伊賀の方とは (イガノカタとは) [単語記事]

伊賀の方（？～？）とは、鎌倉時代の女性である。

概要

伊賀朝光と二階堂行政の娘の間の子で、北条義時の妻、北条政村・北条実泰の母。北条義時の死後に伊賀氏の変を起こしたとされる女性。

『吾妻鏡』の元久2年（1205年）6月22日条に、北条義時との間に息子（北条政村）を設けたのが、彼女の初見である。なお、この頃父はまだ伊賀守ではないため、官途にちなんだ名字を名乗った後の伊賀朝光の娘とされているのはおかしいのだが、『吾妻鏡』が後世の編纂物である、ということで許容されている。

なお、この日は畠山重忠が討伐された日であり、この夫婦は比企能員の乱からすぐに結婚し、すぐに子供を作っていた、ということである。

ただし、以後彼女の姿はよくわからなくなり、儀礼や北条実泰出産くらいでしか出てこない。のだが、貞応3年（1224年）6月に北条義時が死ぬと、唐突に彼女と兄の伊賀光宗が、北条政村を後継者にし、一条実雅を将軍にしようとした伊賀氏の変が勃発する。この事態に北条政子は三浦義村を味方につけ、北条泰時を執権にし、伊賀の方と伊賀光宗、一条実雅を配流していった。

ただし、このような陰謀があったかなかったかは、割と定説を見ない。そもそも北条政村の上には北条朝時という別の後継者候補もおり、北条泰時を執権にしたのは北条政子のごり押しとの声もある。結局伊賀の方は配流先で病死したらしいのだが、伊賀光宗、北条政村は翌年の北条政子の死後あっけなく復権し、鎌倉に戻ってくるので、実際問題そこまで重く見られてはいなかったのだろう。