駄々をこねる
ふいに咳き込む
みんなを振り回し
気遣いを強いるだがこの御曹司は
暗愚ではなかった難局を乗り越え
実績を作り
時代を率いることで
周囲を黙らせていく
ダイワメジャーとは、2001年産の日本の競走馬(美浦・上原博之厩舎)・種牡馬である。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2004年:皐月賞(GI)
2005年:ダービー卿チャレンジトロフィー(GIII)
2006年:天皇賞(秋)(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)、マイラーズカップ(GII)、毎日王冠(GII)
2007年:安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)
通算28戦9勝[9-4-5-10]
父サンデーサイレンス、母スカーレットブーケ、母父ノーザンテーストという血統。
父は泣く子も黙る、言わずと知れた大種牡馬。母は91年の牝馬クラシック戦線を沸かせ、2歳から4歳に掛けて重賞を4勝した。母父もまた大種牡馬であり、文句なしの良血である。
全兄にスリリングサンデー、全姉にダイワルージュ、半妹にダイワスカーレットがいる(後述の「主な兄弟馬」を参照)。
マイル~中距離路線で長く活躍した馬であり、先行して早め先頭からの粘りこみを図る戦法を得意としていた。
デビュー前から500kgを超える大柄で力強い馬体を持ち「怪獣」と呼ばれるほど評価が高かったが、一方で父母ともに持ち合わせていた気性の荒さを受け継ぎ、自分が納得しないことは断固拒否する、騎乗した人間を睨みつけるなど関係者を苦労させたエピソードが残っている。2003年有馬記念の日の中山4R新馬戦で菊沢隆徳を鞍上にデビュー。この時、パドックで寝転がる[1]出来事を起こしてしまった。なんでも緊張からか疝痛を起こしていたらしく、装鞍所では何度も立ち上がって大暴れし、出走取消を打診されるほどの状態であったという。レースではなかなか行きたがらず後方2番手からとなったが、向こう正面で手前を替えてようやく進出し競り合ったモンスターロードのクビ差2着。菊沢曰く手前を替えたときにデカいオナラをぶっこき、その弾みでハミを取って猛進し始めたとのこと。年を明けてのダート未勝利戦は後の必勝パターンとなる2番手追走から3コーナーで早め先頭に立つとそのまま直線で後続をぶっちぎり、9馬身差の圧勝。続く500万下条件戦では単勝1.4倍の1番人気を裏切る4着に敗戦してしまうが、重賞初挑戦となったスプリングステークスでは当時クラシックを有力視されていたブラックタイドの3着に食い込み、本番の出走権利を得る。
そして一冠目の皐月賞。生涯成績から見ると意外だがこのときメジャーは10番人気の伏兵扱い。ここまで1勝の馬が皐月賞を制したのは54年前、1950年の二冠馬クモノハナが最後であり、ましてやその1勝がダートとなると過去に前例がなかったのが原因だろうか。発馬後、戦前に逃げると想定されていたマイネルマクロスが後手を踏み後方になり、メイショウボーラーが逃げる展開。メジャーは2番手で追走する形を取り、最後の直線で坂も関係なく伸び、猛追してきたコスモバルクを1馬身1/4抑えて初GI制覇を飾った。この時の鞍上は当時短期免許で来日し、前年も二冠馬ネオユニヴァースで皐月賞を勝ったミルコ・デムーロ。今回は馬体を競らずに勝ったので隣に並んだ馬の鞍上の頭をポカリと叩くことはなかった。
この勝利が「父サンデーサイレンス×母父ノーザンテースト」という、いわゆる『社台ブランド血統』の初クラシック制覇となった(GI勝利はスプリンターズステークスのデュランダルが最初)。サンデーサイレンスは2002年に死亡しており、メジャー以外のこの血統構成馬でクラシック競走を勝つ馬は他に現れなかった(GIではアドマイヤマックス・エアメサイア等)。
次走は二冠目を懸けた東京優駿。ここまで中山のみで走ってきたため、府中にスクーリング(下見)をして万全の体制で臨んだ大一番では前走がフロック視されていた影響か4番人気に支持される。後に「死のダービー」と呼ばれるこの時のレースは前走逃げられなかったマイネルマクロスがこれでもかと逃げまくり、1000m通過は57秒6。抑えるのを半ば諦めたコスモバルクが3角で先頭、それを4角で仕掛けたキングカメハメハが押し切る形となり、勝ち時計は2分23秒3のレースレコード(当時)。最強の大王が降臨したとてつもないハイペース決着の中、メジャーは5番手で進んだが最後の直線は伸びずに6着。ちなみにこの時のキングカメハメハの鞍上は、後にメジャーの手綱を取る安藤勝己である。
夏休みを挟み、秋シーズンは距離適性を勘案してクラシック路線の菊花賞ではなく古馬混合中距離の天皇賞(秋)を最大目標とする。鞍上はミルコ・デムーロが帰国したため柴田善臣にスイッチ。しかしこの時、メジャーの身体をある病が蝕んでいた。皐月賞から兆しがあった「喘鳴症(ぜんめいしょう/別名:ノド鳴り)」である。過去幾多の名馬が苦しめられ現役を退く事も多かったこの病、メジャーも例に漏れることはなかった。夏を越してノド鳴りの症状は一層悪くなっており、前哨戦のオールカマー、本番の天皇賞(秋)と2戦連続で殿負け。ネタ馬スレ全盛期にあった2ch競馬板では春のクラシック馬と思えないその不甲斐ない成績から「ダメジャー」とあだ名されウインガー、シンチャンと共にヘタレGI馬御三家という不名誉極まる扱いを受けた。
ノド鳴りは治療後に競争能力を喪失することも多いため陣営は引退も視野に入れたそうだが、最終的には競争生活を続行するため手術を決断。治療は成功し、長期休養に入る。
復帰戦のヨシトミダービー(Y・GI)ダービー卿チャレンジトロフィーは手術からの休養空けかつ一応GI馬なのでトップハンデの57.5kgを背負わされたことが不安視されたか、重賞未勝利馬にすら劣る3番人気となる。しかしレースでは2番手追走から抜け出し、2着に2馬身差を付けて当時のレコードタイム1分32秒3を記録する強い競馬で堂々と復活。続く安田記念ではデビュー17連勝した最強スプリンターサイレントウィットネス、その連勝を前走チャンピオンズマイルで止めた晩成マイラーブリッシュラックなど3頭が香港から来日。メジャーは彼らを押しのけテレグノシスに次ぐ2番人気に支持されるが、レースでは5番手追走から直線で伸びを欠き8着。まだ少し手術後の影響があったのだろうか。
このあと横山典弘に乗り替わり、関屋記念では重賞で初めての1番人気を背負うが古豪サイドワインダーの2着。続く毎日王冠でもサンライズペガサスらに敗れ5着。天皇賞(秋)はGI馬なのに賞金不足で出られなかっため、代わりに向かったマイルチャンピオンシップでは短期来日したクリストフ・ルメールに手替わりして、もう少しで勝ちというところを大外からハットトリックの強襲に遭い2着。ここで勝って、翌年・翌々年も勝っていれば三連覇、まさにハットトリックだったのに、その勝ちを奪われた相手がハットトリックだったのはなんというアヤか。
年が明けて5歳春、初戦は中山記念を選択。ダービー以来のミルコ・デムーロを鞍上に迎えて挑むが、ここはG2の鬼・バランスオブゲームの2着に終わる。次走マイラーズカップでは以降の主戦となる安藤勝己を迎えて1年ぶりの勝利(2着ダンスインザムード)。GIシーズンに入り、迎えた安田記念では高松宮記念、京王杯スプリングCを連勝したオレハマッテルゼに次ぐ2番人気。しかしこのレースは前年に続き来日したブリッシュラックがアサクサデンエンに雪辱を果たす後ろで4着。続く宝塚記念はディープインパクトのロンシャン行き壮行会と化す中で「第4回京都競馬の開催4日目、四位洋文が代打騎乗、4枠4番で出走、4番人気で結果4着」と4づくしの珍記録を達成。さすがにここは相手が悪かったがメジャーの体質は改善しつつあり、秋になって彼は遂に覚醒の時を迎える。
5歳秋初戦の毎日王冠は出走16頭全馬が重賞ウィナー、うち6頭がGI馬という正にスーパーGIIの様相。ダイワメジャーは当時、実績のない左回りの東京競馬場が苦手なのでは?と言われており、その影響か3番人気に支持される。レースでは2番手を追走する得意の競馬を展開し、直線で競りかけてきたダンスインザムードに一時はハナを取られるも残り100mで更にスパートをかけ根性で差し返し、最後はクビ差振り切って1着入線。勢いそのまま天皇賞(秋)にコマを進める。前走が僅差の勝利であったこと、長らく2000mの実績がないこと、未だ府中苦手説が囁かれていたことからここではダイワメジャーは4番人気。レースは7枠14番で発走し道中をいつもの2番手追走、直線残り400mでスパートを開始すると坂を登って一気に先頭に立ち、あとはそのまま押し切ってゴール。2年半ぶりのGI2勝目は歴代3番目の間隔。凱旋門賞遠征の影響でディープインパクトが出なかったから勝てたとか言うんじゃないそこ。このあと中2週で挑んだマイルチャンピオンシップではサセックスステークスを制した英Court Masterpieceが来日参戦。メジャーは遂にGIで1番人気を背負うとレースでは定位置の2番手追走、直線残り300mで早めに先頭に立つとそのまま粘り切ってGI連勝を果たす(2着ダンスインザムード)。有馬記念では前年のリベンジに燃えるディープインパクト引退戦の中、距離不安があったものの3着に粘り天皇賞馬の意地を示した。
この年間通しての成績が評価され、2006年JRA賞最優秀短距離馬に選出される。同年の年度代表馬・最優秀4歳以上牡馬にディープインパクトがいたので仕方ないのだが、天皇賞馬が最優秀短距離馬に選ばれるのは稀であった(ヤマニンゼファー以来の13年ぶり)。
JRA賞受賞の勢いあってか、陣営は翌年初戦をドバイ遠征にする。迎えたドバイデューティーフリー。いつもと同様前々での競馬をして多少外を回されたものの直線抜けると思いきや、同じレースに出走していたアドマイヤムーンの豪脚にあっという間に置いていかれ、1・2着馬から離れた3着。しかし大健闘である。
帰国後は休養を挟み、安田記念に出走。ゴール手前で逃げ粘るコンゴウリキシオーを捉え、三度目の正直で勝利、GI4勝目。宝塚記念は神経質な性格が災いしたか大幅な体重減で12着に大敗。
秋始動戦の毎日王冠では斤量とハイペースに泣き3着。連覇を目指した天皇賞(秋)では、去年と同じ7枠14番となったが、他馬からの進路妨害を受け9着。
ここで悪い流れに飲み込まれるかと思ったが、得意距離の1600mでは負けは許されない。マイルチャンピオンシップでは先行策で直線抜け出すいつもの戦法。そこにマイル界にも世代交代を!とスーパーホーネットの鬼脚。しかし、王座は譲らないと言わんばかりにメジャーはクビ差に抑えて連覇達成。藤岡佑介の受難はここから始まったのだろうか。
オーナーから年内で引退との発表があり、ラストランは有馬記念。有馬記念の日に散々やらかしまくってデビューした若駒は4年の時を経てGI5勝の優駿となり、有馬記念でターフを去ることになった。そしてレースでは妹・ダイワスカーレットとの生涯一度の兄妹対決が実現、話題を集めた。安藤勝己がダイワスカーレットに騎乗することとなったため、メジャーにはミルコ・デムーロが三度目の騎乗となった。牝馬のダービー馬ウオッカもいる。この年の天皇賞春秋を連覇したメイショウサムソンもいる。かつてクラシックを争ったコスモバルクもいる。有終の美を飾るにはこれ以上ない舞台であった。
レースは妹が先頭チョウサンに並ぶような逃げを見せ道中は2番手、兄は離れた好位グループを進む。4角で兄妹共に仕掛けるも、スカーレットが外に出した隙に空いた内を「スッ」をあっという間に抜いていったのは9番人気の伏兵マツリダゴッホ。この『中山のラスボス』がそのまま1ミリも空気を読まず2着ダイワスカーレットに1馬身1/4差付けてゴール。兄メジャーはポップロックの急追を何とか凌ぎ切り3着に粘った。レース後すぐに引退式を行い、後日、2007年JRA賞最優秀短距離馬を2年連続で受賞。この手土産を持って生まれ故郷の北海道に戻り、メジャーは引退・種牡馬入りとなった。
社台スタリオンステーションで種牡馬入りし、2011年に初年度産駒がデビュー。同時に種牡馬入りしたアドマイヤムーンとの種牡馬争いもあったが、ダイワメジャー産駒は重賞馬を複数輩出し、2011年度ファーストシーズンリーディングサイヤーとなった。
2012年には初年度産駒のカレンブラックヒルが無敗でNHKマイルカップを制覇し、ダイワメジャー産駒の初GI制覇となった。 サイヤーランキングでは例年4位前後を維持しているが、特に2歳戦では抜群の強さを誇り2015年にはそれまでディープインパクトが5年連続で維持していた地位を奪って2歳リーディングサイヤーとなった。
自身と同様先行して粘りこみを図るタイプの馬が多いが、自身以上に短距離向きになっておりJRAでは産駒の重賞勝利はほぼ全て1800m以下、GI勝利は海外の1頭を除き全て1600m以下の距離のレースでのものである。例外はノーヴァレンダ(ダイオライト記念(ダート2400m))とホッコーメヴィウス(障害重賞3勝。当然だがいずれも3000m超である)、パリロンシャンの芝3100mのG1ロワイヤルオーク賞などを勝ったフランス調教馬Double Major。産駒は総じて早熟で2歳戦ではかなりの好成績を残しているが、古馬になるとやや成績を落とす傾向にある。父と同様にパワー型の産駒が多く、雨馬場では入着率・回収率ともに向上する。ダートでも活躍馬を輩出している。
2020年以降は母の父としても躍進。2022年にはショウナンナデシコがかしわ記念を、2023年にはナミュールがマイルチャンピオンシップを制するなど特に牝馬の活躍が顕著。2023年シーズンではBMSリーディング6位に浮上した。
2023年の12頭への種付けを最後に、高齢ということもあり2024年の種付けは見送りとのことで、事実上種牡馬引退となる。今後は引き続き、繋養先の社台スタリオンステーションで余生を過ごすことになる予定。
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
スカーレットブーケ 1988 栗毛 FNo.4-d |
*ノーザンテースト 1971 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
*スカーレットインク 1971 栗毛 |
Crimson Satan | Spy Song | |
Papila | |||
Consentida | Beau Max | ||
La Menina | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Almahmoud 4×5(9.38%)、Lady Angela 4×5(9.38%)、Royal Chager 5×5(6.25%)
掲示板
135 ななしのよっしん
2024/10/13(日) 17:15:23 ID: 7rX1wPVFqH
淀の武豊は界王拳三倍くらいバフがかかる事もあるとはいえ
ダメジャー産駒でも気が強すぎるタイプに入るボンドガールをよく2000持たせたわ
勝ち馬とは適性の時点で不利なのに
136 ななしのよっしん
2024/10/16(水) 10:22:56 ID: BNyjTqr82h
ボンドガールはこのまま「最強の1勝馬」への道を突き進むのだろうか?
137 ななしのよっしん
2024/11/04(月) 22:56:00 ID: BNyjTqr82h
JpnⅡ女番っぽい(GⅠ級だとシルコレになる)戦績だが、グランブリッジも「母の父としての主な産駒」に入れていいんじゃないかな。
急上昇ワード改
最終更新:2024/11/23(土) 00:00
最終更新:2024/11/23(土) 00:00
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