レンズ交換式カメラとは固定レンズを持たず、用途に応じてレンズを交換可能なカメラである。
カメラの小型化を進めていたライカはそれまでのフィルムより小さい35mmフィルムを採用したが、必要な画角だけ切り出すのに十分なサイズを持っていた従来の写真に対して不利となった。これに対処するため必要に応じてレンズを交換する用途を想定したカメラであるライカC型が1930年に発売された。カメラの歴史の始まりよりも100年程遅れての事で、35mm, 50mm, 90mm, 135mmというメジャーな焦点距離の刻みはこの時に生まれた物である。
レンズ交換式カメラは状況に柔軟に対応できるのが利点であるが、一眼レフ式ではレンズがミラーに干渉しない様フランジバック(レンズ装着面から撮像面までの距離)をある程度確保する必要がある。これはレンズの設計に制約を加える事となり、フィルム時代を含め高級コンパクトカメラはこの鬱憤を晴らすが如く高性能な専用設計レンズを搭載していたりする。この弱点は現代まで尾を引いているが、レンジファインダーやフランジバックの短いミラーレス専用マウントではこの限りではない。
ライカC型登場時点ではただレンズを交換可能としただけでフランジバックは規定されていなかったが後にこれも規定され、規格さえ合えば調整無しでレンズが使える「マウント」と呼べる物となった。
この時点でのマウントはスクリューマウントと呼ばれるただネジ溝が切ってあるだけの物で物凄い互換性を持っていた。特にM42マウントは日本製、欧州製、さらにはソ連製まで世界中で採用されている。しかしながらスクリューマウントではレンズをボディに対して意図した向きに正確に固定する事が困難であった。
一眼レフでは絞り操作によってファインダー像も暗くなってしまうが、この問題を回避する方法がレンズから絞り値を読み取って露出計の値を補正する方式(開放測光)である。先の問題点によりM42ではこうした伝達機構を組み込み難く、また実現してもシャッターのレスポンスが悪くなるなどの問題もあった。また独自拡張のためにM42の最大の利点である互換性は活かしにくくなり、次第に主流は現在のような正確にレンズを固定できるバヨネット式へと移っていった。
AEの時代からAFの時代になるとカメラとレンズ間の連動は電子的なインターフェースを通して行うようになった。この時の各社の方針は従来のマウントを拡張するかこの機に新開発のマウントに移行するかに分かれた。特にキヤノンは早々にすべての制御を電子化し、レンズ側へのモーター内蔵前提の大口径マウントを投入したがこれが当たりに当たる事となった。互換性を重視する方針だったニコンやペンタックスも要求される機能の高度化につれて結局レンズ側へのモーター内蔵や電磁絞りに対応している。
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最終更新:2025/01/14(火) 09:00
最終更新:2025/01/14(火) 08:00
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