ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレスとは、アニメ『ドキドキ!プリキュア』の劇場アニメーション作品である。
2013年10月26日公開。映画プリキュアの第15作である(レギュラーシリーズ映画では第10作)。
監督の伊藤尚往は、記念すべき初代『ふたりはプリキュア』 の第1回を演出した人物で、プリキュアに携わるのはMH46話以来、実に7年半ぶり。また、ベテラン俳優の谷原章介が本作のゲストキャラクターを演じることでも話題となった。谷原はこれまでにも何度かアニメ映画に出演した実績がある上に、5児の父親もあってハトプリから家族共々プリキュアのファンであることを明かした。プリキュアへの愛着もあって、ハラショーは本編でも高い演技力を見せているので必見。
本作はプリキュアシリーズの映画作品としては初めて、第26回東京国際映画祭に特別招待作品として参加することが決定、開幕日の10月17日にはオープニングカーペットアライバルにも参加、プリキュア達やその声優5人、谷原がグリーンカーペットを歩いた。10月20日には同映画祭でワールドプレミア上映され、その舞台挨拶や事前イベントでは生天目仁美、渕上舞、宮本佳那子の3人がウェディングドレス姿で登場したことも話題となった。
余談だが、映画公開初日である10月26日は『劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』の公開初日でもあり、全く異なる2つの魔法少女アニメが同じ日に封切りされたことでも話題となった。初日二日間の興行収入はまどかが1位、ドキプリが2位とまどかに軍配が上がったが、ぴあの出口調査による初日満足度ランキングではまどかを抑えて堂々の第1位に輝いた。
当然ながら映画館では両作品を同時上映している所が多く、はしごして見に行った観客もかなりの数に上ったと思われる。また、まどかとドキプリは共通のテーマとして「愛」が物語のキーワードとなっているが、そのベクトルは真逆だったと言って良い。ちなみに、同時上映している映画館で同日に両方とも見るなら、まどか→ドキプリの順に見ることをお勧めする。理由は言わずもがな。
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この項目は、映画のネタバレ成分を含みます。 ここから下は自己責任でスクロールしてください。 |
サブタイトルとは裏腹に、今作はマナたちの過去が物語の主題となっている。捨てられたモノたちが恨みを持って敵になるという描写は、映画フレプリ(『おもちゃの国は秘密がいっぱい!?』)に近いが、懐かしい過去の時代に閉じ込められるという点では、劇場版クレしんの名作『オトナ帝国の逆襲』を彷彿させる。だが、祖母や愛犬を亡くしたマナは、同日にかつての悲しい思い出が蘇り(それがかえって、過去の世界への郷愁を強くさせてしまう)、六花やありすはマナがいない世界のため一抹の寂しさを覚えるなど、単に懐古が良いものばかりではないという現実を突きつけられる所もポイントである。
過去にもプリキュア同士の戦い(『雪空のともだち』)や、プリキュアのキスシーン(『お菓子の国のハッピーバースディ♪』)など、通常のテレビシリーズでは実現が難しいことをこれまで色々挑戦してきた映画プリキュアだが、今回はプリキュアの流血シーンがネットではかなりの反響を呼んだ。出血シーン自体は、過去にも『プリキュア5』のココがミラクルライトに激突して怪我をしたり、ハトプリのコブラージャがキュアサンシャインの攻撃で頬に傷が付いて怒るシーンなどがあったが、いずれも軽い傷で済む程度であった(いずれも脇役であり、プリキュア戦士が血を流した場面は過去に例が無い)。それだけにキュアハートがマシューに肩を噛まれて、地面に血が落ちるほどの深手を負った場面ではかなり衝撃的であっただろう。
では、これまでタブーだった流血シーンを敢えて描いたのか?やはりこれは、思いがけない事故で命を奪われ、マナと共に歩む未来を失ったマシュー(マロ)の怒りと悲しみを、自らも痛みを伴って受け止めたマナを描くために必要不可欠だったものではないだろうか(『風の谷のナウシカ』を連想すれば良いかもしれない)。いずれにせよ、真摯に向き合ったマナの願いが通じたおかげで、マシューの凍てついた心は解けて和解することが出来たことは間違いない。
また、プリキュアを助ける妖精のベベルの正体が、マナの亡き祖母・五十鈴であったことと同時に、マナの口癖である「モチのロン」など彼女の人柄・性格は祖母譲りであることも判明した。ドキプリ放送開始時から、歴代プリキュアでも一二を争う優秀な超人っぷりを見せていたマナだったが、キュアドリーム(もう一人の自分である、ダークドリームとの別れ)やキュアムーンライト(目前で相棒の妖精と父親を喪っている)の前例を見ると、悲しい過去を乗り越え克服したプリキュアは一回りも二回りも強く成長するのかもしれない。また、五十鈴とベベルを演じた杉山佳寿子は『プリキュア5』のデスパライア以来となる出演で、2役を演じ分けつつ(同一人物だが)、孫娘を想う祖母の立場を好演しており、特にラストシーンで涙する人が多く見受けられる。
いずれにせよ、今作は歴代プリキュアシリーズの中でもシリアス度が高く、内容も重い作品であった(これまでの作品に見られたギャグシーンは非常に少ない)。先述の出血シーンの他にも、登場キャラクターの「死」を正面から描ききったという点など、子供向けアニメならば賛否両論が起こりそうな内容を採用する英断をしたアニメスタッフには拍手を送りたい。ネットのレビューを見ると、今回の映画を見て涙を流した人も多く、『花の都でファッションショー…ですか!?』と同様に、どちらかと言えば子供よりも大人になってから作品の魅力がわかるかもしれない。
その一方で、ラストバトルがあまりにもあっさり過ぎて盛り上がらなかった、結婚式のシーンが短すぎる、キュアエースの登場が唐突で亜久里の扱いにも難がある、全般的に内容が詰め込みすぎて駆け足気味、といった難点や苦言も見受けられるのも否めない。70分前後という映画の尺の制約がある(それでもシリーズ単独作品では最長の72分ではあるが)以上致し方ないことではある。 また亜久里の扱いについても後に本編終盤で明らかとなった出自の秘密を考えれば、映画での登場の仕方はその秘密の伏線とも考えられるだろう。
また、プロデューサーが変わって色々と新しい試みが行われているテレビ本編同様に、本作でも前述の流血シーンを含め新たな試みが行われている。その最たる物として、今回のミラクルライトであるミラクルブーケライトを使うシーンでは、初めてプリキュア達がライトを自ら使うだけでなく、亜久里が劇場の観客に使うよう呼びかけるというメタ要素が導入された。また、エンディングのCGムービーもテレビそのままではなく、1コーラス長くしており、キュアハートがエンゲージモードへと変わったり、プリキュア達がライトを振ったりする演出が施されている。さらに、オリジナルのキャラクターソングが作品のテーマソング(挿入歌)として用いられたり(キャラクター自身が歌った曲が用いられるのは『チクタク危機一髪!』のガンバランスdeダンス咲舞ver.以来)、バトルシーンやクラリネットを演奏するシーンといった要所要所でCGを多用するなど、様々な試みが見られる。
本作の物語の中心となったのがマナの結婚。そして前述したようにマナ役の生天目仁美もワールドプレミアでウェディングドレス姿を披露し、話題となった……と共に、「ウェディングドレスを着ると婚期が遅れる」というジンクスがあることから生天目の婚期を心配する人も少なからずいたと思う(特に本妻が先にゴールインしているだけに。後年離婚してしまったが……)。
そんなことが人々の記憶の片隅にあったかどうか分からないが、それから10ヶ月ほどした2014年8月4日。生天目、そしてマナの誕生日のこの日に生天目はブログを更新した。そこでマナの誕生日を祝うと共に、自身の入籍報告を行ったのである(ちなみに最初の報告は前日に行われた誕生日イベントで観客に向けて行ったとのこと)。
まさかの誕生日のビッグサプライズに、プリキュアのスタッフや同僚声優、先輩後輩プリキュア声優、業界関係者や声優仲間、そしてファンからの祝福の言葉が多数寄せられ、さらに前年のプリキュアの主人公というネームバリューもあって、報道各社がネット上で記事を出し(特に日刊スポーツでは紙面でも記事となった)、NHK NEWS WEBのつぶやきビッグデータでも名前が入ることに。ファンからのお祝いイラストの中にはウェディングドレス姿のマナやエンゲージモードのキュアハートもあったのは言うまでも無い。
なにより、その前の週には初代プリキュア、美墨なぎさ役の本名陽子の入籍報告もあり、プリキュア声優の相次ぐ結婚で沸き立ったのだった。ちなみにブラック家族で言えばこれで5人目となる。チョッピの中の人については触れてあげないで下さい……
まさしく、「なば結婚!」となった今回の結婚。「未来につなぐ」を地で行くよう、末永い幸せを願わずにはいられない。
その後、同じくあの場でウェディングドレス姿を披露した真琴役の宮本佳那子も2019年2月11日に入籍。そして2020年7月に第1子を出産したことを明らかにした。さらに六花役の寿美菜子が2023年7月24日に結婚発表したのを挟み、これまたウェディングドレス姿を披露したありす役の渕上舞も自身&ありすの誕生日である2024年5月28日に結婚を発表し、初期メンバー役4人とも入籍とあいなった。
ちなみに生天目・宮本・渕上いずれも日刊スポーツは結婚の記事についてはしっかりとウェディングドレス姿の写真を使っている。流石プリキュア新聞出していただけに使いどころが分かっている。
『映画 プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』において、ベベルがマナ達含む歴代プリキュアたちの回想シーン(挿入歌「39フェアリーズ」の映像シーン)でプリキュアの協力者達(TV本編30話に登場したキュアエンプレスの元パートナー妖精のメランも含む)・他作品のレギュラー映画のゲストキャラクター達・NSシリーズのキャラクター達と共にモブ登場。なお、五十鈴としての姿の登場はないが、故人であるプリキュアの家族としては初(この他、『ハートキャッチプリキュア!』のコロンや『プリキュアオールスターズNewStage』のフーちゃんといった他界しているキャラクターがいる)。
掲示板
79 ななしのよっしん
2019/04/11(木) 18:28:46 ID: jaDUuBo+Ch
ワンピースのオマツリ島や仮面ライダークウガの直後に見たから尚更「死」や「流血」に感じるものがあった
特にオマツリ島とは予告詐欺、戦う相手が「過去の幸せに縛りつけられた者(&黒幕)」、黒幕を倒した武器が弓矢、と妙に共通点が多い
でも向こうほどヤバい描写はなく一応「プリキュア」の範疇に収まってて安心
寧ろ未来の結婚式を潰そうとするタコ足の殺意剥き出しっぷりにゾッとしてあのシーンは今でも頭に残ってる
80 ななしのよっしん
2020/06/08(月) 21:48:15 ID: Lj93IAQdeL
確かスイートプリキュアの序盤でメロディが腕負傷して血がにじむシーンがあったはず
出血とまで言えるかは怪しいが
81 ななしのよっしん
2022/09/02(金) 04:14:04 ID: f5vmZQpEEF
マナの祖母ちゃんは死後に妖精に転生したんじゃなくて
元々人間に擬態していた妖精説とか小耳に挟んだんだけど
実際の所どうなんだろうな?
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最終更新:2025/03/21(金) 15:00
最終更新:2025/03/21(金) 14:00
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