カリフォルニアクローム 単語


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カリフォルニアクローム

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カリフォルニアクローム(California Chrome)とは、2011年生まれ米アメリカ合衆国競走馬である。名が長いので日本では「クローム」「カリクロ」と略されることもある。Google Chromeはあんまり関係ないと思う。

通算成績27戦16勝[16-4-1-6]

な勝ち
3歳(2014年):サンタアニタダービー(米G1)、ケンタッキーダービー(米G1)、プリークネスステークス(米G1)、ハリウッドダービー(米G1)、サンフェリペステークス(米G2)
5歳(2016年):ドバイワールドカップ(首G1)、シフィッククラシックステークス(米G1)、オーサムアゲインステークス(米G1)、サンパスカルステークス(米G2)、サンディエゴハンデキャップ(米G2)


2014年:エクリプス賞年度代表馬・最優秀3歳カリフォルニア年度代表馬
2016年:エクリプス賞年度代表馬・最優秀4歳以上ダートカリフォルニア年度代表馬
アメリカ殿堂入り(2023年選定)
カリフォルニアクロームの日(10月11日2014年選定)

概要4

Lucky PulpitLove the ChaseNot for Loveは呼吸器疾患に悩まされたのもあるが22戦3勝で重賞勝利なし。も戦績に見るべきところはなく、本の生産者が繁殖牝馬として購入した時には周囲から「dumb ass」(バカ)と後ろされたそうな。も血統は良いが重賞勝利で、外だということを差し引いてもよくわからない
それもそのはず、カリフォルニアクロームは名の通りカリフォルニア州産。カリフォルニア日本でいうところの九州産馬みたいなもんで、ケンタッキー州などの大産地にべると圧倒的にレベルが低い。生産したのもペリーマーティンスティーヴコバーンという2人の個人で、所有するLove the Chase1頭、おまけクロームが初めて自分たちで生産したという、まるで活躍する要素の見当たらないだった。ただ、かなりの親バカ(馬主バカ?)だったマーティンコバーンの両氏が初めての生産であるクロームを溺愛して育てたからか、非常に人懐っこくて賢いに育ったらしく、カメラを向けられると自分からポーズを取るような性格になったらしい。

だか親バカが高じ過ぎて、マーティン氏は「ケンタッキーダービーを勝てる調教師」にこのを預けようとした。なんとマーティン氏、クロームケンタッキーダービーを勝てると思っていたらしい。それまでケンタッキーダービーを勝ったカリフォルニア州はわずか4頭。1962年を最後に出ていなかった。最ただの妄言、狂言でしかない。クロームは少頭数を丹精込めて育てる職人気質のアートシャーマンアランシャーマン調教師に預けられた。

2歳時は7戦3勝。勝ったレースは全てカリフォルニア州限定戦。ものは試しにと出てみたGIは2馬身差の僅差とはいえ6着で、まだクラシックに通用しそうじゃなかった。しかし3歳になり、初戦を強い競馬で5馬身半ちぎり捨て圧勝。カリフォルニア州の同世代最強の地位を確立し、他州産と戦うべくGIIサンフェリペSに参戦。とはいえ出走6頭でロクな戦績のもいなかったので1番人気になり、7馬身1/4差で圧勝。さらにGIサンタアニタダービーメンバーが強化されたが意に介さず圧勝。ここに及んで、クロームクラシック大本命に成り上がる。この時点でクロームに高額の購入オファーが来たらしいが、両氏は「お金ではなくを取る」と断った。

そして、その舞台ケンタッキーダービー。予想カリフォルニア州を軽視する向きが強かったが、実績と絶好から地元カリフォルニアではクローム勝利は確実と思われていた。レーススローで進み、クロームインの3番手という絶好位につける。ビクターエスピノーザはぐっと脚を溜め、4で仕掛けて先頭に立つ。そのまま一気にリードを広げ、最後は追い込んできたCommanding Curve(17番人気)を1馬身あまり退けて優勝。史上5頭、52年ぶりのカリフォルニア州産のダービーとなり、マーティンコバーン両氏が見たは実現した。ただ、勝ち時計がかなり遅く、ずいぶんレベルの低いダービーだと思われたためか、予想の中にはまだクロームを軽視する人もいたとか。

プリークネスSはかなり面子が格落ちし、クロームは1.5倍の1本被り。レース全にダービー再現で、3番手から4で抜け出し1馬身半差で勝利。今度は時計も優秀で、前走の低レベル疑惑を一蹴した。ちなみにカリフォルニア州ダービープリークネスSを連勝したのはこれが初めてである。

こうなればすは三冠……と思いきや、コバーン氏が「ベルモントSには出ない」と言い出した。クローム出血防止のためにネーザルトリップというテープを貼っていたのだが、ベルモントSのあるニューヨーク州では使用が禁じられているから、というのが理由だった。二冠馬が来ないとあってはベルモントSの格に傷がつく、ってなことでちょっとした騒動になり、州競馬協会が使用を解禁したことでクローム三冠挑戦を決めた。が、ベルモントSではスタート直後に他に右脚を踏まれ負傷するというアクシデントに見舞われてしまい、直線で伸びきれず4着。三冠はあえなく散った。

休養して競馬に挑むが、調子が戻らなかったのか初戦は完封していた同期Bayernの6着に惨敗。BCクラシックBayernの3着と敗れてしまう。日本チャンピオンズカップに出走するという話がネーザルトリップの使用が認められず(日本でも使用禁止扱い)流れると、営は何を思ったか芝のハリウッドダービーに参戦、大逃げにも動じず2番手からきっちりかわして勝利GI4勝を挙げる。文句なしでエクリプス賞年度代表馬・最優秀3歳を獲得、カリフォルニア州議会全会一致クロームを表した。

しかし翌年、初戦で同期の2歳王者Shared Beliefに負けるとドバイWCも2着敗戦。さらに営はイギリス遠征を敢行するが蹄の負傷で出走できず帰するという迷走劇。あげくにひびが入り年内全休。この間にAmerican Pharoah三冠を達成したこともありクロームはすっかりが薄くなってしまう。二冠を勝ってそれで終わってしまったも多いし、クロームもここまでかなぁ……なんて思っていた時期が私にもありました。

ところがどっこい。引退を撤回し、勝負服も新たに5歳も現役を続行すると初戦のGIIを快勝。ドバイWCのためUAEに飛び、前戦で60kg背負いながら楽勝。ドバイWCではさらに2着との差を広げ3馬身差の勝。実にあっさり2年ぶりのGI制覇を遂げる。休養後のGIIをあっさり勝つと、最強Beholder、前年のサンタアニタダービーDortmundとの三強対決となったGIシフィッククラシックもあっさり逃げ切ってしまった。なんか二冠取った頃より強くなってる気がする。

今やカリフォルニア州史上最強なんじゃないかと思えるカリフォルニアクローム。堂々と大本命としてBCクラシックに挑む。が、クロームに挑戦せんと待っていたのが3歳Arrogateクラシックに間に合わなかったものの、トラヴァーズSを13馬身差のレコードで圧勝してBCクラシックに襲来した超新星である。
クロームは最定番となった逃げを打ち、Arrogateは中団から外にジリジリと押し上げ2番手につける。クロームがそのままマイペースに4を回ったのに対し、Arrogateいた内に一旦進路を変えたのち、そのまま再び外に抜けてクロームを追う。そこから2頭が別次元の伸びで後続を置き去りにするが、手応えは同じようなものでクローム逃げ切りかと思われた。しかし、クロームが競り落としたかに見えた残り1ハロンArrogateが急加速、クロームを半馬身捉えたところがゴール。遅れてきた怪物の前に連勝はストップ。しかし逃げて2着、しかも3着には10馬身以上の差をつけたのだから負けて強しである。ちなみにその3着は前年American Pharoahを破ってから不振が続いていたKeen Iceだった。

翌年の新設GIペガサスワールドカップ標に現役を続行。はてさてどうしようか、と言っていたところに届いたのが、シャーマン厩舎が拠点とするロスアラミトス競馬場からの出走の依頼だった。実はクロームロスアラミトスで走ったことがなく、「引退前にカリフォルニア英雄を地元のファンの前で走らせてほしい」と競馬場側が特別にレースを編成したのである。
営もこれを快諾し、クロームは初めて地元ロスアラミトスに凱旋。ウインターチャレンジに出走し、後続に12馬身差をつけトラックレコード勝。故郷に錦を飾り、競馬場は「クローム!」の大合唱に包まれた。

2017年引退レースとなるペガサスワールドカップに出走。今度はArrogateに1番人気を奪われながら有終の美を飾るべく2番人気で出走したが、レース中に軽度の故障を発生。力なく9着に敗れ、引退レースを飾ることはできなかった。

通算27戦16勝(GI6勝)。今後はケンタッキー州で種牡馬入り。北半球オフシーズンチリにシャトルされることも決定している。血統は正直二流か三流なので、その力を伝えられるかどうかが成功の分かれになりそう……

と思っていたら2020年シーズンから日本アロースタッドにて繫養されることが決定。ミスタープロスペクターの4×3のクロス(18.75%、俗にいう奇跡の血量)を持っているため、キングカメハメハ系統の肌馬相手だとミスタープロスペクターの5×4×3(21.875)のクロスとなり、やや濃いめのインブリードになってしまうきらいがあるが、サンデーサイレンスの功績によって日本中に広まったヘイルトゥリーズン系の血は一滴も入っていないため、自身の成績を鑑みても当面の繁殖相手には困らないだろう、彼の力を引き継ぐ名の誕生に期待したい。
日本で種付けした初年度の世代は2023年デビューし、その中からワイドラトゥール(2025年愛知杯)が産駒の本邦初のグレード競走勝利マークしている。

ちなみに、標だったテイエムオペラオー立した獲得賞金世界記録更新ラストランで敗れたこともあり実現しなかったが、ArrogateドバイWCも勝ってあっさり更新しやがった。たった1年で……。

血統表

Lucky Pulpit
2001 栗毛
Pulpit
1994 鹿毛
A.P. Indy Seattle Slew
Weekend Surprise
Preach Mr. Prospector
Narrate
Lucky Soph
1992 鹿
Cozzene Caro
Ride the Trails
Lucky Spell Lucky Mel
Incantation
Love the Chase
2006 栗毛
FNo.A4
Not For Love
1990 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Dance Number Northern Dancer
Numbered Account
Chase It Down
1997 栗毛
Polish Numbers Danzig
Numbered Account
Chase the Dream Sir Ivor
La Belle Fleur

クロスMr. Prospector 3×4(18.75)、Numbered Account 4×4(12.50%)、Northern Dancer 4×5(9.38)

主な産駒

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