プロタゴラス(Protagoras、紀元前490年頃~紀元前420年頃)とは、古代ギリシアの哲学者である。「ソフィスト」として知られる。
生涯
紀元前490年頃にトラキア地方のアブデラに生まれる。デモクリトスの弟子であったという。
プロタゴラスの思想
相対主義
プロタゴラスの思想は、プラトンの対話篇『プロタゴラス』『テアイテトス』より窺うことができる。
プロタゴラスは、「人間は万物の尺度である」という言葉で有名である。この言葉の意味するところは、
- ものの感じ方、考え方は人によって異なる
- 誰もが自分の感じ方、考え方を正しいと信じている。つまり、その人の正しいと信じることが、その人にとっての正しさなのである。
- したがって、普遍的に正しいと呼ばれるものは存在しない。各人が正しいと信じることが存在するだけである。
というものである。
弁論術
- 普遍的真理が存在しないということは、自分が正しいと思うことを相手にも信じさせれば、それが相手にとっての正しいことになる
- つまり、相手に自分の正しさを納得させる必要がある
- よって、相手を説得する弁論術を身につける必要がある
プロタゴラスの主張は、弁論術によって相手を説得させるソフィストの特徴をよく表している。
後世への影響
プロタゴラスは、弁論術によって相手をいいくるめる「詭弁家」だとプラトンに批判された。
しかし、プロタゴラスの主張は単なる相対主義ではなく、人間が真理を決定するという人間中心主義への転換だと評価されることもある。
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関連項目
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