あえて血液と言及せず
トマトジュース、ケチャップ、フレッシュトマト味と比喩される場合もある。
出血を利用したギミック
出血状態を利用する作品も多い。
- 状態異常としてHPが減り続ける。
- 匂いに敏感なモンスターや猛獣といった敵に感知されやすくなる。
- 負傷して垂れた血痕によって相手を追跡したり、敵に追跡される。
- 登場人物が出血によって意識を失う・衰弱する様子など。
- 一種の「制限時間」代わりとなり、余裕がないといった緊張感を演出する。
- 激しい出血においても平然としているなど、強い意志や痛覚の無さを表現する場合もある。
- 激しい血の跡など、死体がなくとも凄惨な行為があった事を示せる。
- ダイイングメッセージを書き残すインク代わりなど、探偵・刑事作品ではおなじみ。
人外・モンスター等
ゾンビなどに噛まれた際の感染経路としても重要。
妖怪やモンスターが変化したもの(人間態)や、宇宙人・怪獣など、人間でないことを明確にさせるため、あえて緑色や蛍光色の血液にする場合もある。
設定や特殊メイクなど
漫画家などが適当に設定資料を作った結果、両親の血液型から生まれないはずの血液型になっているといった場合もあり
実の子でない、養子・托卵・取り違えといった余計な詮索を生むことになる。
撮影においては小道具として血糊が用いられ、特殊メイクと組み合わせるとかなりエグい事に。
実際、血液のようなものが衣服等に大量付着している状態で出歩くと通報されるので注意。
相手を騙す手段として意図的に血糊や他者の血液、ケチャップ、絵の具等を利用するといった手法もある。
(死んだふり)
作品として
アニメ「はたらく細胞」では体内で擬人化されてよく働く様子が見られる。
自身の血液そのものを
怪物を倒す武器(特効薬)として用いる「BLOOD」のような作品もある。
子供向け
対象年齢(CERO)が上がってしまうため、小さな子供向けの作品ではあまり用いられないが、エッチなシーンで鼻血を吹き出すといったギャグに用いられることもある。
前述の怪獣の血液などが赤色でないのは、子供への刺激を抑えるためといった意味もある。
その他
2000年代には「血液型による性格の違い」「血液型性格分類」「血液型性格診断」を扱う番組や特集、出版が数多く組まれていた時期もあり、偏見を助長するなど問題となった。
(ブラッドタイプ・ハラスメント)ちなみに科学的根拠はない。
鮫やピラニア、肉食獣など、血の匂いに敏感であったり興奮するものもいる。
特に前者、女性が生理中などにそれらのいる水中に入るのは得策ではない。
毒蛇などの毒を血液に混ぜると怖さがわかる。
蛇の毒で人間の血が一瞬でゼリーに - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)
人間以外の比喩
自動車におけるエンジンオイルなども同様に全身を駆け回り
潤滑・密封・冷却・洗浄・防錆など数多くの機能を持つことから、血液に例えられることもある。
物流・輸送やそれらを行うトラックを血液とし
主要道路や高速道路などは大動脈(血管)と例えられることもある。
輸血を嫌がる人
カルト宗教団体「エホバの証人」は輸血を極端に嫌がり、ブチ切れるなど医療機関に煙たがられる。
物事の判断のつく大人が前もって輸血拒否を示すなら、まだ個人の自由で済むかもしれないが
それのない子供が毒親の輸血拒否によって死亡した例がある。
現在は法律の改正により、子供への輸血拒否は「虐待」に分類され
一時的に親権を剥奪する、緊急避難といった名目で可能となっている。
関連動画
関連静画
関連リンク
セリフ
ことわざ・故事成語
関連項目
比喩症状ウイルス・細菌 |
利用・趣向病状百科記事がないもの
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脚注
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