9.25けもフレ事件とは、2017年9月25日の夜からインターネット上でアニメ版『けものフレンズ』監督の降板を巡る一連の騒動である。pixiv上では「たつきショック」と呼ばれる。
事件は、2017年9月25日午後8時ごろ、アニメ版『けものフレンズ』の監督「たつき」氏のTwitterより
突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました
ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです。すみません、僕もとても残念です
https://twitter.com/irodori7/status/912270635610472448
という発言が投下されたことに端を発する。
この騒動を受けて、9月27日深夜、映像化プロジェクトの中心組織である「けものフレンズプロジェクトA」名義での発表が公式HPよりなされた(ほぼ同時刻に、KADOKAWAオフィシャルページからもリンクが張られた)。
以下、その全文を引用する。
けものフレンズプロジェクトA
「けものフレンズ」に関しまして、すでに新規映像化プロジェクトの制作を発表させていただいておりますが、発表当初より同体制での継続か、新体制での新たな表現かも合わせて検討中で、現時点においてもまだ何も決定していない状況です。
そのような中、今年1月~3月に放送されたTVアニメーションと同様の体制を優先として、視聴者のご期待に沿えるべく調整をしておりましたが、アニメーション制作会社であるヤオヨロズ株式会社より8月に入った段階で辞退したい旨の話を受け、制作体制を一から模索することになっているのが現状です。
「けものフレンズ」は動物ファーストの理念のもと、関わってくださったすべての方々の手によってゲーム、コミック、アニメ、舞台と展開して参りました。広く門戸を開放し、理念に賛同していただける方々のお力添えをいただき、世界を広げていきたい。そのために誰のものでもないプロジェクトとして、動物のための「けものフレンズ」として活動を重ねて参りました。
しかし、アニメーション制作を担当していただきましたヤオヨロズ株式会社には、関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用がありました。映像化プロジェクトとしては次回の制作を引き続きお願いしたかったため、情報は事前に共有してほしい旨の正常化を図る申し入れをさせていただきましたが、ヤオヨロズ株式会社からは、その条件は受け入れられないので辞退したい、とのお返事でございました。
「けものフレンズ」の映像化プロジェクトに関しては、上記のような経緯で一部滞っておりますが、「けものフレンズプロジェクト」は今後も御協力をいただく皆様と共に作品を守り、ファンを守り、動物たちのことをもっと知ってもらう活動をこれからも初志貫徹、続けていく所存です。映像化に関しましても、改めて、そしてできるだけ早くご報告できるよう進めて参ります。
今後とも様々な「けものフレンズプロジェクト」をよろしくお願いします。
「けものフレンズ」の映像化プロジェクトに関するご報告(アーカイブ)
上記の発表以降、10月3日まで製作委員会側・ヤオヨロズ側双方とも沈黙が続いていたが、10月3日午後1時半頃、ついにKADOKAWA代表取締役専務の井上伸一郎氏が、ツイッターで今回の騒動について発言した。
「けものフレンズ」の件につきまして、KADOKAWAは製作委員会の一出資企業にすぎないことから今まで発言を控えていました。私としても「けものフレンズ」におけるたつき監督の功績は大いに認めております。(1/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915071890648993792
この度の騒動にいたるまでの事態を正確に把握してなかったのは不徳のいたすところです。先週ヤオヨロズのみなさんと2回のミーティングを行なう機会を得ました。その際、製作委員会のご意見とヤオヨロズ様のご意見に大きな溝があることが分かりました。(2/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915071981875163137
特に「監督降板」の経緯、版権使用についても認識相違があることと、
監督のツイッターでのご発言の真意にはそういったことが積み重なったことが
原因であるということが分かりました。そこで私としては、ヤオヨロズのみなさんと今後のことについてどうするべきか相談に入ったところです。(3/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915072115287539712
「けものフレンズ」のファンの皆さまにおかれましては、ご理解のほどよろしくお願いいたします。(4/4)
https://twitter.com/HP0128/status/915072221999022081
このツイートに対し、福原慶匡氏(以後、福原P)も続いて、次のように発言した。
ファンの皆様にお伝えする事が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。 影響の大きさを鑑みて発表の方法に関して協議しておりました。 発表を受けて川上社長、井上専務が迅速にヒアリングして下さり今回の発表に至った事を感謝しています。(1/2)
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/915074525783453696
この度は皆様にご心配をお掛けしてしまいました。 これから話し合いを始めますので何卒よろしくお願いします。(2/2)
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/915074560973709312
発端となった発言以降、音沙汰の無かったたつき監督だが、10月10日に発言があった。
(どうも、とくにご報告はないのですが、irodori3人元気に生きております。気にかけて下さった方、各種お便り下さった方、ありがとうございます。励まされました。何の作品になるかは分かりませんが、かわらずアニメ屋らしくもくもく作ってゆきますー)
https://twitter.com/irodori7/status/917406713409552385
生存報告、アニメ制作の継続を表明した形だが、「何の作品になるかは分かりませんが」という発言に対して憶測がされ、「降板決定を暗に伝えているのではないか」「やっぱり2期は厳しいかな」と危惧するファンもいたが、「あまり敏感にならないほうがいい」「生存報告をしただけであって、それ以上の詮索は無用なのでは」等と諌める声もあった。
また、11月11日に開かれた講演会に福原Pが出演し、その中で当件について発言された内容は、
この発言があった時点で、10月のツイート以降新たな情報が無かった状態だった。
実態は2018年6月20日の株式会社カドカワの株式総会にて
「たつき監督のツイートの後、私と川上(川上量生カドカワ社長・元ドワンゴ社長)で一緒に制作会社に会って意見や要望をうかがった。製作委員会各社にも個別に話を聞いた。その上で合わないとなった」
と回答したことにより、事態収拾へと積極的に動いていたことが明らかとなった。
その後再び硬直状態が続いていたが、12月27日に、遂に福原Pが本件に関してツイートした。
※このコメントは「ヤオヨロズ株式会社」としてでの公式声明ではなく、あくまでも福原P個人での声明である。
今回はお騒がせをしまして誠に申し訳ございませんでした、皆様を不安にさせてしまった事をお詫び致します。最終的な報告になりますが、2期を外れる事に関しては覆りませんでした。井上専務と共に皆様のご期待に応える為、精一杯取り組んで参りましたが、力及ばず大変申し訳ございませんでした。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943082431758336
3月には2期の依頼があり実制作を続けておりましたが、8月頭にコアメンバーで行われた会議にてヤオヨロズに対して今後続投は無いと明言され、降板を宣言されたと認識しています。私としては突然の通達で、何に対して不満を持たれていたのか要領を得ず困惑していたと言うのが正直な所です。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943151998509056
9/27の公式発表にあった情報共有についても、12.1話は委員会へ報告の上制作しておりますし、各企業とのコラボ動画に関しても委員会からの正式な依頼の元で作りました。 コミケにおける同人誌についても吉崎先生からの許可があり、その際のご提案により特別許諾と明記して頒布しました。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943187205472257
特にコラボ動画は厳しい条件もありましたがファンサービスの為にと制作スタッフが尽力致しました。疑義の対象になった事、一部はけものフレンズ公式でも触れていただけなかった事をとても寂しく思います。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943290150469632
今回井上専務には大変真摯に対応頂き、迅速な調査と調整にとても感謝しています。 最後にファンの皆様、制作中のご声援ありがとうございました。この様な残念な報告となり申し訳ありません。短い間でしたがご一緒できたことを誇りに思います。
https://twitter.com/fukuhara_ystd/status/945943397101006848
2017年12月31日に生放送があった「大晦日はフレンズのみんなでドッタンバッタン大騒ぎ!けものフレンズ 年末特番@ようこそニコファーレへ」の番組内において、細谷伸之氏(以降、細谷P)から以下のコメントがあった。
※このコメントはあくまで細谷P個人のコメントであり、公式発表ではない。
例の福原さんのツイートが出る前に、出演を決めていたので、さすがに逃げる訳にもいかずにですね
ちょっと今日、参りました。いろいろ、公式から何もないみたいな事がありますが、ずっと、みなさんに楽しんでいただいたけものフレンズがですね
このタイミングで、このタイミングっていうか、夏以降からいろいろあって、非常に楽しい事が
楽しくなくなってしまったなと、いう事がとても申し訳ないなと思っております。我々としては当然、たつき監督はじめヤオヨロズさんの功績には非常に感謝をしておりますし
とても、たつき監督の2期を見たいなと、製作委員会一同もちろん思ってました。で、そこはいやらしい話、ビジネス的にもそっちの方が絶対に上手くいくというのも分かっていたんですが、いろいろな事情があって、皆さんそこは、とてもお聞きになりたいとは思うんですけれど、
あの委員会は合議制でやってますので、誰がどうという事でも実はなくって、
誰かが何かを言ったときに乗るか乗らないかという事が、いろいろあって、
それを突き詰めていくと、逆に両方の個人攻撃にどうしても、成らざるを得ないですし、
そこはちょっと我々としても本位ではないというところであまり…
今日僕が委員会を代表して出て来ている訳ではないんですが、えー…という事になりますので、
ちょっと今回は、いろいろと、ああいう福原さんからの発表がありましたが、
我々としては9月の27日に出した声明が、今の我々の見解であると、いう事になります。という事なので、この先ももちろん我々は…吉崎先生が作ってくれて、たつきさんが育ててくれたけものフレンズを、もっと、またみんなが楽しんでくれるような、コンテンツにしていくつもりで動いておりますので、この先も応援をしていただければなと、いう風に思っております。
これでご納得いただけないのは百も承知ではありますが、すいません今の僕にはこれしか言えないです。
みなさん、仰りたい事たくさんあるんでしょうが、残りを二人ゲストがいらっしゃるので、すごい楽しい話が聞けると思いますので、そちらを楽しんでいただければなと、いう風に思っております。
また、補足説明として生放送終了後に以下のツイートをした。
真意が伝えられなかったので少し補足。 個人攻撃、と言うのは何か権力を握っている誰か個人に行き着くと言うことではないです。 全ての話は細分化していくと言い出した人がいて、それはその時々によってまちまち。僕の時もあれば他の人のこともある。(続
https://twitter.com/nobutx_0517/status/947454151872483328
でも、その提案にみんなで意見を出して集約して通る時もあれば却下になる時もあるわけで。だからその個人を特定しても本質ではない。と言うことが言いたかったのです。 それはきっとヤオヨロズさんも一緒。 組織、チームってそう言うものかと。 別に圧力があって書いてるわけじゃないですよw
https://twitter.com/nobutx_0517/status/947454154179350528
委員会での決まり方の一般論の話をしたつもりだったのです。慣れてるつもりだったんですが話す順番とか具体的に言うべきとことか色々ダメでした。真意が伝えられなくすみません。 たつき監督のそういうところ素晴らしいと思ってます、みんな。ありがたかったし嬉しかったです。だから我々も残念です。
https://twitter.com/nobutx_0517/status/947708947418378241
制作会社側、テレビ局側、双方のプロデューサー2名の発言を最後に、本件はこれ以上の進展もなく、わだかまりをファンの中に残しつつも幕引きとなった。
メディアでも取り上げられる事態となっている。以下は一例。
けものフレンズとは、基本的な設定(ジャパリパークやサンドスター、アニマルガールなど)を使いながら各メディアで独自展開をするメディアミックス作品である。
そして、けものフレンズプロジェクトにおける各作品には原作者のクレジットは無く、『原作はゲームでもアニメでもなく『動物』である』というのが「けものフレンズ」というプロジェクトである。
(クレジット上の「原作」はけものフレンズプロジェクトとなっている。著作権は出資者が、著作者人格権は吉崎観音先生がそれぞれ保有する形になっている。)
原作である「動物」は肖像権を訴えたりしないとして、けものフレンズプロジェクトは二次創作活動を歓迎している。(中略、後述する二次創作におけるガイドライン参照)
ガイドラインに沿った活動の範囲ならば二次創作の際の連絡は不要としている。趣味の範疇における個人または個人サークルによる、イラスト、同人誌、マンガ、小説などの作成、各種運用については許可範囲とされており、コスプレ衣装の作成とコスプレによる各種活動も同様である。
同人誌頒布なども過度な営利性がないと判断できる場合であれば該当しない。また大人向けの内容を含む二次創作は対象以外の目に届かない配慮が必要とされている。「けものフレンズ」の世界を皆が楽しむためにファン一人ひとりの心がけが大切と言えるだろう。まだフレンズになっていない動物についても「世界が広がる」として歓迎しており、「けものフレンズ」は誰が参加してもいいスタンスとしている。
(ニコニコ大百科「けものフレンズプロジェクト」より)梶井(斉 KADOKAWAコミックス編集部編集長):
『けものフレンズ』を立ち上げたきっかけは、吉崎観音さんのイラストと世界観を使った「IP(知的財産権)」を創出するのが目的だったんです。なので、大本はアニメやゲーム、映画を作るのが目的ではないんです。大げさな話をすれば、「今後100年続くIPを作りたい」という思いが根本にありました。
(アニメイトタイムス 『話題沸騰中の『けものフレンズ』、プロジェクトチームに初インタビュー! 誕生秘話からブーム到来までの歴史など「すごーい!」の連続3万字の大ボリューム』より)
アニメより先行してサービスを開始していたアプリ版けものフレンズは、知名度が伸び悩み、終了する1年前には完全無料状態に移行し、アニメが始まるギリギリまでサービスを展開していたが2016年12月に終了してしまう。
また、漫画版であるけものフレンズ ‐ようこそジャパリパークへ!‐もアニメに先駆けて月刊少年エースに連載されていた(アニメ放送と同時期に単行本が発売)が存在としてはこちらもアニメ版が始まるまで顧みられることは少なかった。
『けものフレンズ』というコンテンツを各インターネットコミュニティを通じて有名にしたのは2017年1月から始まったアニメ版の影響である。
けものフレンズプロジェクト立ち上げから参加していた梶井氏は
梶井:真面目に作ったからだと思います。ありきたりな答えですが、“ヒットを仕掛ける”場合、たいていは「こうすれば話題になるだろう」といったマーケティングに基づいた施策や奇をてらったプロモーションを考えがちです。
しかし、お膳立てしたものではなく、自主的に参加してもらえる題材を提供しなければいけません。それがプロジェクトの原点である動物に対して真摯に取り組んで作品を作ることだったんです。
動物の何気ないしぐさや習性などを、アニメのキャラクターに取り込む。(コンセプトデザインを手掛けた)吉崎観音先生のキャラクターはかわいいだけではなく、元になった動物の特徴を忠実にデザインへ落とし込んでいるんです。細部をよく見てほしいんですが、こんな擬人化は今までないと思います。それを題材に、お話として12話を見て堪能できるよう、たつき監督が伏線を張り、セリフを吟味し、仕掛けを施したんです。アニメに関しては、吉崎先生と監督が話をしながら構築しました。
仕掛けというのは打ち上げ花火のような一過性のプロモーションではなく、キャラクターも含めた作品全体に練りこむことが大切だと思います。そこを視聴者の皆さんにくみ取っていただけたので、支持が広まったのだと思います。
(日経トレンディネット『「けものフレンズ」仕掛け人が語ったヒットの理由』より)
と、スタッフ側の立場としての発言を残している。
そして降板騒動である。たつき監督のツイートが発端でけものフレンズに癒しを求めるファンに「現実」という名の冷や水を浴びせる行為であるという声が上がり、ファンが一斉にツイートで名指しされたKADOKAWAへ怒りの矛先を向けるという状況へとつながった。
また、その中でもごく一部のファンは数々の情報が錯綜する中でコンセプトデザインを担当した吉崎観音氏に心無い暴言を浴びせる者もいた。
もちろん、こうした監督交代事例はアニメーション作品のシリーズ化、または映画の続編制作などにおいて、監督やスタッフの入れ替えといった事態は、それほど珍しくはない。
それに加え、アニメ版もまた「メディアミックスの中で展開されるコンテンツのひとつ」として制作された。
また、旧アプリ版、漫画版、アニメ版ともにゆるいつながりを示唆するポイントはあっても完全に全てがつながっているわけでもない。
大きくまとめるとKFP側の回答としては2017年9月27日の声明が全てであり、この声明に対してもう一方の当事者であるヤオヨロズ側は弁解や反論をしなかった、というのが全てである。
さらに、2018年6月20日のカドカワの株式総会で改めて騒動を収拾するために
川上社長、井上専務が製作委員会に参加していた企業、制作会社であるヤオヨロズ双方と意見や条件等のすり合わせを図ったが、尽力虚しく降板決定は覆らなかった、という経緯が語られた。
最後に、騒動を経てもなお「けものフレンズ」というコンテンツは現在進行形、という事を覚えておいてほしい。
けものフレンズのたつき監督降板については、個人的にすごく残念なのです。。。少なくとも騒動以降、KADOKAWAはやれることはやったと思います。
(niconico運営代表の栗田穣崇氏のTwitterより)https://twitter.com/sigekun/status/1009324331472596997
(「この騒動でカドカワが槍玉に上がってしまったのは、たつき監督の「カドカワ方面のお達しで」というツイートがキッカケだったが、今日の答弁では決定権は無い、むしろ調整に回っていたという事を踏まえて
両者認識の行き違いがあったという事か?」という一般ユーザーのリプライを受け)
はい、その認識で合っています。
https://twitter.com/sigekun/status/1009355225738563584
たつき監督降板発表から2日後に放映された2017年9月27日の第13回けものフレンズアワーにおいて、番組が始まった際、たつき監督に一切触れず「お騒がせしています」とどうぶつビスケッツとPPPの声優陣から声明があった。全文書き起こしを記す。
「色々と皆さんを不安にさせたり、お騒がせしていますが、私たちはこうして『けものフレンズ』を盛り上げることしかできませんので、これからも頑張って行きたいと思います。」
「なので、これからもこれを見てくださってる皆さんは、変わらずに『けものフレンズ』の作品やキャラクターたち、そして何より動物たちをこれからも愛してくださると嬉しいです。よろしくお願いします。」
声優陣が今回の騒動について言及したこと、またこの声明の中心となっていた小野早稀が、KFPAからの発表で「制作を辞退した」と述べられたヤオヨロズの親会社であるジャストプロ所属の声優である事も、一部のファンに火に油を注ぐ結果となってしまった。
けものフレンズプロジェクトAの参加企業の一つであるテレビ東京の定例社長会見が、9月28日に行われた。
その中で、当問題に関して小孫茂社長が言及した。
「テレビ東京は製作委員会の一員で、製作委員会がご案内のようにコメントをお出しになっているので、これを超えるコメント、個人の見解は差し控えるべきかと思っています」
スポニチAnnex
『テレ東社長「けもフレ」騒動に言及「ファンと同じ思い。第2弾ができる方策を模索できれば」』より「2作目というお話しをさせていただいているかと存じます。全国あるいは世界多くのファンの皆さんとまったく同じ思いでございまして、なんとか将来、すでに発表されているような第2弾ができる方策をいろんな形で模索していければと。制作委員会の一員として実現できるように、実現できてファンの皆さんにあらためて喜んでいただけるような努力を惜しまないつもりです」
デイリースポーツonline サイト内記事
『「けもフレ」 2期目実現へテレ東社長尽力「世界のファンとまったく同じ思い」』から引用
2時間で20万以上といった驚異的な数のリツイートによって、監督のつぶやきはインターネット中に瞬く間に拡散した。その拡散は日本にとどまらず海外にまで届いた。
アニメのネット配信によるの普及により、海外にもファンが多数存在していることも併せ、海外のファンの間でも たつき監督の降板とKFPの対応に対して怒りが巻き起こるなど、国内同様に炎上しており、"#NoTatsukiNoTanoshi" というハッシュタグまで誕生した。
また9月28日にはデイリーニュースオンラインが今回の原因は『吉崎観音とたつきの対立にある』という内容のゴシップ記事を掲載する。
ただし、デイリーニュースオンラインはわいせつ・中傷が中心となるゴシップ記事を執筆してきた曰くつきであり、また吉崎観音先生・たつき監督以外の個人名及びライター名を一切伏せていることもあってか、信用度はあまり高くないようである。
けものフレンズ監督降板騒動「功労者をのけものにする」KADOKAWAの企業体質
ただし、過激な一部ファンの中にはこの記事と12/27の福原Pのツイート中の「コアメンバー(福原P、たつき監督、細谷P、KADOKAWA含む幹事会社)」発言を根拠として「吉崎黒幕説」を掲げる者もおり、ファン内の不用意な対立をも生んでしまった。
吉崎氏とたつき監督の関係はかつて良好だった。
かつて二人が意気投合している様子は、BD付きガイドブックや各雑誌のインタビューでも語られ、喫茶店でけものフレンズのアニメを楽しいものとするため打ち合わせを続けていたということが語られ、2017年夏には取材も兼ねて吉崎氏とたつき監督が沖縄旅行に行っていたりなど、良好な関係を築いていた。
しかし、騒動後の2017年12/31~2018年1/1の間にTwitterの相互フォローが外れていた模様である。
また、騒動のさなかに吉崎観音先生の代表作である「ケロロ軍曹」のアニメ版で作画監督をしていた西田亜沙子氏は「吉崎先生がどんなにコンテンツを大事にする人かみんな知ってんだよ!!」「吉崎先生を侮辱すんな!!」と怒りを露わにした(本人がツイートを消してしまったので魚拓)。
また、アニメ版ケロロ軍曹の総監督であった佐藤順一氏は「『ケロロ』の時、吉崎先生はシナリオ打ち合わせにほぼ毎週でてくれてました」「常に監督の意向を尊重し、僕が先生の意見を却下することも普通にありましたし説明すれば納得してくれた」「僕が不愉快な思いをしたことは一度もありません」とツイートしている(Twitter)。
事件から半年以上過ぎた2018年6月20日、カドカワの株式総会が行われた。
その際の質疑応答からけものフレンズに関する質問、それらに対する回答を記載する。
Q:『けものフレンズ』などでトラブルが起こっているが再発防止策は
川上:私たちは本当にいろんなコンテンツを抱えていて、常にトラブルを抱えている。
今後なくしていきたい。
https://twitter.com/michsuzu/status/1009270898870837248Q:社会現象となった『けものフレンズ』。2017年3月に放映終了して、たつき監督解任が9月。
第二期の売上照準が半年遅れることとなった。
2017年末のニコ生でテレビ東京の細谷伸之プロデューサーが「たつき監督を継続した方が売上は良かっただろう」と言っていたが、なぜ解任したのかhttps://twitter.com/michsuzu/status/1009273689731297282井上:ご理解いただきたいのは、KADOKAWAは13社の出資会社の1つで、幹事会社ではないということ。決定権はない。主導的立場と言われているが、製作委員会の一員でしかない。その上で、たつき監督を解任したのはKADOKAWAだけの意志ではなく、各社の統一した意見。https://twitter.com/michsuzu/status/1009275283487117312
たつき監督解任というより、制作会社が製作委員会の要望に必ずしもマッチしなかった。たつき監督のツイートの後、私と川上で一緒に制作会社に会って意見や要望をうかがった。製作委員会各社にも個別に話を聞いた。その上で合わないとなった。https://twitter.com/michsuzu/status/1009275294333616128
いろんな提案をしたが、監督降板というより制作体制の折り合いがつかなかった。
もちろん、たつき監督のすばらしい才能と貢献には感謝している。第二期はまだ未定。
『けものフレンズ』はゲームやステージなどを総称したプロジェクトなのでこれからも見守ってほしい。https://twitter.com/michsuzu/status/1009275306979426310Q:『けものフレンズ』の件では井上専務が尽力され、制作体制の問題ということだったと。
おっしゃる通りであれば昨年、「制作していたけど理由も分からず降板させられた」というたつき監督の発言とかみあわない。
去年、(ニコニコリニューアルの不評と)時期も重なったこともあって、
たつき監督の件で「カドカワが悪人である」という流れになり、ニコニコのプレミアム会員を辞めて抗議しようという動きがあった。
井上専務が製作委員会各社を回ったということも外部に公開して釈明してはhttps://twitter.com/michsuzu/status/1009287486453846016
https://twitter.com/michsuzu/status/1009287503163973633川上:貴重な意見として参考にしたい。
ネットではKADOKAWAやドワンゴがある種、矢面に立つ形となった。
そのことに関して、特にドワンゴ側はある種、事故に巻き込まれた形と認識している。
解決には井上と私とでいろいろ努力したが、関係者間の意見の不一致を埋められなかったのが実情。
「声高にいえばいいのでは」との意見だが、そこで「僕たちはまったく悪くない」とネットで声高にやるのも違うかなと思っていて、そこに関しては自制してきた。
https://twitter.com/michsuzu/status/1009287518590627840
https://twitter.com/michsuzu/status/1009287540103245824
今回の騒動は広範囲に様々な感情を巻き起こしながら広まっていった。
そのなかでも公式の発表では納得がいかず、どちらの側に原因があったのだとしても、
元の体制のままで二期が制作されて欲しいという人や、または真実を明らかにして欲しいと思っている人などが今回の件について多くの行動を起こした。
詳しくはこちら→たつき監督を返して
irodoriのアカウントで公開された短編続編。アニメ「けものフレンズ」最終話放映から一週間後に公開された。これが問題であるのならば削除される可能性があるが現在も削除されずに残っているから問題はないと考えるファンもいる。
一方で、実際には二次創作のガイドラインの禁止事項である
(2)「けものフレンズプロジェクト」に帰属する素材(イラスト、動画、音声、楽曲等)を直接二次利用すること
(著作権侵害)に該当する動画であり、ファンの盛り上がりに水をささないようKFP側が配慮して、見逃された状態というだけだという意見もある。
ただし、ドラマ&キャラクターソングアルバム「Japari Café」にはこの動画の続編的位置づけとなる「じゃぱりまんがり」が収録され、ばすてきセットと称する公式フィギュアが色彩展示されるなど、事実上の公認状態だったと言う声も存在する。
また公開当時ファンの「本当にたつき監督のお金で作ったんですか?」のリプライに対して福原Pは「いやいや笑」と返しているため、たつき監督の私財で作られた訳ではないようである。
なお、本作はけものフレンズBD付オフィシャルガイドブックには未収録。
「けものフレンズプロジェクト」は、“けもフレ”を愛してくださる皆様の二次創作(自作物のみ)活動を歓迎しています。趣味の範疇における、個人または同人サークル等で、以下のガイドラインに沿って活動いただく際には、利用についてのご連絡は不要です。
※ガイドラインの内容は、予告なく変更させていただく場合があります。本ガイドラインの改正によって生じるいかなる損害についても、一切の責任を負えませんことを予めご了承ください。
1.二次創作(自作物のみ)の許可範囲
(1)イラスト、同人誌、マンガ、小説などの作成、各種運用
(2)コスプレ衣装の作成、およびコスプレによる各種活動、その各種運用2.禁止事項
(1)有償無償に関わらず、事業性の高い営利目的での利用
※同人誌領布等の活動につきましては、過度な営利性がないと判断できる場合は、該当しないとします。
(2)「けものフレンズプロジェクト」に帰属する素材(イラスト、動画、音声、楽曲等)を直接二次利用すること(著作権侵害)
※個人のツイッターやブログのアイコン、ヘッダーなどに関してはオリジナルのイラストを使用していただいて構いません。
(3)過剰に「けものフレンズ」のイメージを損なう、過剰に公序良俗に反する、社会的な許容限度を超える、と判断されるもの
※大人向けの内容を含む表現のある場合は、対象以外の目に届かないような配慮をお願いいたします。
(4)他社(第三者)に版権が帰属するコラボレーション作品などの利用全般
(5)その他、想定外に副次的に発生する、不適切と判断されるもの
限定版権等のルールがあるイベントで運用される場合は、個人・企業問わず各運営事務局の規約に従ってください。
(けものフレンズプロジェクト公式サイト「けものフレンズって?」より)
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最終更新:2025/12/23(火) 02:00
最終更新:2025/12/23(火) 01:00
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