弋とは、杙(くい)や繳(いぐるみ)のことである。戈は別の字。
また中国語圏の人名である。
漢字として
- 意味
- いぐるみ、狩る、杙(くい)。(黓と通じて)黒。また㚤と通じる。いぐるみとは矢に糸をつけ鳥や魚を捕らえる狩猟道具のこと。
- 〔玉篇〕には「弋は、繳射なり」と繳(いぐるみ)の意味とある。
- 字形
- 諸説ある。〔説文解字〕には「橜なり。折木の衺(なな)めに銳く著く形に象る。𠂆に從ふ。物の之れに挂(かか)るに象るなり」とあり、杙の象形とする。白川静は字をいぐるみの象形とし、繳の初文であるとする。隿はいぐるみで鳥を射つという字で弋の繁文。
- 音訓
- 音読みは、ヨク、イキ、訓読みは、いぐるみ、くい。
- 古くはヒツの音もあったようで、〔説文〕は弋が必の声符であるとしている。また金文で必の意味で使われている例がある。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第二水準。
- 部首
- 弋は部首弋部を作る。
- 声符
- 弋を声符とする漢字には、代、㚤、式、杙、忒(トク)、隿、貣、䣧、鳶(エン)、黓がある。
- 語彙
- 弋獲・弋射・弋者・弋繳・弋人・弋釣
異体字
- 𢍺は、〔字彙補〕にある異体字。
互換文字
関連項目
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