ニコニコ大百科

いー

ひー

くー

んー

みー

秋も深まるある日のこと、泉の畔を散歩していたにみっつちゃんは、マフラーを泉に落としてしまいました。
すると、泉の精が出てきて言いました。
「あなたが落とちたのは金のマフラーでしゅか？銀のマフラーでしゅか？」
にみっつちゃんは、泉の精の愛らしさに心を奪われてしまいました。
「どちらでもないわ。落としたマフラーもあげる。だから、貴女の名前を教えて頂戴。私はにみっつっていうの」
「なまえ？になりーっていうんだよ。マフラーありがとう、よろちくね、にみっつちゃん」

次の日、にみっつちゃんは泉にリンゴとバナナを投げ込みました。
「にみっつちゃん、また落とちちゃったの？今日はリンゴとバナナだねえ」
「好きな方を選んで、一緒におやつに食べましょう」
「やったー！」

それからも、２人は毎日、一緒に仲良くおやつを食べました。
２か月ほどが過ぎた頃、先におやつを食べ終わったになりーちゃんが寂しそうに言いました。
「あのね、もうしゅぐ泉に氷が張るの。そうちたら、になりーは泉の底でねんねしゅるの」

次の日、にみっつちゃんはまだ泉に氷が張っていないことを確認してほっとして、指輪と花束を投げ込みました。
「あれ？今日は食べ物じゃないねえ」
「になりー、良かったら私と一緒に住まない？」
「ごめんね、になりー泉の精だから、ここを離れられないの」
「それは大丈夫よ。になりーが良かったら、森のお友達にお願いして、ここの畔に家を建ててもらうの」
になりーちゃんがにっこり笑ってうなずくと、木や草の影からたくさんの森の動物さんたちがひょっこり顔を出しました。
そして２人と動物さんたちは、泉の畔に建てたお家で、初めての温かい冬を過ごしましたとさ。
めでたし、めでたし。
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