脂肪酸

脂肪酸（しぼうさん）とは、1価のカルボン酸であり、脂質の主な構成成分である。

概要

脂肪酸は脂肪の加水分解によってグリセリンと共に得られ、多くは炭素数が偶数である。ほとんどがカルボキシ基を先端とした直鎖状で、分岐のあるものはほとんど無い。

体内では脂質になり貯蓄されたり、β酸化という反応でエネルギー源になる。細胞膜の主成分であるリン脂質を構成し、プロスタグランジン類やロイコトリエン類などの生理活性物質の原料となる。

分類

• 飽和脂肪酸（炭素の二重結合を含まない、体内で合成される） - 肉や乳製品に多く含まれている。
• 不飽和脂肪酸（炭素の二重結合を含む）
  • 一価不飽和脂肪酸（n-9系列、体内で合成される）
    • オレイン酸 - オリーブオイルに多く含まれる。
  • 多価不飽和脂肪酸 - 一部は体内で合成されない必須脂肪酸である。
    • n-6系列
      • リノール酸 - サフラワー油、大豆油、コーン油などに含まれる。
      • γ-リノレン酸 - 不足している人には、生活習慣病やアレルギーが多い。
      • アラキドン酸 - プロスタグランジンE₂などの生理活性物質の材料となる。
    • n-3系列
      • α-リノレン酸 - しそ油、えごま油などに多く含まれる。体内でEPAやDHAに変わる。
      • EPA（エイコサペンタエン酸） - 青魚に多く含まれる。IPA（イコサペンタエン酸）とも。
      • DHA（ドコサヘキサエン酸） - 脳や神経組織の機能を高める。

α-リノレン酸

EPA

DHA

関連項目

• 生化学
• ダイエット
• 化合物の一覧