㼱とは、柔らかいなめし革である。
漢字として
- 意味
- 柔らかいなめし革、柔らかいという意味がある。〔説文解字〕に「柔韋なり」とある。
- 字形
- 諸説ある。
- 〔説文〕には「北に從ひ、皮の省に從ひ,敻の省に從ふ」とあって、北+皮の省略+夐の省略の会意とする。これらの字を合わせて、なぜ柔らかいなめし革の意味になるのかについては、北に反復の意味があるとする説などがある。段玉裁は、夐の省を声符とする形声としているが、音が似ていない。
- ほかに、皮と両手に従い卵声の形声とする説(〔古籀篇〕)、動物の後ろ姿の象形で瓦の部分はおまんことする説(白川静)などがある。
- 音訓
- 音読みはゼン、シュン、訓読みは、なめしがわ、やわらかい。〔説文〕に「讀みて耎(ゼン)の若くす。一に曰く雋(シュン)の若くす」とある。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213、JIS X 0212未収録。
- 部首
- 㼱は、〔説文解字〕で部首である。〔説文〕はほかに𤮪を収める。
異体字
- 𤭀は、〔説文〕に「籒文の㼱、敻の省に從ふ」とある籀文。
- 𠬫は、〔説文〕にある古文。
- 𤕱は、〔字彙補〕にある古文。〔康煕字典〕は𠬫の訛字では、としている。
- 𥧐は、〔篇海〕に「獵の韋袴なり」とあって、㼱と同じとある字。
- 𥨏は、〔字彙補〕に𥧐と同じとある異体字。
- 𩏈は、〔集韻〕に本字は𤭀とある異体字。
- 𠤦は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
- 𠭝は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。〔字彙補〕に「柔韋なり」とあり、〔釈典〕に見えるという。
- 𡕶は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。〔集韻〕に「獵の韋袴なり」とある。
- 𡰺は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
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