OD(センター試験) 単語

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ルートジュウノツギ

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ODとは、2013年センター試験数学①(数学Ⅰ・数学A)第3問で出てきた線分のことである。

概要

センター試験数学①第3問では毎年、三角面図形の融合問題が出題されている。
「最初にABCの辺や度をめる問題を解き、途中から内接円や外接円、線分が追加されていきそれらに関する問題を解く」
というのがテンプレであり、過去センター試験予備校の模試ではこのようなテンプレ問題ばかりだった。
2013年テンプレ通りであるともが思っていたであろう。
しかし、出題された内容はテンプレABCではなく、2つの円という今までにない内容であった。
それでも最初の問題くらいはどうにかなるだろう、と思いたくなるがそう甘くはなかったのが2013年センター試験
なんと、2問であるODめる問題を解けずに終わってしまった受験生が続出したのだ。
ODは多くの受験生トラウマを残す存在だったのである。

問題の内容と解説

点Oを中心とする半径3の円Oと、点Oを通り、点Pを中心とする半径1の円Pを考える。
円Pの点Oにおける接線と円Oとの交点をA、Bとする。
また、円Oの周上に、点Bと異なる点Cを、弦ACが円Pに接するようにとる。
ACと円Pの接点をDとする。

このとき、

AP=[アイ] OD= [][エオ]
[]

である。


図を描くとこのような感じになる。

APの求め方

ABは点Oを通る円Pの接線、点Oは円Pの接点なので、∠AOP=90°、OP=1、AO=3
三平方の定理より、AP2=OP2+AO2 AP2=1+9 AP2=10 AP10
AP>0なので、AP=10 ([アイ]=[10])

ODの求め方

ACは点Dを通る円Pの接線、点Dは円Pの接点なので、DP=1 、∠ADP=90°
三平方の定理より、AD=3
AOPとADPは対応する3辺の長さがすべて等しいので、AOPADP
ここで、APODとの交点をQとする。
AOPADPなので、2OQ=OD、∠OQP=90°
APO=∠OPQ、∠AOP=∠OQPだから、AOP∽AQO

AP:OP=10:1なので、AO:OQ=10:1 OQ=3× 1 = 310
10 10
よって、OD=2OQ=2× 310 = 310  ( [][エオ] = [3][10] )
10 5 [] [5]

別解その1(面積)

別解その2(倍角の公式:IAの範囲を逸脱)

OAD=2*∠PODを出すところまでは最初と同様に相似を用いて示す。

ここで、x=PODとして公式を用いる:

cos(2x)=cos(x+x)=2cos2(x)-1.

OADPODに対して第2余弦定理を用いる。

OD2=OA2+AD2-2*OA*AD*cos(2x)

PD2=OP2+OD2-2*OP*OD*cos(x)

cos(x)とODについての連立方程式として解けば、当然ながらODは正の値なのでODは一意に定まる。

※倍公式数学IAでは出てこない。

別解その3(トレミーの定理(プトレマイオスの定理):エレガント過ぎる)

形AOPDは、対の和が180度なので、この四形はある円に内接する。
(更にいうと、その「ある円」の直径の一つは他ならぬAPであるが、ここでの計算では関係ない)

トレミー定理

円に内接する四形について、
「(2本の対線の長さの積)=(向かい合う辺同士の積の和)」
が成り立つ

これを四形AOPDに適用すると

AP*OD=AD*OP+AO*PD

OD以外の値は全て今までの計算でまっているのでODはすぐまる。

トレミー定理高校生が必ずしも覚える必要のある定理ではないが、今回に限らず解きに役立つ場面も多い有用な定理である。

別解その4(三平方の定理を2つ使う)

APODが交わる点をD'とする。AOPについて考える。PD'=xとすると、D'A=10-xである。また、DD'をhとする

AOPについて、D'はDから引いた垂線であるから、ADD'とPDD'はどちらも直三角形である。それぞれに三平方の定理を使うと、

32=h2+(10-x)2
12=h2+x2

が成り立つ。これを連立して解くと、

x=1/10
h=310/10

められる。

よって、OD=2DD'=2hであるから、

OD=2*310/10
   =310/5

ある三角形に対して垂線をひき、三平方の定理を2つ使いその長さをめる方法である。もちろん数学ⅠAの範囲である。
強引な解き方だが、どんな三角形に対しても導出することができる万である。難しい数学的なテクニックなどは要らないものの、ほかの解法にべて計算量が膨大であるので限られた時間でミスなく導く正確さがめられる。

別解その5(三角形の各辺と垂線の関係式を使う)

上の関係式を使うと、

OD = 2*OA*OP = 2*3*1 = 6 = 310
AP 10 10 5

なお、この関係式は三角形の相似によって導くことができる。

AA

┌──┐ │   解     答     欄
│ 3.  │ ├────────────────
└──┘ │- 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 a
  ┌──┼─────────────────
  │ ア│ Θ◎ ● ②③④⑤⑥⑦⑧⑨
  │ イ│ Θ①②③⑤⑥⑦⑧⑨
  │ ウ│ Θ①②③⑤⑥⑦⑧⑨
  │ エ│ Θ①②③⑤⑥⑦⑧⑨
  │ オ│ Θ①②③⑤⑥⑦⑧⑨
  ├────────────────────
  │ カ│ Θ①②③⑤⑥⑦⑧⑨


                       ┼ ヽ  -|r‐、.   レ |
                        d⌒) ./| _ノ  __ノ

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  • 225 ななしのよっしん

    2021/01/18(月) 02:33:33 ID: XGzAkOr9I8

    解法1のODめ方の
    AOPADPなので、2OQ=OD、∠OQP=90°」
    だけどさ
    これだと説明が飛びすぎていると思うから

    AOPADPなので、∠OAP=∠DAP
    よって、APは∠Aの二等分線となる。
    また、AODはAO=ADの二等辺三角形であり、
    二等辺三角形の頂からの二等分線は底辺を直に二等分するため、
    2OQ=OD、∠OQP=90°」
    みたいに二等辺三角形の性質を絡めて説明したほうがいいと思うんだけどどうかな

    流石にくどすぎる?

  • 👍
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    👎
    0
  • 226 ななしのよっしん

    2024/01/12(金) 19:05:09 ID: hrQ1OF0WLH

    十年以上前の問題で解法がいくつも載っている記事に来て
    「すぐ解ける」「解けないやつの気がしれない」と宣言する虚しさよ

  • 👍
    6
    👎
    0
  • 227 ななしのよっしん

    2024/01/12(金) 19:26:51 ID: 0zP3EP/vkS

    見下してるんじゃなく個人的な感想なのでは?ボブ
    それも4年前のレスにする側が多分虚しいの当てはまりそうなんですけどそれは大丈夫なんですかね

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