ドズル・ザビとは、機動戦士ガンダムに登場するキャラクターである。階級は中将。
声:長堀芳夫(現・郷里大輔 / テレビ版・劇場版I)/ 玄田哲章(劇場版III・特別版)/ 辻親八(SSゲーム版) / 三宅健太(THE ORIGIIN)
デギン・ソド・ザビの息子の一人で、ザビ家一の巨体(210cm)を誇る人物。一年戦争当時の年齢は28歳。
両肩にトゲが付いた軍服を着用し、強面の顔には傷が付いているなど、見た目からして武人の雰囲気を漂わせている。父のデギンや、ギレンたち他の兄弟と比べて明らかに身長や体格が違う事から、或いは庶子(妾、愛人などの子供)なのではないかとも言われる。
一年戦争には、ジオン公国の宇宙攻撃軍司令官として登場。宇宙要塞ソロモンを本拠地として各地の軍を指揮した。ルウム戦役時にはムサイ級軽巡洋艦「ファルメル」を乗艦としていたが、この艦をシャアへ譲り渡した後はグワジン級戦艦「グワラン」を専用の艦としていた。
一年戦争開戦時にはモビルスーツの力を軽視していたが、ルウム戦役における大戦果を目の当たりにし、その考えを改めたという。
軍の司令官でありながら政治にも注力することの多かった兄弟たちとは違い、ドズルは政治的立場には関心を示さず、常に前線とも言うべき場所に立って指揮を執り続けていた。また豪快な統率力を持ち、加えて部下の作戦の成功を自ら率先して祝うような気質の持ち主でもあったことから、ドズルの周囲には常にシャア・アズナブル(左遷前)、シン・マツナガ、アナベル・ガトーなど実力あるパイロットたちが多く姿を見せていた。更には妻であるゼナ、愛娘ミネバを膝下ソロモンに大切に住まわせるなど、戦場以外の場所でも変わらない懐の深い人物としても知られていた。
母ナルスの面影を残す末弟ガルマを溺愛しており、「いつかは自分をも使いこなす将軍になる」とその日を待望していたとされる。それだけに、後にガルマが斃れると「ガルマをむざむざ死なせたシャアの処刑を望む」と言い放ち(しかしデギンの裁量により左遷となった)、ガルマを討った連邦軍ホワイトベース隊を倒すためだけに戦略を無視してランバ・ラル隊、コンスコン隊を派遣するなど、その死を人一倍深く惜しんでいた。
その一方、ガルマの庇護者的な立場にあるキシリアとの関係は、一般に不仲であると見做されていた。実際この対立によって、敵である連邦軍よりも規模の小さなジオン軍が、宇宙攻撃軍(ドズル派)、突撃機動軍(キシリア派)と戦力を分割せざるを得ない状態に陥ってしまったほか、現場においては物資の融通なども含めて様々な悪影響が生まれていたと言われる。しかしドズルは、公的な場所においてはキシリアを「姉上」と呼んで立てる姿勢を崩さず、またキシリアの側も、ガルマの死に際してドズルに同調する形でその死を悼むようデギンに進言するなど、互いに相手に対してある程度の尊重を示す様子は見せていた。
一年戦争も終わりが近づいた宇宙世紀0079年12月、ドズルがいるソロモンへ連邦軍が迫る。ドズルはギレンに対し増援を要請するが、送られてきたのは部品ごとに解体されたモビルアーマー「ビグ・ザム」1機のみであった。そのビグ・ザム1機で2、3個師団に匹敵すると言うギレンに対し、ドズルは「戦いは数だよ兄貴!」と反論した。
そして12月24日、チェンバロ作戦が開始され、連邦軍によるソロモンへの攻撃が始まった。連邦軍の攻勢に対し守備隊へ指令を飛ばすドズルであったが、パブリク突撃艇によるビーム撹乱幕によって要塞のビーム砲がほとんど使用できなくなり、その穴埋めとして艦隊を前進させざるを得なくなった。そこを連邦軍モビルスーツ隊やボールによって激しく攻撃され、さらには新兵器ソーラシステムにより要塞の一部がブロックごと消滅するほどのダメージを受け、旗下の戦力は大きな打撃を受けることとなった。この戦況を見たドズルはついにソロモンの放棄を命じ、残存の戦力はア・バオア・クーへと撤退するように指示した。
そして自身は友軍が脱出する時間を稼ぐためビグ・ザムに乗り込み、連邦軍に殴りこんだ。
ビグ・ザムの火力は激烈で、しかもその強力なIフィールドは戦艦のビーム兵器さえも無効化するほど優れていた。連邦軍の艦艇はごく短時間のうちに次々と中破、大破へと追い込まれ、ついにはティアンム提督座乗の総旗艦「タイタン」すらもが轟沈させられるまでに至った。この巨大な戦果を垣間見たドズルは「ビグ・ザムが量産された暁には連邦軍などあっという間だ!」との台詞を残したとされる。
しかし、ホワイトベース隊のスレッガー・ロウによる捨て身の近接攻撃を受けると、それに次いで懐に飛び込んだガンダムからも一撃を受け、ついにビグ・ザムは撃破された。
乗機が戦闘不能に追いやられてもなおドズルは銃を持ち出し、大破したビグ・ザムの機体から身を乗り出して「ジオンの栄光!この俺のプライド!やらせはせん!やらせはせん!やらせはせんぞ!」と叫びながらガンダムへ銃撃を加えたが、その際に彼の背後には悪鬼か亡霊かというような奇妙な幻影が広がり、ガンダムのパイロットであるアムロ・レイを驚愕させた(TV版「機動戦士ガンダム」では翼の生えた悪魔のような明確なビジュアルだったが、劇場版ではモヤのような幻影として描かれている)。だがその直後、彼はビグ・ザムの爆発に巻き込まれ、ついに戦場に斃れることとなった。
なお死の間際に現れたこの幻影については様々な諸説があるが、ドズルは妻や娘を愛し、部下を思いやれる人格者でありながらも、戦場に赴けばザビ家の軍人となって業に則り迷わず死を選ぶ、人間性をはく奪された存在となっていた。ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロ・レイは、このようなドズルという生身の敵の姿から「ジオンの栄光/戦争という大義に取りつかれ自己を失った者の妄執」を感じ取ってしまい、それを「人間を誤らせ死に引きずり込む悪魔」のように感じ、嫌悪感を催したとも言われる。
また後年富野由悠季によって随筆された小説「密会〜アムロとララァ」では、このシーンについて
アムロに、マシンガンを持った男の背後に、
宇宙の星々を隠すようにたちのぼる紫色の蜃気楼を見てしまった。
塊から筋となり、筋が角を生やして、両腕を左右に上げた悪霊に見えた。
アムロの心象風景が具現化したのかもしれない。
すくなくとも、ジオンの栄光を叫ぶ男のものではない。
そのような男がたちのぼらせるものは、もっと荒々しいものだろう。
という記述がある。
ビグ・ザムが撃破されたことによってソロモンは最終的に陥落したが、戦火の迫る中、ドズルは愛する妻子をキシリアの本拠、グラナダに向けて脱出させていた。ソロモンからの救援要請に対し、キシリアも腹心マ・クベ率いる大規模な救援軍を派遣していたが、結局この救援は間に合わず、脱出してきた小型艇などを救出するに止まった。
しかし妻子が無事に逃れたことにより、彼の影響力は娘ミネバ・ラオ・ザビへと引き継がれ、他の兄弟の中では唯一、その後長きに渡って第一次ネオ・ジオン抗争やラプラス戦争、ジオン共和国の自治権放棄の切っ掛けとされる事件などへと、間接的にではあるが影響を及ぼした。
またジオン公国の公王でもあるドズルの父デギンは、庶子とも言われるドズルに対し、それほど深い愛情を持たないものと一部では目されていた。しかし戦死の一報に際しては「ドズルにしてもっともな事であるよ」と言葉を漏らし、その自らを貫いた最後に報いるだけの心情があることを示した。
このデギンの反応に対して、どう受け取ったのか、兄であるギレンは憤慨したとされる。
掲示板
123 ななしのよっしん
2025/01/25(土) 08:37:18 ID: mNmy3D+sa1
パラレルでも成長したミネバを見ることはできないし、ガルマの子を抱くこともできないことが分かってしまった男。
124 ななしのよっしん
2025/02/09(日) 16:37:27 ID: EMKz6Rx3y1
ドズルパッパの部下達、どうなってるのかな…。
個人的にはマツナガさんはガルマ、ガトーはギレン、ランバ・ラルはキシリアって感じで分けられてそう。
125 ななしのよっしん
2025/02/28(金) 09:13:54 ID: 1DBY7qikJ2
>>124
ガトーはキシリア配下ってのもあり得そう
原作とは違って市民の安全を気遣いつつ自分は
死亡覚悟で前線に踏みとどまり勝利に貢献したとなれば
気概や立ち振る舞いに惚れこんでもおかしくはない
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最終更新:2025/03/22(土) 15:00
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