喘鳴症とは、馬の咽頭で発生する病気である。一般的に俗称の喉鳴りと呼ばれることが多い。
喘鳴症にはその症状によっていくつかに分類される。
軌道の入り口には披裂軟骨の小角突起があり、背側臨場披裂筋が収縮することによって左右の小角突起が引っ張られ、声門裂が大きく開き空気を器官内に取り込みやすくしている。
しかし、背側輪状披裂筋が麻痺すると開かなくなった小角突起が垂れ下がって気道が挟まり、運動の負荷が一定を超えると排気量が十部に確保できなくなる。これにより競走馬が全力で走ることは不可能となる。
咽頭片麻痺の原因は定かではないが、殆どが脳から出た迷走神経が胸腔内で分枝し、再び咽頭まで戻る反回咽頭神経の麻痺によって発症する。理由は不明であるが麻痺は左側の神経に起こることが殆どで、右側で起こることは極めて稀である。一説によると反回咽頭神経は馬の中でも長い部類であり、左側の神経は右側の神経よりも長いことから、神経の軸策輸送に障害が起こりやすいという説がある。
この他の発症原因として遺伝子疾患説や呼吸器感染起因説がある。JRA競走馬総研の研究によると遺伝による発症率は23%とされ、500kgを超える大型の牡馬に発症しやすいとの報告もある。
喘鳴症の中でも最悪の部類であり、治療を行っても予後は良くない場合が多く、これによって引退を余儀なくされる競走馬は少なくない。
診断は内視鏡検査で行われるが、症状が軽度の場合はトレッドミルを使用して高速走行状態で行う場合もある。
最も効果が期待できる治療法として、開かなくなった小角突起を糸で引っ張り上げて喉頭の入り口を拡げる喉頭形成術があるが、費用に見合った成果を出していない。また、術後に様々な合併症が報告されている。一方で成果が見られた競走馬もおり、特にダイワメジャーは術後に8億円を超える賞金を稼いだ。
オーストラリアでは発症率が高く、去勢によって発症を予防することも行われている。
馬が食物を摂取する際に気道を塞ぐ役割をする喉頭蓋がある。通常なら喉頭蓋の下にある軟口蓋に潜り込んでしまい、息を吐くときに閉塞疾患を引き起こす。内視鏡検査の普及によって認知されてきた症状で、育成期の1・2歳馬のよく見受けられる。
喉頭蓋の根元にある襞が持ち上がってしまい、喉頭蓋を覆ってしまう症状である。持ち上がってしまった部位を切開することで治療される。発症例は少なく、術後の経過は良好である。
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最終更新:2024/11/26(火) 16:00
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