エベンス (Evens)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV. 池水通洋(石黒監督版OVA)、石井康嗣(Die Neue These)。
概要
自由惑星同盟の軍人。階級は大佐。救国軍事会議のメンバーであり、経済統制の担当者であった。
理想先行の理論家肌の人間であり、救国軍事会議の首都星ハイネセン支配を万全なものとするため、通信・運輸・流通の統制を敷いたはよいが、あまりにも統制と管理が強すぎたために経済破綻を招きかけた。流石に放置しては置けないと調査に乗り出し、拝金主義者と蔑んでいるフェザーン商人からも意見をきいたりはしたが、その解決法が救国軍事会議の支配を維持する上で無理なものであったため、悪徳商人の逮捕と軍の物資放出というガス抜きを行っただけで根本的解決をはからなかった。
強い信念を持つ一方で、自分の理論を否定されると脆く感情的になる一面があり、望んでいない解決策を提示してくるフェザーン人を怒鳴りつけ、さらに皮肉を言われるとブラスターに手をかけかけたが、これは流石に自重した(ただし道原版漫画では自重せずにブラスターをかまえて脅した)。またアルテミスの首飾りが全滅し、救国軍事会議のメンバーが意気消沈する中でも彼は諦めず、ハイネセン市民10億人、軍高官・政治家の生命を人質として事態の打開をはかるべきと主張した。しかし、グリーンヒルに諭され、ようやく諦めた。
その後、救国軍事会議議長代行としてヤン・ウェンリーへの降伏処理を行ったが、その際にヤンと問答を行っている。その際、彼は自己の誤りをかたくなに認めることはなかったが、同盟を救う手立てが他にあったのかという趣旨のことも言っており、主観的には純粋に祖国を守りたかったのが動機であることをうかがわせた。その後の動向は不明瞭だが、直後の事後処理では死者に数えられており、死亡は確定している。
のちの描写によると元々サンドル・アラルコンと同じく同盟軍内において過激な軍隊至上主義者として知られていたそうだが、アラルコンとの個人的関係が険悪だったために彼が救国軍事会議に参加することはなかったという。また思想面においてもアラルコンほど過激ではなかったそうで、それも対立要因だったのかもしれない。
石黒版OVA
原作と同じく救国軍事会議のメンバー。情報部長のくせに事あるごとに動揺しすぎで頼りにならないブロンズ中将のせいでグリーンヒル大将に次ぐ救国軍事会議のNo.2として存在感を示し、原作では壮年の軍人という描写のみで、だれだかわからなかったクーデター宣言の全国放送のアナウンスもエベンスが行っている。
原作以上に信念の人にして愛国者という側面が強調されているのか、不測の事態であっても動じることは少なく、あっても一瞬であり、やや視野狭窄ながら精神的骨格がたくましい人物として描写されており、降伏の際、ヤンに同盟の未来を託す旨のセリフが追加されている。
Die Neue These
登場するが、かなり陰が薄い。というのも、ブロンズ中将が救国軍事会議のNo.2としての存在感を発揮する一方、経済対策の件が省略され、アレクサンドル・ビュコックの幕僚として配置されたオリキャラのガティ中尉が救国軍事会議派として活動し、ビュコックに銃を向けながら救国軍事会議の大義を語ってしまうため、出番がクーデター終盤程度しかないためである。
関連項目
- ドワイト・グリーンヒル - 上官。救国軍事会議議長。
- ブロンズ - 情報部長。救国軍事会議の同志。
- ルグランジュ - 第11艦隊司令官。救国軍事会議の同志。
- クリスチアン - 救国軍事会議の同志。
- ベイ - トリューニヒトのスパイだが、グリーンヒル同様気づいてなかった。
- アーサー・リンチ - 救国軍事会議の大義を汚すと彼の屍体を完全に処理するよう命じた。
- ヤン・ウェンリー - 最後の会話相手。彼に最後まで救国軍事会議の正義を説いた。
- フレデリカ・グリーンヒル - 降伏時の通信で彼女の姿を確認した時、後ろめたさから思わずたじろいだ。
- サンドル・アラルコン - 同じ軍隊至上主義者なのだが、かなり険悪な関係だった。
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