しらねとは、海上自衛隊の護衛艦である。ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)の「しらね型護衛艦」一番艦で艦番号はDDH-143。
はるな型護衛艦の後継艦として計画され昭和50年度(1975年)予算により1977年から建造を開始し、1978年に進水、1980年に就役、その翌年に横須賀の第1護衛隊群に編入され現在の所属は舞鶴の第3護衛隊群第3護衛隊。
哨戒用ヘリコプター3機を搭載する格納庫と離着艦用甲板が船体後半部分を大きく占めているため、それ以外の艦上構造物が船体前部寄りの特徴的なシルエットとなっており、固定兵装も船体前方の艦橋前部に集中配置されている。また、同じくヘリコプター搭載護衛艦である「はるな型護衛艦」の拡大改良型でもあるため、全体的な構造を踏襲しつつも離着艦用甲板が若干拡張され、指揮管制能力向上を図り艦橋構造物が1層追加されて大型化している。
2007年に艦内のCIC(戦闘指揮所)内に無許可で持ち込まれた私物の中国製冷温庫が原因による火災で艦橋構造物を損傷し、特にCICに至っては機器全損という事態に陥る。修理費用が高額で期間も2年を要するとの見積りから除籍処分も検討されたが2009年に退役予定であった護衛艦はるなのCICを移植することで除籍は免れ修理完了後に現役復帰を果たした。当時は退役間近のはるな、はるなの後継艦なのに使用不能のしらね、就役どころか進水したばかりのひゅうがということでDDHをどうするのかとまったくもって困った状況であった。
ヘリコプター搭載護衛艦としては、全通甲板と搭載・整備・運用能力を大幅に強化し指揮能力を加えたひゅうが型護衛艦が後継艦となっている。護衛艦ひゅうがが就役した同日に護衛艦はるなが退役し、同時に第1護衛隊群旗艦であった護衛艦しらねも護衛艦ひゅうがと交代し第3護衛隊群に転属となった。
現在の海上自衛隊ではひゅうが型護衛艦のDDHを中心としたグループとイージス艦のDDGを中心としたグループとして運用する等の護衛艦隊の体制変更や新DDHに順次代替する予定であることから、今後の機動艦艇はひゅうが型同様の全通甲板型のヘリコプター搭載護衛艦、汎用護衛艦、イージスシステム搭載ミサイル護衛艦を主とした運用と新造へと移行し、しらね型のような旧来のヘリコプター搭載護衛艦はその役目を終えていくことになる。
ネット上の掲示板などでは「護衛艦しらね」に関する話題で艦名を質問された際に「しらね」(知らね)と返すのが一種のお約束になっている様子が見られる。
| 艦名 | 艦番号 | 所属 | 進水 | 建造 | 艦名の由来 | |
| 就役 | ||||||
| 退役 | ||||||
| 1番艦 | しらね | DDH-143 | 第3護衛隊群 第3護衛隊 |
1978年9月18日 | 石川島播磨重工(現IHI) 東京第一工場 |
護衛艦の艦名命名基準のうち山岳の名前より山梨県の白根三山に由来。旧海軍の艦艇に「白根」は存在しない。 |
| 1980年3月17日 | ||||||
| ― | ||||||
| 2番艦 | くらま | DDH-144 | 第2護衛隊群 第2護衛隊 |
1979年9月20日 | 石川島播磨重工(現IHI) 東京第一工場 |
護衛艦の艦名命名基準のうち山岳の名前より京都府の鞍馬山に由来。先代は旧海軍の蔵馬型装甲巡洋艦(巡洋戦艦)一番艦。 |
| 1981年3月27日 | ||||||
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最終更新:2025/12/13(土) 06:00
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