対馬の地形は標高200~300mの山地が9割近くもあり、傾斜地も多いことから耕地が非常に少なかった。そのため男性は漁猟で海に出て行くことが多く、馬の飼育と運搬は女性の仕事となった。狭い急斜面の悪路であっても運搬を苦とせず、体格が小さく女性であっても容易に扱える対州馬は人々の生活によく馴染んでいた。
明治時代に入ると国策として西洋種による在来馬の改良が推進されるようになったが、現地ではこれに積極的に従わなかった。1931年(昭和6年)にアングロアラブとの雑種の第一明日、1935年(昭和10年)にアングロノルマンとの雑種の若錦が導入されたことによって雑種化が進んだが、大きな影響は残らなかった。
1975年(昭和50年)頃までは大抵の家では牝馬を2頭ずつ飼育して、1頭が妊娠している時はもう1頭を使役していた。仔馬が生れると明け2歳か3歳に市場に出されていた。代替わりの時は売らずに手元に残していた。
1952年(昭和27年)には2408頭が確認されていたが、農業従事者の減少や交通手段の整備や機械化に伴って数を減らしていき2005年(平成17年)は僅か25頭までになってしまった。更に飼育舎の高齢化が著しく他の日本在来馬のように天然記念物に指定されていないため絶滅が危惧されている。
日本在来馬は大きさで分けると中型と小型に分類されるが、対州馬はその中間に位置する。体高は107~136㎝とバラつきが大きい。
毛色はかつては青毛が多かった。現在では鹿毛が最も多く、青毛と栗毛がこれに続く形となる。
頭は大きく、目は大きくて丸い。山道での使役に適応したためか胸幅が狭くて抱きが細く、子供や小柄な人でも乗りやすい。
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最終更新:2025/12/06(土) 05:00
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