藤田哲也とは、トルネード(竜巻)とダウンバースト(下降噴流)研究における世界的権威の気象学者。
別名はミスタートルネード。「Fスケール」という竜巻の強さの基準を作った学者である。
竜巻研究について
トルネードと言えば、メジャーリーグで活躍した野茂英雄のトルネード投法と言う言葉はご存知であろう。
30代くらいからの世代にとっては、トルネードと言えば野茂英雄である。
しかし、気象学においてのトルネードと言えば藤田哲也である。
日本ではあまり竜巻注意報など流れてはこないが、アメリカに至っては生死に関わる問題である。
竜巻といっても、そんなに恐ろしいほどの大きさが吹くなんてめったにない。むしろ地震の方が怖いだろう。
ただ、アメリカでは逆である。家の地下に潜るかそこから退避しなければならないほど、とんでもないほど大きな竜巻が吹くのである。
その竜巻の強さの世界基準を作ったのが、ミスタートルネードこと藤田哲也である。
「Fスケール」と言う言葉は藤田哲也という日本人学者の名前から取られているのだ。
この「Fスケール」は「F0」から「F6」までに分類されており、トルネード発生時に使用されている。
日本でよく聞く地震の大きさを示す「マグニチュード(M)」と共に、世界で使用される気象の指標の一つになっているのである。
ダウンバーストとダウンバースト論争
1975年にアメリカで起きたイースタンエアライン66便が着陸直前に墜落した事故について、墜落原因をパイロットのミスによる墜落とされた。これに納得しないイースタンエアラインより藤田の元へ研究依頼が届くこととなった。藤田は各種研究の結果、原因をダウンバーストによるものであると指摘した。
しかし、当時はナンセンスな話と揶揄されていたのだが、熱心な研究によってそれは証明された。
以降、ダウンバーストの発生の予測は可能であることも立証して、今ではダウンバーストを予測するために全世界の主な飛行場に「ドップラーレーダー」という周波数の変移で距離が測定できる機器が設置されるようになっており、世界中の人々の命を守っている。
その他
生まれは北九州市出身なのだが、アメリカに移住してアメリカ国籍を取得している。
これだけの功績があるためノーベル賞も取っていると思われがちなのだが、気象学の項目がないため授与されてはいない。
ただ、もし気象学があれば確実にその栄誉に輝いていたであろう。
長崎に投下された原子爆弾の被害調査に参加している。
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