メフィストフェレスとは、悪魔の名前である。
曖昧さ回避はメフィストの記事に詳しいため、ここには載せない。
概要
近世以降のファウスト伝説とともに誕生した、比較的歴史の浅い悪魔。なお、名前の由来は不明だが、ルキフェルのパロディの『光を愛さない者』と解説されることが多い他、現在の綴りはゲーテが「硫黄」に引っ掛けたものらしい。
1480年ごろにクニトリンゲンで誕生したヨハン・ゲオルク・ファウストが悪魔を召還した話は、ルター派のフィリップ・メランヒトンによって書き記されている。以後、ルター派によってファウストが語り継がれていき、1578年のヨハネス・シュピースによる『ヨハン・ファウストゥス物語』がその集大成となった。ここに初めて登場したのがメフィストフェレスである。
この書の中でメフィストフェレスはルキフェルに仕える君主の一人と名乗り、24年間ファウストに臣従し魂をもらい受ける契約を行った。かくしてメフィストフェレスを使役しきったファウストは、その時が来るとずたずたに引き裂かれ汚物に捨てられる悲惨な最期を遂げたのであった。
やがてファウストとメフィストフェレスのモチーフは教会の教えが揺らぎつつある中で文学のテンプレートとなり、クリストファー・マーロウの『フォースタス博士』などがある。かくしてついにゲーテの『ファウスト』が登場し、神との賭けでファウストを誘惑し、最後はメフィストフェレスの手をすり抜けてファウストが救われる、かの有名な戯曲が誕生したのであった。
関連項目
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