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エーシンフォワード

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エーシンフォワードA Shin Forward)とは、2005年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牡馬。

2010年マイルCSを13番人気でレコード勝ちした外国産馬。

主な勝ち鞍
2010年:マイルチャンピオンシップ(GⅠ)阪急杯(GⅢ)

概要

父Forest Wildcat、母Wake Up Kiss、母父Cure the Bluesという血統のアメリカ産馬。
父フォレストワイルドキャットはアメリカのStorm Cat産駒で、ダート短距離のGⅢを2勝、GⅠ出走経験は無しという馬。半姉に重賞4勝のQueen Alexandraがいる。種牡馬としてはアメリカでGⅠ馬を3頭、欧州でも2004年のアベイ・ド・ロンシャン賞勝ち馬Varを輩出した。
母ウェイクアップキスはアメリカで10戦5勝。産駒はエーシンフォワードとその半弟*レッドグルーヴァーしかいないようだ。
母父キュアザブルースは1980年のアメリカ2歳GⅠローレルフューチュリティの勝ち馬。種牡馬としては、日本では1987年のジャパンカップ勝ち馬Le Glorieuxの父というのが一番わかりやすいか。母父としての日本での産駒には兵庫三冠馬ロードバクシンや短距離重賞3勝のサクラゴスペルがいる。

2005年2月16日、アメリカ・ニューヨークで誕生。2007年のファシグティプトン・コールダー・2歳トレーニングセールにて、29万ドルで落札された。オーナーは栄進堂(「エイシン」「エーシン」冠の平井豊光の長男・平井宏承の馬主名義で、「エーシン」冠を引き継いだ方)。

馬名意味は「冠名+攻める」。

栄光へ攻めろ

2歳~4歳(2007年~2009年)

栗東・西園正都厩舎に入厩し、2007年10月8日、京都・芝1400mの新馬戦にて福永祐一を鞍上にデビュー。単勝2.4倍の1番人気に応え、2番手先行から上がり最速で快勝デビューを飾る(ちなみにこのとき4着にいたのがディープスカイ。西園師は「アメリカ産の牡馬らしくなく、しなやかな馬体をしています」と評し、福永は「折り合いもつきますし、スピードもあるから、マイル前後あたりがいいかもしれません」と語った。

続く11月の同条件の500万下も快勝し、2戦2勝で福永と朝日杯フューチュリティステークス(JpnⅠ)に駒を進める。11.7倍の6番人気とそこそこの評価は集めたが、逃げたゴスホークケンが上がり最速で圧勝する前残りのレースを中団からではどうにもならず9着。

明けて3歳はNHKマイルカップを目指してアーリントンカップ(JpnⅢ)から始動。良血馬ポルトフィーノが断然人気に支持される中、34.3倍の9番人気とあまり注目されていなかったが、馬群の中から抜け出し、大逃げで逃げ切りを決めた5番人気ダンツキッスイの2着に突っ込む。3着には大外を猛然と追い込んできた10番人気ディープスカイが突っ込み、3連単は89万6050円もついた。
続くニュージーランドトロフィー(JpnⅡ)では福永に同日の阪神牝馬Sでローブデコルテの先約があったため和田竜二がテン乗りし、17.4倍の5番人気。今度はダンツキッスイの大逃げを捕まえたものの、前で先に抜け出したサトノプログレスに届かずまた2着。

勝ちきれなかったとはいえ収得賞金は確保したので、福永とともにNHKマイルカップ(JpnⅠ)へ。14.6倍の7番人気とそれなりに評価は集めたが、8枠から外々を回されて伸びず10着。
続けて東京優駿(JpnⅠ)に向かったが、福永は別の馬に取られてしまい和田竜二が騎乗。さすがにここは距離が長すぎだろうと、179.8倍の最低人気で、実際レースも終始後方のまま15着。この2戦、どちらも勝ったのは同じ新馬戦を走ったディープスカイであった。
このあと半年休み、3歳ラストは阪神カップ(JpnⅡ)に秋山真一郎を迎えて臨んだが、ここも見せ場なく11着に終わる。

4歳となっても低迷は続き、初戦の京都金杯(GⅢ)は12着。ダートを試すがジャニュアリーステークス(OP)9着、すばるステークス(OP)15着と結果は出ず、また8ヶ月の休養。その間に1600万下に降級となってしまった。

しかし10月に復帰すると、芝に戻って降級初戦の道頓堀ステークス(1600万下)を12番人気の低評価から3着に好走。続く桂川ステークス(1600万下)は5着に敗れたが、12月の六甲アイランドステークス(1600万下)を好位から抜け出して2馬身差で快勝、オープンに復帰すると、中1週で向かった2009ファイナルステークス(OP)も快勝。連勝でオープン初勝利を挙げて4歳を終えた。

5歳(2010年)

明けて5歳となった2010年はニューイヤーステークス(OP)から始動。1番人気に支持されたが、3角で挟まれる不利もあり、2番人気レッドスパーダにクビ差届かず2着。続く東京新聞杯(GⅢ)では11.3倍の6番人気に留まったが、2着トライアンフマーチとハナ差の3着。

さて、阪神C以降、秋山真一郎×2→勝浦正樹→吉田稔→秋山真一郎×2→池添謙一→小牧太→蛯名正義→柴田善臣と鞍上が定まらなかったエーシンフォワード。続く阪急杯(GⅢ)では通算10人目の鞍上として岩田康誠を迎えた。すると好位からロスなくインを回って直線を向くと、半ばで岩田康誠の汚いダンスに追われて前の狭い隙間をこじ開けて抜け出し、突き抜けて1馬身半差で快勝。待望の重賞初制覇を飾り、以降は引退まで岩田が主戦となる。

この勝利で高松宮記念(GⅠ)に参戦。桂川S以来の1200m、8枠16番ながら混戦ムードの中4.9倍の3番人気に支持されると、中団外目を追走して直線でも外から脚を伸ばし、勝ったキンシャサノキセキからタイム差なしの3着に好走。岩田騎手は「直線に入ってどこを狙うか、一瞬判断に迷いましたが、真ん中をついていれば結果は違っていたかもしれません」と反省の弁を述べたが、1200mのGⅠでも充分勝ち負けになることを示した。

ところが、なぜかエーシンフォワードはここからぱたっと調子を落としてしまう。続く京王杯スプリングカップ(GⅡ)は1番人気に支持されたが離された4着に敗れると、安田記念(GⅠ)では大外枠から好スタートを決めて逃げを打ち、残り2000mまで粘ったが捕まって10着撃沈。
夏休みを挟み、秋は岩田が落馬負傷のためクリストフ・スミヨンを迎えてスワンステークス(GⅡ)から始動。1番人気に支持されたが、見せ場なく8着に終わった。

そんな調子だったので、復帰した岩田が戻ったマイルチャンピオンシップ(GⅠ)の頃にはすっかり評価を落としてしまっていた。この年のマイルCSは1番人気が4連勝の上がり馬ダノンヨーヨー、2番人気が昨年3着の海外馬サプレザ、3番人気がキンシャサノキセキという、いささか本命不在の様相であったが、その中でもエーシンフォワードは52.4倍の13番人気という全くの人気薄であった。
レースはジョーカプチーノ、マイネルファルケ、スマイルジャック、ガルボらが先行争いで飛ばし、前半800mが45秒3というハイペースの流れとなる。人気薄ゆえに気楽に構えていたという岩田須成とエーシンフォワードは好スタートを決めつつも先行争いには加わらず中団前目に控え、インに潜り込んだ。そして直線を向くと岩田康誠得意のイン突きが炸裂。前の間を縫って抜け出すと、外から追い込んでくる後方待機勢とゴール前横並びの激戦となったが、インを回ってそのまま内を突いた分の距離アドが活き、クビ差凌ぎきってゴール板を駆け抜けた。
勝ち時計は1:31.8のコースレコード。ロスなくインを回って抜け出すという阪急杯と同じレースでの勝利であり、イン突きを得意とする岩田康誠の気楽な立場からの好騎乗とエーシンフォワードの力が噛み合った会心のレースであった。

年末は香港マイル(GⅠ)に参戦し、Beauty Flashの4着と好走して5歳を終えた。

6歳(2011年)~引退後

さて、現役マイル王として6歳も現役を続行したエーシンフォワードだったが……なぜかまたぱたっと調子を落としてしまい、6歳シーズンの彼の戦績に語るべきことはほぼ全くない。高松宮記念京王杯SC安田記念スワンSマイルCS阪神Cと6戦して掲示板にも入れず9着→8着→12着→6着→15着→7着。最後はダートの兵庫ゴールドトロフィー(JpnⅢ)を試し、上がり最速で4着には入ったものの、その翌日に現役引退、種牡馬入りが発表された。通算31戦6勝 [6-3-3-19]。

引退後はレックススタッドにて種付け料30万円で種牡馬入りしたものの、日本では馴染みのない血統に加えてマイルCSのレコード勝ちもフロック視されてしまったか牝馬はほとんど集まらず、6年間で産駒は僅か37頭。3世代目でようやく中央初勝利を挙げたロードエースがオープンまで勝ち上がったのが最高成績で、地方でもエイシンエールが兵庫の重賞を勝ったぐらいであった。

2018年からは生まれ故郷の牧場からオファーがあってニューヨークに渡り、ロックリッジスタッドにて種付け料3500ドルで供用された。あちらでも決して多くの牝馬を集めたわけではないようだが、2023年まで種牡馬を続けたようである。

2023年に種牡馬を引退してからは、アメリカの功労馬繋養牧場・オールドフレンズに移動し、そちらで功労馬として余生を送っている。2024年にはアメリカ在住の韓国人ファンが牧場に電話して近況を聞いた記事をアップしている(リンク先韓国語)。

血統表

Forest Wildcat
1991 黒鹿毛
Storm Cat
1983 黒鹿毛
Storm Bird Northern Dancer
South Ocean
Terlingua Secretariat
Crimson Saint
Victoria Beauty
1972 栗毛
Bold Native Raise a Native
Spring Beauty
Abifaith Seaneen
Sherry Jen
Wake Up Kiss
1998 芦毛
FNo.16-a
Cure the Blues
1978 鹿毛
Stop the Music Hail to Reason
Bebopper
Quick Cure Dr. Fager
Speedwell
Good Morning Smile
1988 芦毛
Morning Bob Blushing Groom
Guillotine Miss
Charming Smile Mac Diarmida
Quiet Charm

クロスNearctic 5×5(6.25%)、Bold Ruler 5×5(6.25%)

関連動画

阪急杯があるのにマイルCS単独の動画がないんですけど!

関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 2008年クラシック世代
    • ディープスカイ
  • 岩田康誠
  • 外国産馬
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