概要
鶏に似て、赤色または青色、五彩の文様があって、鳴き声は五音になっているとされる神鳥である。
〔山海経・西山経〕の女床の山のくだりに「其の狀、翟の如くして五彩の文あり。名を鸞鳥と曰ふ」とあり、その姿を見ると天下安寧であるという。また〔山海経・大荒南経〕などに「鸞鳥は自ら歌ひ、鳳鳥は自ら舞ふ」とある。また雄とされ、〔康煕字典〕に引く〔埤雅〕に「鸞鳥、雌を和と曰ひ、雄を鸞と曰ふ」とある。
漢字として
- 意味
- 神鳥を表す。ほかに天子が使うものの美称として使われ、天子の乗る輿、夫婦という意味がある。
- 〔説文解字(段注本)〕には「赤き神靈の精なり。赤色五采。雞の形。鳴くこと五音に中る。頌聲作(おこ)るとき則ち至る」とあり、〔逸周書〕を引いて「周成王の時、氐羌、鸞鳥を獻ず」とある。
- また鑾と通じて天子の用いる鈴、という意味がある。〔詩経・小雅〕に「和鸞、雝雝たり」とあり、それについての〔毛伝〕に「軾に在るを和と曰ひ、鑣に在るを鸞と曰ふ」とある。
- 字形
- 形声で声符は䜌。なお金文では蠻も鑾も鸞も䜌で表されている。
- 音訓
- 音読みはラン(漢音、呉音)。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第二水準。
- 語彙
- 鸞衣・鸞旗・鸞車・鸞台・鸞刀・鸞鳳・鸞輿・鸞鈴・鸞路
異体字
- 鵉は、〔俗書刊誤〕に「俗に鵉と作す」とある異体字。
- 簡体字は鸾。
関連項目
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