顕在記憶(explicit memory)とは、脳がもつ記憶メカニズムの一種である。陳述記憶とも
意識的に思い起こして語ることができる記憶をいい、イメージや言語として意識上に内容を想起し、その内容を陳述する事が可能である。
顕在記憶には意味記憶(semantic memory)とエピソード記憶(episodic memory)があり、意味記憶は時間や場所の認識・計算・言語などを指し、エピソード記憶は生活上の出来事やその時の状況・経緯などの情報を保持する長期的記憶である。
顕在記憶は意味記憶とエピソード記憶の2つに分類されるが、これらに加えて自叙記憶(autobiographical memory)や空間記憶(spatial memory)といった記憶分類も導入されている。
意味記憶はフランスの心理学者エンデル・タルヴィングによって導入された概念で、これはある物事について、それに纏わる過去の出来事などと切り離して得られる知識をいう。ボールは丸いといった単なる事実や、バスの発車時刻などの情報が意味記憶にあたる。
また計算も意味記憶の一種である。
エピソード記憶は意味記憶とは反対に記憶者のある人生の特定地点および時点での出来事を保持するもので、具体的には旅行に行った時どのようなものを見て何を思ったか、どんな場所に行ってその時どういう環境だったか、といったものである。
自叙記憶は意味記憶とエピソード記憶の組み合わせで構成されており、記憶内容に応じて次の三つに区分されている。
生涯(Lifetime Periods)
一般事勢(General Events)
事勢特異的知識(Event-specific Knowledge; ESK)
空間記憶は人の環境と空間方位の収憶に関わる記憶システムである。
空間記憶には短期空間記憶(short-term spatial memory)と長期空間記憶(long-term spatial memory)が存在する。
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最終更新:2024/04/26(金) 06:00
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