自粛(じしゅく)とは、自ら進んで行動、態度を慎むことである。自戒、自重、自主規制などの類義語がある。
自粛という言葉が一般的になったのは昭和前期頃からで、太平洋戦争開戦後に当時の政府から勧告を受け、落語家が時節柄似合わない噺を封印したことや、戦後にGHQの検閲対象として選ばれた噺を封印したことが残されている。
また、1980年代から、自動車用スパイクタイヤによる粉じん被害が社会問題になったことに対し、禁止法が制定されるまでの間、スパイクタイヤをなるべく使わないよう呼びかける指導の中でも「自粛」という言葉が使われた。
全国的に「自粛」という言葉が多く使われたのは、1988年に昭和天皇が喀血、その後の闘病を始めてからである。この期間中、テレビCMや番組などでは、特に政府からの規制がないまま、健常者に対しての表現(元気など)、言葉、さらには祝賀やハレの活動などを制限するようになり、それを「自粛」とした。
また、昭和天皇の崩御(1989年1月7日)後、同年9月末まで自粛は続けられた。
詳細については、ウィキペディアの「昭和天皇」 の項目が詳しい。
基本的に、諸外国では自粛という概念を持つ国は少数である。特に先進国では、上記の昭和天皇の闘病時の自粛活動に違和感を持つ報道が目立った。また、自粛に合致する単語も存在しない。
海外では個人の活動、行動は個人が考え、管理する問題であり、日本のようにみんなで行動を制限することは、ほとんど例がない。
冒頭に書くとおり、「自粛」とは自分から進んで行動を慎むことであり、他人から行動を慎むよう指図することは「制限」というのが正しく、それを法令や規則で行うことは「規制」という。
そのため、「自粛しろ」という言い方は正しくない。特に大きな不幸、不祥事が起こった際に、相手に対して制限する際に誤用されることが多い。
また、自粛はあくまでも自己の努力目標でしかなく、他人が強制、強要するものではない。いたずらに「自粛しろ」と制限を行うことは強要罪に当たる恐れもあるので、このような行動は「自重」することが望ましい。
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最終更新:2025/01/08(水) 11:00
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