ストームキャット(Storm Cat)とは、1983年生の
アメリカの競走馬・種牡馬である。黒鹿毛の牡馬。
通算成績8戦4勝[4-3-0-1]
主な勝ち鞍
1985年:ヤングアメリカステークス(
GI)
父Storm Bird、母Terlingua、母父Secretariatという血統。父は1980年の英愛2歳チャンピオンで、母は重賞5勝馬。叔父の*ロイヤルアカデミー(BCマイル、ジュライカップ)をはじめ、一族にも活躍馬が多い良血馬である。
競走馬としてはアメリカで8戦4勝。2歳時にGIを含め3勝を挙げたが、その年暮れに骨折した影響で11ヶ月もの休養に追い込まれ三冠競走を使えなかった上、復帰後2戦して1勝した後再び骨折し引退。なんだかパッとしない成績で、種牡馬入りはしたものの初年度の種付け料は3万ドル、当時バブル最盛期の日本円で約400万円と決して高額ではなかった。
しかし初年度産駒からGI馬が複数出ると、その後も活躍馬が出るわ出るわ。2度の米リーディングサイアーに輝き、しまいには種付け料50万ドル、日本円にして約6000万円というとんでもない値段にまで跳ね上がった。日本で*サンデーサイレンスが2500万円でトップを独走していた時代でこの価格である。最近にしたって、日本で無双状態のディープインパクトが4000万円(2018~2019年)。欧州で空前の大活躍を見せたDubawiをもってしても4200万円(2016年)である。10年以上にわたり英愛サイアーランキングのトップを走り続けてこの世の春を謳歌するGalileoが5000~6000万円くらいだといわれていた(Galileoは種付け料非公開)ので、大体評価としてはそのくらいと考えてよいだろう。無論公開されているものとしては世界記録である。
ちなみに本馬の産駒にはフサローが800万ドルで買ったMr. Sekiguchiをはじめとして100万ドル以上で取引された馬が91頭いる。Northern Dancerが52頭ということを考えるとインフレがあったにしても凄まじい数字と言えよう。
産駒の特徴として、パワーが非常に強く、仕上がりが早く頑丈な馬が多い。一方で、仕上がりが早いがゆえに早枯れだったり、いったん調子を崩すと立ち直れない、急激なペースの変化に対応できないなどの弱点もある。ゆえに瞬発力勝負の日本では産駒がいまいち活躍できず、超シルバーコレクターのシーキングザダイヤが目立つ程度。しかし孫以降の世代は日本でも活躍しており、父系子孫としては*ヘネシーから分かれたサンライズバッカスやアジアエクスプレス、ストームキャット産駒最大の大物であるGiant's Causewayの産駒であるエイシンアポロンなどが日本でGIを勝っている。
日本で特筆すべきは母父としての活躍である。持ち前のパワーが上手い具合に欠点を帳消しにしたのか、現在日本で絶対王者となっているディープインパクトとの相性が非常によく、ダービー馬キズナ、桜花賞馬アユサン、香港カップ・イスパーン賞を獲ったエイシンヒカリ、エリザベス女王杯を勝ったラキシス、ドバイターフを制したリアルスティールなど数多くの活躍馬が出ている。他にもロードカナロア(父キングカメハメハ)、ファレノプシス(父ブライアンズタイム)、メイショウボーラー(父タイキシャトル)、ショウナンマイティ(父マンハッタンカフェ)などの馬が母父ストームキャットであり、日本でも今後さらに影響力が増していくことだろう。ちなみにストームキャットが母父に回ると、案外長持ちする産駒が多かったりする。なんでだろう?
ストームキャットは2008年に受胎率の低下のため種牡馬を引退。2013年に30歳で大往生を遂げた。死の直後、生まれ故郷で種牡馬としても供用されていたオーバーブルックファーム周辺には雷雨が降ったという。
父系、牝系ともにまだまだ伸びそうで、その血が本当に力を発揮するのはこれから……かもしれない。
| Storm Bird 1978 鹿毛 |
Northern Dancer 1961 鹿毛 |
Nearctic | Nearco |
| Lady Angela | |||
| Natalma | Native Dancer | ||
| Almahmoud | |||
| South Ocean 1967 鹿毛 |
New Providence | Bull Page | |
| Fair Colleen | |||
| Shining Sun | Chop Chop | ||
| Solar Display | |||
| Terlingua 1976 栗毛 FNo.8-c |
Secretariat 1970 栗毛 |
Bold Ruler | Nasrullah |
| Miss Disco | |||
| Somethingroyal | Princequillo | ||
| Imperatrice | |||
| Crimson Saint 1969 栗毛 |
Crimson Satan | Spy Song | |
| Papila | |||
| Bolero Rose | Bolero | ||
| First Rose | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
まさかないだろうな、と思ったらなんとあった。
Storm Cat 1983
|Harlan 1989
||Harlan's Holiday 1999
|||Into Mischief 2005
||||Goldencents 2010
|||||Mystik Dan 2021
||||*ミスチヴィアスアレックス 2017
||||Mandaloun 2018
||||Life Is Good 2018
||||Laurel River 2018
||||Sovereignty 2022
|||*シャンハイボビー 2010
||||ベリーベリーベリー 2020
||||マンダリンヒーロー 2020
|Future Storm 1990
||*フィガロ 1995
|||プレティオラス 2009
||||コルドゥアン 2020
|Forest Wildcat 1991
||*エーシンフォワード 2005
|*ヘネシー 1993
||*ヨハネスブルグ 1999
|||Scat Daddy 2004
||||No Nay Never 2011
|||||*ユニコーンライオン 2016
||||*カラヴァッジオ 2014
||||Justify 2015
|||||*オーサムリザルト 2020
|||||City Of Troy 2021
||||*ミスターメロディ 2015
|||||クラスペディア 2022
|||ヨシオ 2013
|||アイアムハヤスギル 2016
||サンライズバッカス 2002
||*ヘニーヒューズ 2003
|||Beholder 2010
|||*アジアエクスプレス 2011
||||オベイユアマスター 2021
||||ピューロマジック 2021
|||*モーニン 2012
|||オーヴァルエース 2016
|||ワイドファラオ 2016
|||タガノビューティー 2017
|||アランバローズ 2018
|||セキフウ 2019
|||セラフィックコール 2020
|||ポリゴンウェイヴ 2020
|||アマンテビアンコ 2021
|Tale of the Cat 1994
||Gio Ponti 2005
|||*ドレフォン 2013
||||ジオグリフ 2019
||||ミッキーファイト 2021
||||アドマイヤデイトナ 2022
||||スターアニス 2023
|Forestry 1996
||*ディスクリートキャット 2003
|||オオバンブルマイ 2020
||The Green Monkey 2004
|Bernstein 1997
||*ゴスホークケン 2005
|||マルターズアポジー 2012
|Giant's Causeway 1997
||*エイシンアポロン 2007
||Protonico 2011
|||Medina Spilit 2018
||*ブリックスアンドモルタル 2014
|||アンモシエラ 2021
|||ゴンバデカーブース 2021
|Freud 1998
||*シャープアステカ 2013
|*シーキングザダイヤ 2001
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/25(木) 00:00
最終更新:2025/12/24(水) 23:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。