衛府の七忍 単語


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平穏なる常世国に背を向けて “まつろわぬ民” を守護る為

血腥き乱世に蘇りし超常の刃 それが怨身忍者!!


衛府の七忍とは、チャンピオンREDにて連載中の漫画作品である。作者は若先生こと山口貴由。

概要

元和元年、豊臣家を滅ぼし治国平天下大君となった徳川家康は、豊臣にまつわる人々を女子供の区別なく粛清した。自らの地盤を着々と盤石なものへと変えていった徳川であったが、未だ多くの者は落人として逃げ延び、生き永らえていた。
反乱分子の芽が育つことを危惧した家康は覇府の印を発行。それを所持した者はどのような身分であろうとも豊臣所縁の者を惨殺し得る大義名分を与えられた。そして、徳川のご威光を笠に着た輩の手により、その意に従わぬ民たちが駆逐されていく。
あまりの横暴、あまりの殺戮。しかし今、その威光に刃向かう七つの影、衛府の刃こと怨身忍者が立ち上がる――というお話。

テーマ性が強く、シリアスな空気の多かったシグルイやエクゾスカル零とは打って変わってエンタメ色の強い仕上がりとなっている。覚悟のススメの頃の雰囲気に近く、ギャグもまた前二作よりも更に増しているのでわりと気楽に読める。シグルイから入った読者の中には「喰われる感半端ない」「テヘペロでやんす」などの台詞に驚愕した者もいるのではないだろうか。
一方で、封建時代独特の理不尽やその象徴たる「民平」の存在、全身の皮を引き剥いだり金玉だけをぶっこ抜いたりする必殺技など、精神的・肉体的を問わずに描かれる“残酷さ”も健在。その濃度はこれまでの作品と何ら遜色はなく、正に若先生の御作と言える一品である。

登場人物

怨身忍者とその関係者

登場人物についてはスターシステムを採用しており、全員ではないものの作者の過去作にまつわるキャラクターが数多く登場する。特に主要人物たる七忍はエクゾスカル零における正義失格者と同じ名前を持ち、怨身忍者としての名称もそれぞれの強化外骨格と対応している。また「葉隠」や「怨身」など、前作と同じ用語が出てきているが関連性は不明。
デザインについては単に類似性を楽しむだけでなく、そのキャラクターが前作にてどのような活躍をしていたかを知っていると、また違った見方や感慨が湧くこと必須である。

  • 葉隠谷のカクゴ
    大和民族に追われ、山に隠れ住むようになった化外の民の末裔。かつての強化外骨格着装者たちと同じ名を持つが、かの二人とは違いぶっきらぼうで野生児めいた性格付けをされている。ぶっちゃけヤンキー。とはいえ根は優しく他者を思いやれる少年であり、理不尽に対する怒りも強い。
    徳川の侍に谷の仲間を鏖殺され、自身もまた仇討ちの最中に命を落とす。しかし、今際の際に現れた謎の“龍”と契約。蘇ったカクゴは摩骸神変し、第一の怨身忍者零鬼となった。
  • 兵藤伊織
    真田家の家臣である兵藤家の娘。追手から身を隠すため葉隠谷に向かう途中カクゴと出会う。残党狩りを退けた後、怨身忍者と化したカクゴと共に徳川を打ち倒す決意を固めた。
    武士の娘らしく、誇り高い性格で気性も荒い。が、たまに出るデフォルメ顔が妙にかわいい。可愛さ半端ない。

  • 忘八の憐
    備中の動地一家に所属するヤクザ者。自身を仁義礼智忠信孝悌をドブに捨てた忘八と嘯くが、実際は男気溢れる兄貴であり、真剣に湯女宿と女たちを守っている。天を衝く巨体と二十八人力を謳われる怪力を宿し、剣士との戦いの際にも道具を用いない頑強さを有する。本当にちんこでかい。
    高松城主による残党狩りの折り、罠に嵌められ釜茹での刑に処される。身体が爆ぜきる寸前に龍と契約し、怨身忍者震鬼と化した。
  • 銀狐
    動地一家の湯女宿に転がり込んできたゲロまぶな女。憐に見初められ契りを交わし、共に湯女宿を盛り上げていくようになる。
    その正体は大阪城奥御殿女中九尾組の一人であり、残党狩りに追われる女であった。くノ一としての実力は本物であり、怪人と化した刺客を退けるほど。しかし戦闘後の隙を突かれ、吉備津彦の矢により体を石へと変えられてしまった。

  • 初夜ノ森の六花
    飛州錫杖岳に住まうまつろわぬ民最後の末裔。大食いで元気いっぱいな少女。外界に憧れ人里に降りてきたが、権九郎との出会いを経て里には化外の者の居場所が無いことを思い知る。大相撲の観戦後は彼を伴って山へと戻った。
    当初は二人きりで平和に暮らしていたが、権九郎を追ってきた残党狩りこと白怒火典膳が撒き散らした鴆の毒により、権九郎や山々の自然と共に自身も落命する。しかしその直後、周囲の木々を取り込み怨身忍者雪鬼へと覚醒、典膳を生きた骸骨へと変え仇を取った。
  • 深見権九郎
    背中に阿修羅の姿をした火傷を背負う大男。その膂力は身の丈もある灯籠を持ち上げるほど。人里にて立花と出会い意気投合する。
    阿修羅丸という四股名で大相撲に参戦し、幕府方の力士(を象った人間兵器)を打ち倒したため典膳に目を付けられる。立花と共に山で暮らしていた所を襲撃され、奮戦虚しくも斃れることとなった。

  • 現人鬼・波裸羅
    怨身忍者霞鬼(げき)へと変身するお方。他の忍者と違い生まれながらの怨身忍者という怪物であり、その強さと美しさは他の追随を許さない。生まれた時代と作品は変われどもそのご活躍は色褪せず、「仏像の中から出現する」「ちんちんで敵を切断する」「仏道を敗北させる」とやりたい放題をなさっている。お美事にございまする。
    おぞましき人草への憤怒も健在。本作ではなんと徳川方につき、覇府の剣として他の怨身忍者を付け狙うが……?

  • 猛丸(タケル)
    琉球の奥地、九十九城(ツクモグスク)に住まう獅子(シーサー)の入れ墨を施した少年。元は奴隷身分。波裸羅様と同じく生まれついての怨身忍者霹鬼(ヒャッキー)であるが、ニライカナイに繋がる洞窟に入らなければ変身できない。
    大阪城を落ち延びた豊臣家一行と出会い彼らを村に匿うが、大将の豊臣秀頼は琉球の化外者に恩を感じることもなく、猛丸は秀頼と島津武士達によって戯れに惨殺されてしまう。 変わり果てた猛丸の死骸の前に一人の大和の侍が駆け付け、憤慨する。“運命の兄弟”と予言された豊臣家の若侍、犬養幻乃介であった。 
  • 犬養幻乃介
    豊臣家馬廻役の隻腕の武士。(雑誌掲載時にはシグルイの主人公と同じ“源之助”と記載されていた)
    家臣としての責務から豊臣秀頼を守り続けるが、主君秀頼の性格上、匿った村人達は証拠隠滅に皆殺しにされるだろうと察していた。
    幻乃介は村人の助命を試みるが、それが逆効果となり猛丸は無残な最期を遂げる。
    “身分の檻”に絶望した幻乃介は猛丸の仇である島津武士を主君の目の前で殺害し、侍の身分を捨てると宣言。その瞬間、猛丸の亡骸が超常の力で幻乃介の肉体と交じり合う。怨身融合を遂げた二人は二魂一体の戦士霹鬼となって身分の檻をなくすべく大和の国へと旅立った。

 江戸幕府

  • 治国平天下大君徳川家康
    言わずと知れた江戸幕府初代征夷大将軍。覇府の印や民兵の動員により、着々と日本の絶対支配を推し進めている。怨身忍者の覚醒を「衛府より飛来する七つの凶星」という悪夢により察知。、この事態は家康所用巨具足“金陀美”を着装うほどの大国難になるであろうと予期しており、既に老境に入った身でありながらも再び鎧をその身に着装い迎え撃つ覚悟を固めている。
    ちなみ金陀美は桶狭間合戦で用いられた代物であり、身に付ければ大男の身の丈十倍ほどの巨躯と化す鎧というかロボットとなっている。有事の際にはライディーンさながらに、左右に分かれた駿府城の天守閣から発進するらしい。
  • 孝霊天皇皇子大吉備津彦命
    温羅征伐の軍神にして、日本一の桃太郎その人。数百年も昔の人物でありながら未だに若々しい姿を保って現れた。これは「その時代の支配者に逆らう者を粛清する」ことを条件に不老長寿を得ているため。現在は家康に協力し、残党狩りを行っている。
    紅雉・毬犬・串猿という、桃太郎おなじみ三匹のお供をモチーフにした獰猛な女性たちを付き従えている。本人もまた高い戦闘力を誇り、大の大人を片手で振り回すほどの膂力を持つほか、血を流さずに身体を切断できる御伽仕立瘤取剣や射抜いた獲物を石へと変質させる魔弓石女矢など、昔話や神話にまつわる武具を使いこなす。

豊臣家

  • 豊臣秀頼
    言わずと知れた大阪城主であるが……
    流石は若先生というべきか。大河ドラマ『真田丸』も佳境に入った頃を狙ったかのように現れたのは、これまでの秀頼イメージを爆砕せしめる程の超絶暗君であった。
    スレでは困惑の声と「藤木はまた上司に恵まれないのか……」との同情が絶えなかったそうな。悪行の数々が祟ってか、最終的に薩摩のゆるキャラとなって余生を過ごすハメに。

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関連項目

  • チャンピオンRED
  • 覚悟のススメ
  • エクゾスカル零
  • シグルイ
  • 漫画作品一覧
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