民主党(アメリカ) 単語


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ミンシュトウ

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民主党
みんしゅとう - 
Democratic Party
基本情報
公用語名称 Democratic Party
国・地域 アメリカ合衆国
本部所在地 ワシントンD.C.
成立年月日 1828年
国際組織 民主主義者連盟
シンボル 青、ロバ
Twitter the Democrats

民主党Democratic Party)とは、アメリカ合衆国の政党である。
 

概要

民主党は共和党(アメリカ)とともに二大政党制を構成している。共和党と比べるとリベラルな政治的立場である。

自由主義者、労働組合、人権・環境団体、黒人、高学歴のインテリ、高収入のハリウッド俳優たちを支持基盤としている。
  

主な支持者

リベラルの党なので、リベラル思想に傾倒しやすい人々が支持者となる傾向にある。

ニューヨーク、シカゴ、ワシントンD.C.、ロサンゼルスといった大都市の住民はリベラル寄りなので、民主党支持者が多い。

高額所得者はリベラル寄りになりやすい、というのは洋の東西を問わない。大都市で経済的に成功を収めた富豪が民主党支持を公言することが多く見られる。

ハリウッド俳優たちは、高額所得者だからか、民主党支持者が多い。ハリウッド界隈で共和党支持を公言すると冷たい目線で見られるという。

ならば俳優が政治家に転身する時はもちろん民主党から出馬する……かと思いきやそうでもなく、むしろ「共和党で選挙に出て民主党寄りの票も集める」というのが成功パターンのようである。映画俳優組合委員長から政界入りして大統領まで上り詰めたロナルド・レーガンは政治家のキャリアを一貫して共和党で送っているが、民主党支持層からの人気も高く、政策への批判やスキャンダルなどがあってもレーガン個人の支持率は高いままであることから、民主党議員はあきれ交じりに「テフロン・プレジデント」(テフロン加工のフライパンのように汚れがすぐ落ちる、の意)と呼んだ。『コマンドー』でニコニコでも人気者のアーノルド・シュワルツェネッガーも政治家としては(環境やジェンダー関連の政策がリベラル寄りとは言われたが)共和党であり、民主党の地盤とされているカリフォルニア州で知事を2期務め上げた。

高学歴のインテリはリベラルに傾くことが多い。北東部のマサチューセッツ州は名門大学が多く集まっており、民主党支持者の密集地帯である。

マスコミ産業はリベラルに傾くことが多い。CNN、CBS、NBC、ABCといったテレビ局や、ニューヨークタイムズ、ワシントンポストといった新聞社は、わりと露骨に民主党を支持する。共和党支持を表明する傾向があるのはテレビ局ならFOX、新聞社ならウォールストリート・ジャーナルと言ったところだが、やはり少数派である。

かつての民主党は労働組合からの支持が厚く、労働者のための政党だった。そのため、五大湖周辺の製造業企業が密集するあたりは民主党の票田だった。ところが、ビル・クリントン政権のころから民主党は自由貿易を推進し始め、1994年1月にNAFTA(北米自由貿易協定)が発効した。すると米国の製造業は、メキシコから流入する低価格の外国製品に太刀打ちできなくなり、五大湖周辺の工業地帯の製造業企業が次々と倒産に追いこまれ、そのあたりがラストベルト(Rust belt 錆び付いた一帯)と呼ばれるようになった。2016年の大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプが五大湖周辺のラストベルトで勝利を収め、労働者の票を民主党から奪い取る形となった。
 

シンボル

イメージカラーは青色。2000年アメリカ合衆国大統領選挙の際、テレビ全国ネットワークの報道番組において共和党候補が勝った州を赤に塗り、民主党候補が勝った州を青に塗った。ここから、民主党のイメージカラーが青になった。

アメリカ合衆国大統領選挙において民主党を支持する傾向が強い州を「青い州」と呼ぶ。


ロバがマスコット・キャラ(画像)。民主党所属のアンドリュー・ジャクソンは、1829年に第7代大統領に就任した。1828年の選挙戦の際、対立候補が、ジャクソン(Jackson)候補のことをジャッカス(jackass)と馬鹿にした。jackassとは「ロバ」という意味で「マヌケ」「ノロマ」という意味を持つ蔑称である。するとジャクソンはそれを逆手にとり、jackassという蔑称を名乗り始め、ロバを自らの象徴にした。大統領になったジャクソンはjackassと自称するのを止めたが、ジャクソンが大統領を退任してから30年ほど経った後に、風刺漫画家のトーマス・ナストがジャクソン大統領の逸話を知り、新聞で民主党をロバとして描くようになった。民主党がロバをマスコットキャラにし始めたのはこれがきっかけとされる。



ちなみに、蔑称を与えられて馬鹿にされるとその蔑称を面白がって名乗り始める、というのはアメリカ合衆国だけでなく英語圏で広く見られる笑いの取り方である。

古い例だと、16世紀イギリスの改革派キリスト教徒が「お前らはpure(純真すぎて馬鹿正直のアホ)だ」と言われたら、その人達は「だったら我々はpureな人達という意味でPuritanと名乗ろうじゃないか」と言い出した。このPuritanが起こしたのが「ピューリタン革命(清教徒革命)」である。

最近の例だと、2016年アメリカ合衆国大統領選挙でヒラリー・クリントンがスピーチで「トランプ陣営の半分は嘆かわしい人たち(Basket of Deplorables)だ」と罵ったら、トランプ陣営が「我々は嘆かわしい人たちだ!」と言い始め、選挙のスローガンに採用してしまった。Deplorablesで画像検索してみるとトランプ陣営の画像ばかり出てくるし、Tシャツも作っている。
 

政策

民主党の党員が総じて支持する政策と、民主党の党員の間でもはっきりと好き嫌いが分かれる政策がある。
 

リベラル政策を皆が好む

銃規制強化、移民の受け入れ拡大、環境保護の推進、妊娠中絶の肯定、性的マイノリティ(LGBT)の保護、といったリベラル寄りの政策は、党員に広く支持される傾向がある。

大統領選挙の民主党候補指名争いにおいて、ほとんどの候補が異口同音にリベラル政策を主張する。

アメリカ国内には福音派というキリスト教団体がある。最大派閥のプロテスタントには及ばないが、全米の宗教人口の4分の1程度を占めるとされる。福音派は聖書の記述を忠実に守ろうとする傾向が強く、そのため、妊娠中絶や性的マイノリティ(LGBT)へ厳しい態度で臨む。

旧約聖書の一番最初には創世記がある。そこでは、絶対神が生命を創るシーンが描写され、さらには絶対神が生物に対して「産めよ、増えよ、地に満ちよ」と命ずるシーンが描写される。このため、敬虔なキリスト教徒は、生殖や生命誕生を「神に命じられた神聖な現象」と感じる傾向があり、妊娠中絶や生殖を否定する性的マイノリティ(LGBT)を「神の御命令を無視していて、とんでもない」と感じる傾向にある。

民主党は、福音派とは一線を画しているので、妊娠中絶肯定や性的マイノリティ(LGBT)の保護を主張することができる。
 

積極財政派

民主党の中には積極財政を主張するグループがいる。国民皆保険や大学無償化といった政策は、なかなか巨額の政府支出を必要とするのだが、「全国民を健康にしたり大学進学者の数を増やしたりすることは国家にとって多大な利益となる」と述べ、政府支出を増やしてでも実現すべきだと論ずる。

積極財政派は、下記の穏健派・中道派から「財源はどうするのだ」と突っ込まれることが多い。その際は、「大企業や富裕層からの徴税を強化する。つまり累進課税を強化する」と返答することにしているようである。実際には、累進課税強化だけでは足らないので、国債発行を財源にするものと思われる。

また、積極財政派は、反・グローバリズムを掲げ、新自由主義に反対し、デフレと低賃金をもたらす自由貿易を敵視し、最低賃金の引き上げなどの労働規制の強化を主張する。大企業や富裕層への課税を強化し、格差の縮小を目指し、大企業の解体を主張することがある。

市場原理主義(市場に任せれば全てが上手くいくという思想)とは一線を画し、反・ウォール街とか反・エリートという旗印を掲げる傾向にある。2007年のサブプライムローン問題や2008年のリーマンショックの原因は、格付け会社がサブプライムローンの組み込まれた金融商品に高い評価を与え、その格付けに市場関係者たちが乗っかったことが直接の原因である。このため、市場関係者を疑いの目で見る風潮が強くなったのだが、そうした風潮の中心に立つ。

大企業への規制を強化することに熱心なので、大企業からの政治献金が少なく、小規模献金を数多く集めるというやりかたで選挙戦を乗り切ることになる。

こうした諸政策は、バーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンが主張している。バーニー・サンダースは民主社会主義者と自称しており、1970年代頃の労働組合の気質を引き継ぐタイプの政治家とされる。

積極財政派を敵視する勢力からは「共産主義者」「極左」「革新的すぎる」と評価されることになる。
 

穏健派・中道派

民主党の中には穏健派・中道派を自称するグループがある。こちらは、財政支出を少なめにして、政府支出の各部分を削り、「小さな政府」を目指す傾向にある。国民皆保険や大学無償化といった巨額の政府支出を必要とする政策は無視し、個人個人の自助努力に任せようとする傾向がある。

穏健派・中道派は、「小さな政府」を首肯するので、グローバリズムや新自由主義や自然と肯定するようになる。規制緩和し、自由貿易を促進し、大企業の出現を促進し、格差拡大を容認する。

市場原理主義を愛し、ウォール街への規制を緩和し、大企業の解体には反対する。

大企業からの巨額な政治献金がどさっと流れ込む傾向にある。豊富な資金力を背景に選挙戦を乗り切ることになる。

こうした諸政策を主張するのは、ビル・クリントン、ヒラリー・クリントン、バラク・オバマ、ジョー・バイデンといったあたりである。ビル・クリントンの財政支出削減は非常に有名であるし、バラク・オバマとジョー・バイデンはTPPと自由貿易を推進した。

穏健派・中道派を敵視する勢力からは「弱者を見捨てて格差拡大を容認する」と評価されることになる。
 

まとめ

共和党との違いを表にすると以下のようになる。

民主党 共和党
銃規制 強化 反対
移民 受け入れ 受け入れない
環境保護 極めて熱心 石油企業に配慮し、ほどほどにしておく
保守的キリスト教団体(福音派)の支持 当てにしない 当てにする
妊娠中絶 肯定 「聖書の教えに反するじゃないか」と否定的
性的マイノリティ(LGBT)

 
 
民主党内の積極財政派と穏健派・中道派の違いを表にすると以下のようになる。

積極財政派 穏健派・中道派
政府支出 大きな政府を首肯し、政府支出を拡大し、国民皆保険や大学無償化を目指す 小さな政府を首肯し、政府支出を切り詰める
経済政策 反・グローバリズム、反・新自由主義。自由貿易はデフレと低賃金化をもたらすとして反対し、保護主義に傾倒 グローバリズムと新自由主義に傾倒。自由貿易の拡大を目指す
大企業や富裕層 累進課税の強化。富裕層や大企業への課税を強化。選挙の際にはそうした人たちからの巨額献金を受け取らず、少額献金を多くかき集め、庶民寄りの態度を示す 累進課税を緩和し、大企業や富裕層の出現を促進する。選挙の際にはそうした存在からの巨額献金が舞い込む
格差 格差縮小を目指す 格差拡大を容認する
市場 反・ウォール街であり、反・エリート主義。市場には規制を敷いて課税すべきである 市場への規制緩和を容認する
敵対陣営からの批判 「共産主義」「社会主義」「極左」「革新的すぎる」「放漫財政」 「弱者見殺し」
主な政治家 バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン ジョー・バイデン、ピート・ブティジェッジ

 

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