デルタブルース(Delta Blues)とは、2001年生の日本の元競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2004年:菊花賞(GI)
2005年:ステイヤーズステークス(GII)
2006年:メルボルンカップ(G1)
2004年JRA賞最優秀父内国産馬
2006/2007年豪州最優秀ステイヤー
概要
父ダンスインザダーク、母ディクシースプラッシュ、母父Dixieland Bandという血統。牝系はダンシングブレーヴと同じなのだが、近親には活躍馬がほとんどおらず、はっきり言えば微妙な血統である。
2歳11月にデビューするも7着。しばらく善戦するも勝てず、ようやくの初白星は4月半ば、皐月賞前日の福島競馬場だった。ダービーに一縷の望みをかけて青葉賞に挑むも13着に終わる。この後自己条件を勝って3歳春は終了する。
夏は休養し、菊花賞へ向かうべく長距離の特別戦に挑むも5着。後がない陣営は中山遠征を決断する。目的は菊花賞に向かう条件馬がよく出てくる九十九里特別。層の薄さもあって断然人気に推され快勝。すんでのところで菊花賞に滑り込む。
この菊花賞、元々クロフネと同じ松国ローテからの秋天行く予定だったとはいえ、レースの主役と見られたキングカメハメハが故障で引退。皐月賞馬ダイワメジャーは天皇賞に行ってしまい、500万下しか勝ってない馬でもゲートインできるほどの混戦だった。当日は血統派に買われたか、8番人気と条件組にしては人気を集めると、レースでは早め先頭から押し切る強い競馬で快勝。調教師の角居克彦、鞍上の岩田康誠(当時は公営兵庫所属)に初のGIタイトルをもたらす。ジャパンカップは出遅れながら3着に善戦するが、有馬記念は5着に敗れる。しれっと最優秀父内国産馬を受賞し3歳を終える。
前年の疲労が抜けず、復帰は翌秋のアルゼンチン共和国杯。ここは5着と敗れるがステイヤーズSはスタミナにものを言わせ完勝。オリビエ・ペリエが4連覇を賭けて臨んだ有馬記念は11着と惨敗。
5歳春は阪神大賞典で3着。しかし相手は天下のディープインパクト。春天も10着と軽くひねられてしまう。ディープ相手ではどうしようもないので同僚のポップロックとオーストラリアに遠征。GIコーフィールドカップは人気薄ながら3着に善戦し、豪州競馬の頂上決戦メルボルンカップに挑む。
ところが前走7着のポップロックが3番人気でデルタブルースが7番人気という奇怪な事態。ハンデ差3kgを差し引いても不思議だが、どうやらポップロックに騎乗する当地の名手ダミアン・オリヴァーがポップロックを絶賛したためらしい。しかし本番は欧州最強ステイヤーイェーツを切り捨て、追いすがるポップロックをアタマ差振り切り勝利。アジア馬として初のメルボルンカップ制覇を日本馬ワンツーで成し遂げた。
2023年現在でも日本馬でメルボルンカップを制したのは同馬だけであり、検疫の厳しいオーストラリア競馬の国民的レースに乗り込んで日本馬ワンツーをもぎ取った快挙はポップロック共々もう少し評価されても良いと思う。しかし当時はディープインパクト人気の最盛期に加え、同馬が凱旋門賞失格から巻き返すべくJCに挑む頃だったため話題をそちらに持っていかれたのは痛かった。
この後デルタブルースは勝ち星を挙げられないまま、2009年に引退。しかし血統や戦績の長距離臭さが嫌われて種牡馬入り出来ず、ノーザンホースパークで乗馬になることとなった。海外GIを勝った牡馬で種牡馬になれなかったのは、デルタブルースの他には地方馬のコスモバルクと心臓発作で急逝したアドマイヤラクティがいるのみである。確かにコッテコテなステイヤーだし成功の保証はなかったが、海外GIという勲章、それも日本競馬史に名を残す偉大な勲章に当時なんの敬意も向けられなかったのは残念である。
乗馬訓練を受けたデルタブルースはその後馬術競技馬に転身し、2021年まで活動。現在は蒜山高原の牧場で余生を送っている。
ちなみに2007年には有馬記念の6日後に行われた東京大賞典に出走している。この記録もデルタブルースだけである誰もやらないよ普通。なおJRAの規定では、競走馬は最低中5日の出走間隔が必要とされているのでギリギリでのラインである。無論出走管理が週間隔になっているゲームでは実現不可能。
血統表
ダンスインザダーク 1993 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ダンシングキイ 1983 鹿毛 |
Nijinsky II | Northern Dancer | |
Flaming Page | |||
Key Partner | Key to the Mint | ||
Native Partner | |||
*ディクシースプラッシュ 1988 鹿毛 FNo.3-d |
Dixieland Band 1980 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Mississippi Mud | Delta Judge | ||
Sand Buggy | |||
Ocean Jewel 1983 鹿毛 |
Alleged | Hoist the Flag | |
Princess Pout | |||
Prodice | Sir Ivor | ||
Bonnie Google |
クロス:Northern Dancer 4×3(18.75%)、Almahmoud 5×5(6.25%)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
JRA賞最優秀父内国産馬 | ||
優駿賞時代 | 1982 メジロティターン | 1983 ミスターシービー | 1984 ミスターシービー | 1985 ミホシンザン | 1986 ミホシンザン |
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JRA賞時代 | 1980年代 | 1987 ミホシンザン | 1988 タマモクロス | 1989 バンブービギン |
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1990年代 | 1990 ヤエノムテキ | 1991 トウカイテイオー | 1992 メジロパーマー | 1993 ヤマニンゼファー |1994 ネーハイシーザー | 1995 フジヤマケンザン | 1996 フラワーパーク | 1997 メジロドーベル |1998 メジロブライト | 1999 エアジハード |
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2000年代 | 2000 ダイタクヤマト | 2001 該当馬無し※1 | 2002 トウカイポイント | 2003 ヒシミラクル | 2004 デルタブルース | 2005 シーザリオ | 2006 カワカミプリンセス | 2007 ダイワスカーレット |
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※1.該当馬無しを除く最多得票馬はナリタトップロード。 | ||
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