アルバート(競走馬) 単語

アルバート

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アルバート(Albert)とは2011年生まれの日本の競走馬。栗毛の牡馬。

ステイヤーズステークスの出馬表に6回名を連ね、3連覇も果たしたステイヤーズステークスの常連。

主な勝ち鞍
2015年: ステイヤーズステークス(GⅡ)
2016年: ステイヤーズステークス(GⅡ)
2017年: ステイヤーズステークス(GⅡ)ダイヤモンドステークス(GⅢ)

概要

生産はノーザンファームで、2011年2月7日生まれ。

父アドマイヤドン、母フォルクローレ、母父ダンスインザダークという血統。

父は二冠牝馬ベガを母に、ダービー馬アドマイヤベガを兄に持つ良血で、芝とダートでGI級7勝の名馬だったが、種牡馬としては不振気味で2011年に韓国へ輸出されてしまった。中央重賞馬となったアルバートとアドマイヤデウス(因みに複数回アルバートと同じレースで走っている)は日本での最終世代である2011年生まれである。

母は芝1200m~1600mで中央6勝。母母アンデスレディーの牝系からは皐月賞馬ジオグリフなども輩出されている。

母父ダンスインザダークは全日本種牡馬リーディングにおいて2位となったこともある菊花賞馬であったが、ステイヤーを多く輩出したことでも知られている。

2012年のセレクトセールで3150万円で落札され、林正道氏の所有となった。

2歳(2013年)

堀宣行厩舎に入厩し、戸崎圭太鞍上で6月に芝1600mの新馬戦でデビュー。3番人気に支持されたものの、集中を欠き12着。

2戦目は10月の未勝利戦。芝1800mに石橋脩騎手とのコンビで出走し、5番人気であったものの直線抜け出して上がり最速で1着。

続いて11月の500万下である芝1800mの百日草特別に4番人気で出走。騎乗した戸崎騎手も「新馬戦の時と比べて馬が変わっていました」と高評価で3着。

同月の500万下である芝1600mのベゴニア賞には、ライアン・ムーア騎手を鞍上に2番人気で出走したものの、内で包まれて6着。朝日杯フューチュリティステークスに登録はしたものの出走せず2歳を終えた。

3歳(2014年)

3歳初戦は1月の京成杯(GⅢ)。戸崎鞍上で12番人気となり先行策を採ったが、地方馬プレイアンドリアルが勝利する中で8着。

2月にはダート1600mの500万下に石橋鞍上で出走し、アドマイヤドン産駒としての期待もあってか3番人気に支持されたが、後方追い込みで5着。

6月に戸崎鞍上で芝1600mの500万下に出走したが7着。

10月にはフランシス・ベリー騎手とのコンビで京成杯以来の距離である芝2000mの500万下に臨み、6番人気であったが、2着ルミナスウォリアーに1馬身差以上付けて勝利。

11月の芝1800mの1000万下はムーア鞍上で3番人気に支持され3着。

4歳(2015年)

4歳初戦は1月の1000万下である芝1800mの初咲賞。ベリー鞍上で2番人気で迎えたが6着。

降級を迎え、6月の500万下、芝1800mの奥尻特別で再始動。丸山元気を鞍上に2番人気に支持されたが、7番人気のなにっシベリアンタイガー(騸4)に逃げ切りを許して2着。因みにこの勝利の後のシベリアンタイガーは、障害転向などを挟みつつ平地では勝ち星を上げられないまま2019年のレースで知名度を上げることとなる。

7月の芝1800mの500万下では丸山とのコンビで1番人気に支持されたが、重馬場もあってか7着。

8月の芝2000mの500万下はジョアン・モレイラ騎手を鞍上に迎えて3番人気に支持されていたが、抜群の位置取りと上がり最速で1番人気のシュヴァルグランに2馬身半付けて勝利。レース後、モレイラ騎手は陣営に長距離での起用を進言した。

10月には1000万下の本栖湖特別に出走。戸崎とのコンビで2番人気に支持され、芝2400mという距離延長も問題なく差し切り勝ち。10月10日の東京10Rで馬番が10番と10だらけのレースでの勝利であった。

アルゼンチン共和国杯に登録はしたものの収得賞金不足で除外され、11月は1600万下で芝2400mの比叡ステークスに出走。アンドレア・アッゼニ騎手とのコンビで3番人気に支持され、稍重も問題なく後方から脚を伸ばして上がり最速で1着。

3連勝でOP入りを決めたアルバートの次走は12月のステイヤーズステークス(GⅡ)。芝3600mという現在の日本競馬最長の平地レースだが、ムーア騎手とコンビを組み単勝3.2倍の1番人気に支持された。レースは中団後方で進めて直線で一気に後続を引き離し、2着に5馬身差をつける圧勝。破竹の4連勝で重賞初制覇となった。

翌年の天皇賞(春)を目標としつつも、体調を見つつ同月に行われる年末の大一番、有馬記念(GI)に出走を決定。アッゼニ騎手とのコンビとなり7番人気で臨んだが、結果は8番人気のゴールドアクターが勝利する中で11着に終わった。

5歳(2016年)

5歳初戦は3月の日経賞(GⅡ)となり、クリストフ・ルメール騎手を鞍上に3番人気に支持されたが、ゴールドアクターが勝利する中で4着。

5月の天皇賞(春)(GI)はルメール鞍上で6番人気に支持され、キタサンブラックが勝利する中で6着。

脚元に疲れが出た上に骨膜炎を発症したこともあり、次走は間隔が開いた11月のアルゼンチン共和国杯(GⅡ)。戸崎鞍上で4番人気に支持され、中団追走から脚を伸ばしたもののシュヴァルグランに半馬身差で敗れて2着。

ジャパンカップへ登録したものの回避して、12月のステイヤーズステークス(GⅡ)に再び出走。前年の圧勝もあり、ムーア騎手とのコンビで単勝1.3倍と圧倒的な支持を集めた。レース本番では、行き脚がつかず危うく見えるところもあったものの中団で進め、しっかり直線で脚を伸ばして上がり最速を出し、クビ差で連覇を達成した。

同月の有馬記念(GI)には戸崎鞍上で出走し、10番人気で7着となった。

6歳(2017年)

6歳初戦はダイヤモンドステークス(GⅢ)。当時ダイヤモンドステークス2勝[1]のフェイムゲームと並ぶ58㎏のトップハンデとなったが、ムーア鞍上で単勝2.1倍の1番人気に支持され、後方2番手から直線で上がり最速で突き抜け1馬身差以上を付けて勝利。

ドバイゴールドカップにも登録していたものの、4月の天皇賞(春)(GI)に出走し、川田将雅鞍上で6番人気に支持された。レース結果としては、キタサンブラックがレコードで連覇を果たす中でスタートで出して行っが後方となり、掲示板内の5着。

9月のオールカマー(GⅡ)に石橋騎手とのコンビで出走。4番人気に支持されたものの、斜行の不利も受けて7着。オーストラリアのメルボルンカップに登録していたが、オールカマーの結果に加え、現地への直行便が無くなり輸送の負担が重くなったこともあり回避となった。

続いて11月のアルゼンチン共和国杯(GⅡ)にアンドレアシュ・シュタルケ騎手とのコンビで出走し、58.5㎏のトップハンデであったが2番人気に支持された。1番人気のスワーヴリチャードが20年ぶりに3歳馬として制したレースでは、やはり斤量もあってか4着。

12月には3連覇がかかるステイヤーズステークス(GⅡ)に出走。お馴染みのムーア騎手とのコンビで単勝1.3倍の1番人気に支持され、レースを中団で進めて直線に入って上がり最速で2番人気フェイムゲームを抜き去り2馬身半差で勝利。JRA史上10頭目、平地重賞では史上7頭目となる同一重賞3連覇を決めた。有馬記念のファン投票では7544票を集め29位となったもののこの年は出走せず、6歳を終えた。

7歳(2018年)

オーストラリアから移籍話を持ち掛けられたなんてオーナーからの話も出つつ、迎えた7歳初戦は福永祐一鞍上で3月の阪神大賞典(GⅡ)。2番人気に支持されたが、結果は4着。

オーナーがGIタイトル獲得の期待を込める4月の天皇賞(春)(GI)はルメール鞍上で3年連続6番人気となったが、レインボーラインが阪神大賞典からの連勝を決める中で外を回って8着。

続いて6月の宝塚記念(GI)に藤岡康太騎手を鞍上に出走したが、15番人気13着。

秋は10月の京都大賞典(GⅡ)から始動し、モレイラ鞍上で3番人気に支持され、直線では外を回る形になったものの3着。

11月には田辺裕信鞍上でアルゼンチン共和国杯(GⅡ)に出走。58.5㎏のトップハンデで7番人気となり、結果も10着。

12月には4連覇がかかるステイヤーズステークス(GⅡ)にモレイラ騎手とのコンビで出走が決まり人気を集めていたものの、前日に右前肢跛行による出走取消が発表された。なお、レースは1番人気となったリッジマンが勝利した。

有馬記念のファン投票では3873票を集め45位となり、7歳を終えた。

8歳(2019年)

8月に橋口慎介厩舎へ転厩。8歳初戦は脚部不安の影響もあり10月の京都大賞典(GⅡ)となったが、藤岡佑介鞍上で13番人気16着に終わった。

11月にはステイヤーズステークス(GⅡ)にオイシン・マーフィー騎手とのコンビで出走。障害の名馬オジュウチョウサンの出走に注目が集まる中、ここはやはり人気を集め単勝3.7倍の1番人気となったが、レース本番は外から上がり最速で追い上げたものの6番人気モンドインテロに敗れ残念ながら2着。

9歳(2020年)

9歳初戦は再び10月の京都大賞典(GⅡ)となったが、岩田康誠鞍上で15番人気17着に終わった。

12月にはステイヤーズステークス(GⅡ)に岩田騎手を鞍上に出走。ステイヤーズステークスとあって単勝7.4倍の5番人気に支持されたが、流石に13着。

種牡馬入り

ステイヤーズステークス翌日の12月6日付けで競走馬登録を抹消され、優駿スタリオンステーションで種牡馬として繋養されることが発表された。アドマイヤドンの日本での唯一の後継として、世界的にもウッドマン系が衰退する中で活躍を期待したいところではあるが、如何せんGIで未勝利のステイヤーでは需要が少ないようだ。

種付け料50万円で、初年度の2021年は8頭、2年目は8頭、3年目は6頭集めているものの、多くがオーナーの林氏絡みの繁殖牝馬。初年度産駒デビューの年でもある4年目の2024年は種付け料が30万円に値下げされているが、今後どのような産駒が出るか楽しみにしたいところである。

血統表

アドマイヤドン
1999 鹿毛
*ティンバーカントリー
1992 栗毛
Woodman Mr. Prospector
*プレイメイト
Fall Aspen Pretense
Change Water
ゴールデンサッシュ
1988 栗毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*アンティックヴァリュー Northern Dancer
Moonscape
フォルクローレ
1999 栗毛
FNo.8-c
ダンスインザダーク
1993 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ダンシングキイ Nijinsky
Key Partner
アンデスレディー
1986 栗毛
*ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
ペルースポート *ガーサント
グレートターフ
競走馬の4代血統表

クロス:Northern Dancer 4×5×4(15.63%)

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 2014年クラシック世代

脚注

  1. *翌年に3回目の勝利となったがこの時は6着
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