王冠泥棒、オーコ 単語

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《王冠泥棒、オーコ》(おうかんどろぼう、オーコ)とは、マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)のカードである。2019年に発売された『エルドレインの王権』が初出のプレインズウォーカー。

概要

Oko, Thief of Crowns / 王冠泥棒、オーコ (1)(緑)(青)

伝説のプレインズウォーカー — オーコ(Oko)

[+2]:食物(Food)トークンを1つ生成する。(それは「(2),(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る。」を持つアーティファクトである。)

[+1]:アーティファクトを1つかクリーチャー1体を対象とする。それは能力をすべて失い、基本のパワーとタフネスが3/3の緑の大鹿(Elk)クリーチャーになる。

[-5]:あなたがコントロールしているアーティファクト1つかクリーチャー1体と、対戦相手がコントロールしていてパワーが3以下のクリーチャー1体を対象とし、それらのコントロールを交換する。

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2019年に発売された新セット「エルドレインの王権」で登場したプレインズウォーカー。発売と同時にスタンダードは元より果てはヴィンテージにまで使用が見られ、同セットのトップレアに輝いている。

そんなに強そうに見えないけど?

ぱっと見では分かりにくいところがあるが、まず非常に硬い

初期忠誠度が4あり、そこから2つの+能力で入っていくため出たターンで忠誠度は5以上となっており、生半可なクリーチャーの攻撃や火力カードでは落とせない。

主に使用する能力が共に+能力である事がこの硬さに拍車をかけ、数ターンで忠誠度が10を超えている事も稀ではない。

そしてこの硬さがありながら3マナと非常に軽い

緑はマナを生み出すマナクリーチャーが多数存在するため、1ターン目にマナクリーチャー→次ターンにオーコと極めて速いターンに登場する事が可能。早いターンに出てくると倒しきれる分のクリーチャーの数もパワーも足りていない事が多いので、この軽さも硬さに直結する要因といえる。

この抜群の硬さと軽さこそオーコの強みといえる。

それだけでここまで騒がれる強さなの?

オーコが早いターンに出やすく場残りしやすいプレインズウォーカーだという事がお分かりになったところで、それぞれの能力に注目してみよう。

[+2]:食物トークンを1つ生成する。

この能力から入る事で忠誠度は6となり、スタンダードに同居するカードの対策カードの1つの丸焼きですら耐えうる。他火力カードでも焼けるカードはかなり限られており、黒の確定除去カードクラスでないとオーコを倒しきる事は極めて難しい。

そして生み出す食物は2マナで3点のライフを得る事が出来るのでオーコの硬さを+2しているのも含めると5点分のダメージをわずか2マナで毎ターン帳消しにしている事になる。これはアグロデッキにおいては致命的で、オーコを無視するとライフが減らず、かといってオーコを殴っても硬く中々落ちないという状況に陥ってしまうため、オーコ1枚でアグロデッキはかなりの減速を強いられる事になる。

エルドレインの王権が食物という新システムを導入したセットでもあるので、その食物を使うカードとも単純に相性が良い。食物からマナを生み出す金のガチョウ。食物を使って無敵になり、格闘、ブロックを行える意地悪な狼などとは色も同じ緑であり相性抜群。スタンダードの定番の動きとなっている。

また食物トークンはアーティファクトでもあるため、親和や即席といったキーワード能力やデッキとの相性も良い。最高工匠卿、ウルザで青マナを生み出せるアーティファクトになりつつ構築物のパワーを上げたり、悪名高き土地であるトレイリアのアカデミーもこれによって生み出すマナが増えるなど様々なカードとのシナジーを形成している。

[+1]:アーティファクトを1つかクリーチャー1体を対象とする。それは能力をすべて失い、基本のパワーとタフネスが3/3の緑の大鹿(Elk)クリーチャーになる。

オーコの核となる能力であり、この能力がオーコをオーコたらしめているといっても過言ではない。

対象が自分相手問わず使えるため、相手の強力なクリーチャーやアーティファクトはただの3/3の鹿にしつつ、自分の使いづらくなったアーティファクトや後半に引いて無駄になったマナクリーチャーを3/3に強化したりといった使用法で優勢な盤面を盤石に、劣勢な盤面を均等化する事に長けている。

この能力が凶悪で、戦場に出た時に効果を発揮する、速攻を持っている、対象に取れないなどに該当しない限り墓地に落ちた時の能力すら無効化するため、歴代のファッティやフィニッシャーと呼ばれたクリーチャーたちはその存在を再考させられる事となってしまった。あのラスボス感漂うエムラクールですら攻撃する事が出来なければただの鹿へと変身する魔法をかけられてしまう。

そしてアーティファクトにも触れるため、ワームとぐろエンジンのような強力なアーティファクトクリーチャーはもちろん、アドバンテージを生み出し続ける剣サイクルや殴打頭蓋のような装備品、相手を強烈に妨害する虚空の杯や罠の橋のような置物ですら鹿に変えて盤面を打破する力がある。

これにより、ファッティを高速で出して来たり、アーティファクトで妨害したりするようなコンボデッキやロックデッキにメインから耐性がつくカードになっている。

これだけだと何かしらのクリーチャーかアーティファクトがないと仕事をしなさそうだが、自ら生み出す食物トークンを鹿に変える事が出来るため、この2つの能力で自己完結しているのでフィニッシャーとしての役割もこなす事が可能。そのためコントロールデッキ相手にもこれ1枚で勝ちに繋がるカードになっている。

[-5]:あなたがコントロールしているアーティファクト1つかクリーチャー1体と、対戦相手がコントロールしていてパワーが3以下のクリーチャー1体を対象とし、それらのコントロールを交換する。

自分のいらなくなったクリーチャーかアーティファクトと相手のクリーチャーを交換出来る。

自ら食物トークンを生み出せるので交換元の補充は容易で、近年は放置出来ないシステムクリーチャーが多く存在するため、それをただの食物と交換出来るのは強力。

これは下の環境に行くほど顕著になり、死儀礼のシャーマンや闇の腹心、若き紅蓮術士など自ら使用する事で自分への被害を相手に与える側にする事が可能。僧院の導師なども奪えるが、パワーを4以上まで上げられると奪えなくなるので注意。

上記3つの忠誠度能力以外にも青と緑のカードという事で最強カウンターである意志の力や否定の力、活性の力などのピッチコストで唱える呪文のコストに充てられるという強みを持っているので手札に複数枚来てもこれらのカードのコストに使えるため腐りにくい。

もしかして弱点がない?

総じてアグロデッキ、ミッドレンジデッキ、コントロールデッキ、コンボデッキ、ロックデッキと全てのアーキタイプ相手に腐らない汎用性があり、弱点らしい弱点は無さそうに見える。

が、オーコの能力は基本的に1つのクリーチャーかアーティファクトにしか触らないので複数のクリーチャーを並べるデッキにはあまり機能しない。そのため小粒のトークンを多く並べるデッキに対しては3/3にする事も無意味になり、かといって多く並ぶので鹿を作って守り切るというプランが取りにくい。特に自らを守る鹿は飛行を持たないので、飛行トークンを多く並べる相手には厳しくなる。

また3/3の鹿に変えられるとはいえクリーチャーを残してしまっている事には変わりないので、クリーチャー自体を強化されたりする事には何も手出しが出来ない。特に+1/+1カウンターによる強化を行う相手は相性が悪く、事実+1/+1カウンターが乗っているクリーチャーには3/3の鹿に変えたところで+1/+1カウンターが残ってしまうので逆に強化してしまう結果を招いてしまう。

王冠泥棒の現状と今後

スタンダード、モダン、レガシー、ヴィンテージとあらゆるフォーマットで使用され、新フォーマットとして制定されたパイオニアでも存在感を示しており、統率者戦でも統率者自体を鹿にして動きを無くせるため、色が合えば使用されうる力を持っている。

その力の存在は発売後から一気に広がりを見せ、対抗馬となる死者の原野が禁止された後に日本で行われたグランプリ名古屋2019(使用フォーマット:スタンダード)ではトップ8中7名がオーコを4枚採用するフードデッキというデッキを使用するという結果となった。

また、ミシックチャンピオンシップⅥ(使用フォーマット:スタンダード)では全体の70%以上がオーコを採用しており、このカードの影響度合いを示している。この数字は歴代のスタンダードを支配したデッキタイプ達の中でも群を抜いて高い数字である。

能力の内容に違いはあれど、この実績と各フォーマットへの影響度、支配率から史上最強のプレインズウォーカーと名高い精神を刻む者、ジェイスを超えたと考えるプレイヤーも存在している。事実、その採用度と人気から価格の方も発売からすぐに上がり、一気に8000円前後まで跳ね上がった。

しかし、2019年11月5日にMTGアリーナ上でブロールと呼ばれるスタンダード専用の統率者戦フォーマットにおいて禁止カードに指定されてしまった。

他にも地元大会でその大会中のみ禁止カードに指定されてしまったりと、あまりの支配度故に今後禁止になる可能性を恐れて売りに出したプレイヤーも一定数いるようで、価格面ではあまり安定せず、高騰と下落を繰り返していたりする。

シンデレラの登場するおとぎ話の世界観から自らがシンデレラとなったオーコ。彼の未来はハッピーエンドなのか、はたまたバッドエンドなのか。今後の公式からの彼への対応が注目される。

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関連項目

  • マジック:ザ・ギャザリング
  • プレインズウォーカー
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