マクドナルド化とは (マクドナルドカとは) [単語記事]


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概要

ドナルド・マクドナルドに洗脳されること。
合理化を徹底していくことで起きる労働や経営組織のあり方。グローバリゼーションの一種。

アメリカの社会学者、ジョージ・リッツァが『マクドナルド化する世界』という著書で提唱した。マクドナルドという一企業の経営手法が世界中に広まったこと、というわけではなく、合理化の徹底によって生じる特性を典型的に備えていたグローバル企業がマクドナルドだったということが由来。日本企業で言えば、吉野家やTOYOTAなどが当てはまる。

マクドナルド化の原理は、㈠効率性、㈡計算可能性、㈢予測可能性、㈣正確な技術による制御、という4つの要素から成り立っている。すなわち、消費者にとって最も効率的な商品を、マニュアルによって効率化された労働と徹底的な機械化によって大量に生産するということである。そうした生産に従事する労働者はマニュアル通りに単純作業を繰り返していけばいいので、高い技能を必要としないそれゆえ非正規雇用労働者が中心の低賃金労働・不安定な職場となる。「マックジョブ」と呼ばれるこうした職場では、労働者のスキルも向上せず、キャリアアップも困難である。

マクドナルド化という組織原理は、ファストフード業界だけではなく幅広い産業に浸透している。マクドナルド化しているのは生産の現場だけではなく、教育（マークシート試験やマニュアル化された教材）、医療保健（病院経営の効率化と「マック医師」）、家庭生活（冷凍食品や出来あいの惣菜による食事＝中食、ショッピングセンター、コンビニ食）、娯楽（レンタルビデオ、パック旅行、ホテルチェーン）など、私達の生活領域や消費のあり方にマクドナルド化の原理が浸透している。そしてそれは、グローバリゼーションによって世界中に広まっている。