サンテク構文

サンテク構文とは、アニメ「星の王子さま プチ・プランス」冒頭のナレーション文章、およびそれを改変した文章である。

概要

アニメ「星の王子さま プチ・プランス」冒頭、主題歌のイントロをBGMに以下の献辞のような文章が矢島正明によって読み上げられ、画面には星空を背景に文章が下から上へスクロール表示される。

この物語りを

世界中の子供達に

また自分が子供だった頃を

忘れがちな大人達に

そして

うわべだけでなく

物事の　ほんとうの美しさを

見つめる勇気を持った

すべての人々に

心からの友情をこめて

　贈ります。

サン・テクジュペリ

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アニメ「星の王子さま プチ・プランス」 より

おかしなところは一つもなさそうな、至って真面目な文章である。ところが、アニメを制作した会社が「チャージマン研！」でおなじみのナックということで、2021年頃^[1]からチャーケニスト達によりMAD素材などに活用され始めた。

アニメ「星の王子さま」にはパイロット版が存在し、完成版同様に以下のような献辞のような文章が読み上げられ、画面には砂漠を背景に文章が下から上へスクロール表示される。

この物語りを
世界中の子供たちに
また、昔は子供だった
大人たちにも
そして誰でも
平和を愛する
すべての人々に
うわべだけではなく
物事の真実を
自分の眼で見る勇気を
持ったすべての人々に
心からの友情をこめて
贈ります……………………

原作者／
サン・テクジュペリー

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アニメ「星の王子さま（パイロット版）」より

文章の出典について

そもそも原作「星の王子さま」の作者はアントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリであり、サン・テクジュペリは誤りなのだが、いったん置いておく。

この、原作者による献辞のような文章であるが、実は原作にこのような文章は存在せず、また原作者がこのような文を書き記したかは定かではない。

以下、原作冒頭の文章である。

レオン・ウェルトに

　子どものみなさん、ゆるしてください。ぼくはこの本をひとりのおとなのひとにささげます。でもちゃんとしたわけがあるのです。そのおとなのひとは、ぼくのせかいでいちばんの友だちなんです。それにそのひとはなんでもわかるひとで、子どもの本もわかります。しかも、そのひとはいまフランスにいて、さむいなか、おなかをへらしてくるしんでいます。心のささえがいるのです。まだいいわけがほしいのなら、このひともまえは子どもだったので、ぼくはその子どもにこの本をささげることにします。おとなはだれでも、もとは子どもですよね。（みんな、そのことをわすれますけど。）じゃあ、ささげるひとをこう書きなおしましょう。

（かわいい少年だったころの）
レオン・ウェルトに

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青空文庫版『あのときの王子くん』（大久保ゆう 訳）より

このように原作冒頭には献辞が存在するのだが、その内容は原作者の友人に宛てたものであり、アニメ版とは大幅に異なる。

もしも、目に見えないものを見ようとすることが許されるのなら（つまり、深読みが許されるなら）ひょっとしたら、このレオン・ウェルトに宛てた本が実は世界中の大人たちへのものだという解釈も成り立つのかもしれない、しかしアニメ版の独自解釈をさも原作者のメッセージのように表現するのはいかがなものかという気もしないでもないが、・・・

こんな、さくひんのあらをさがして、してきしようとして、だいひゃっかにきじまでつくって、おとなってほんとうにへんだ。

関連動画

関連項目

• 星の王子さま プチ・プランス

脚注

1. *2021年7月からYoutubeのICHIチャンネルで公式配信が開始され、簡単に視聴できるようになったのが契機。