チョウカイライジンは1993年生まれの日本の元競走馬、種牡馬。
父ダンシングブレーヴ、母マックスビューティ。
概要
日本での最初の種付けとなる1992年時点では、競走成績最高、種牡馬としては未知数という状態。その中で集まった繁殖牝馬の中でマックスビューティは最良だった(他の有力な繁殖牝馬はエイシンサニー 、サマンサトウショウあたり)。
母マックスビューティは1987年に桜花賞、オークスの2冠を制し、エリザベス女王杯ではタレンティドガールに敗れ牝馬3冠はならなかったが、当時の牝馬としてはメジロラモーヌに次ぐ競走成績で繁殖成績にも期待がかけられていた。
1993年5月15日、浦河の酒井牧場でマックスビューティの4番仔となる牡駒が生まれた。
この血統名マックスビューティの93という牡馬はセリに上市されるが、この時には種牡馬ダンシングブレーヴの評価は種付け時とは一変していた。
1993年にコマンダーインチーフが英愛ダービーを制すなどこの世代の39頭中8頭がステークスウィナーになり、その年のサイアーランキングで2位につけた。
ダンシングブレーヴの日本初年度産駒の中で母マックスビューティという血統は注目と期待を集めた。
落札したのは新田嘉一。養豚の平田牧場で財を成し1991年のディアヌ賞 (フランスオークス)をCaerlinaで制していた。
紆余曲折の末、チョウカイライジンで馬名登録され美浦・中野隆良厩舎に入厩する。
マックスビューティの仔が、当時の最強牝馬ホクトベガ、ヒシアマゾンを擁する中野厩舎に、
それもヒシアマゾンとエリザベス女王杯で大接戦を演じたオークス馬チョウカイキャロルの新田オーナーの馬というのはなんとも興味深い。
チョウカイライジンの雄大な馬体は評価も高かったが、反面仕上がりは遅れた。
デビューしたのは1996年6月30日。ダービーが終わり、札幌では次の世代がデビューしていた。
中山ダート1800mの未勝利戦。経験馬を相手に1番人気に推され、横山典弘を鞍上にホクトベガのような圧勝劇を期待されたが、結果は勝ち馬から5秒近く離された9着。
それでも、2戦目となる同じ中山ダート1800mのレースでは逃げ切って2着に6馬身、1秒差の圧勝。
500万下クラスを2戦目で勝ち上がり、900万下クラスは3着、3着、1着で突破。
このあとは1年ほど足踏みを余儀なくされるが1998年3月に降級後の900万下と4月に1600万下を連勝。
1998年4月と言えばクラシック戦線の中心にキングヘイローがいた。
父ダンシングブレーヴ、母グッバイヘイローという超良血馬が期待に応え皐月賞では2着に入っていた。
血統では和製キングヘイロー(そもそもキングヘイローは内国産だが)とも言えるチョウカイライジンは華やかな舞台に立つこともなく、依然として準オープンクラスに出走可能な条件馬だった。
チョウカイライジンは1998年の後半は休養し12月に戦線復帰。準オープンクラスで出走を重ね、1999年6月に勝ち上がりオープン馬となる。オープンクラス初戦の神無月Sも勝って連勝。
次走は富士ステークス。23戦目にして初の芝、初の重賞、初の1400mという7歳馬に10番人気の評価は妥当なところ。
レースでは後方追走から上がり3ハロン35秒4の末脚で6着に食い込む。2着ブロードアピールからは0.3秒差。
このあと芝のオープン特別を2戦するが9着、14着。
ダートに戻ってマーチS5着、アンタレスステークス4着の後、オープン特別のオアシスS1着。
その後、重賞とオープン特別を8戦し入着賞金と諸手当を稼いだ。
最終的に1億7千万円余りの賞金と別枠の諸手当を馬主以下関係者にもたらした。
引退後、種牡馬となり2004年産の3頭が登録されているが、血筋は途絶えている。
キングヘイローは芝中長距離ではG1に手が届かなかったが、高松宮記念を制し種牡馬としてもG1馬を輩出している。
チョウカイライジンのダンシングブレーヴとマックスビューティの血を引く雄大な馬体は、ダート1800mが最適だったのか、脚への負担を考えればダートしかなかったのか、富士ステークスで垣間見えた可能性は、そんなことを考えさせられる。
結局のところ、競走馬チョウカイライジンは高額で落札されたが、馬主に損はさせなかったという程度の馬である。
そして「有名馬と紛らわしい名前として却下された例」のチョウカイテイオーの名で記憶に残る。
血統表
*ダンシングブレーヴ Dancing Brave 1983 鹿毛 |
Lyphard 1969 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Goofed | Court Martial | ||
Barra | |||
Navajo Princess 1974 鹿毛 |
Drone | Sir Gaylord | |
Cap and Bells | |||
Olmec | Pago Pago | ||
Chocolate Beau | |||
マックスビューティ 1984 鹿毛 FNo.14-f |
*ブレイヴェストローマン 1972 鹿毛 |
Never Bend | Nasrullah |
Lalun | |||
Roman Song | Roman | ||
Quiz Song | |||
フジタカレディ 1978 芦毛 |
*バーバー | Princely Gift | |
Desert Girl | |||
フジタカジョウ | *パーソロン | ||
オートトップ | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Nasrullah 4×5(9.38%)、Nearco 5×5(6.25%)
関連項目
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