蒼きウルとは、2022年までに公開を目指しているアニメ映画である。構想から30年が経過しているが、未だ完成されていない幻の作品となっている。
1987年に公開された「王立宇宙軍」の続編にあたる。1990年代にガイナックスの山賀博之を中心に企画され、監督は庵野秀明で制作が進められていた。しかし製作費が数十億円必要となり、そのための資金集めが難航し頓挫。前作の「王立宇宙軍」も赤字で会社の存続が危ぶまれた経緯もあり、企画は完全に凍結された。なお、この時集められたスタッフは「新世紀エヴァンゲリオン」にスライドされている。
「新世紀エヴァンゲリオン」が終了した1997年に活動が再開されたが、監督を務めるはずだった庵野秀明が辞退(庵野は興味がなくなったうえ、この時うつ病にかかりとてもじゃないが制作に関われる状況ではなかった)。代わりに山賀が監督を務め、1998年にはCD-ROMによるデータ集「蒼きウル 凍結資料集」、2000年にはPCゲームとして「蒼きウル コンバットフライトシミュレータ プレーン&ミッションモジュール」が発売された。しかし肝心のアニメは制作されないまま、いつしか忘れられる存在となってしまった。
PCゲームの制作から13年後の2013年、ガイナックスは「東京国際アニメフェア2013」でイメージポスターを公開し、製作再開を発表。監督は山賀が続投し、キャラクターデザインを貞本義行が担当。2014年にパイロットフィルム、2018年に世界同時公開を目指し制作がすすめられることになった・・・が、肝心のガイナックスが2011年以降経営難の状況で、2016年には貸付金の支払いを求め提訴される事態となり、本作品もパイロットフィルム公開の延期以降音沙汰がなくなり、三たび凍結されることになった。
その後2018年にガイナックスから独立したガイナが制作を引き継ぎ、2022年までに公開すると発表した。しかしこの時の資料は庵野の頃のもので、さらにガイナックスが庵野に無断でガイナに資料を売却したことがわかり、庵野がガイナックスから独立し設立したスタジオカラーがその資料を奪還し、アニメ特撮アーカイブ機構の管理下に置かれた。さらに2021年には、この売却取引を詐害行為として取消を求める訴訟を起こしている。これにより元々の資料を無断使用することができなくなり、公開年としている2022年時点でホームページの公開すらされていない状況で、制作中止になった可能性が高い。
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最終更新:2024/05/06(月) 08:00
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