ラムザイヤー慰安婦論文に対するハーバード大学の社説問題とはハーバード大学の学生自ら学問の自由を否定してしまった問題である。
概要
ラムザイヤー論文は「慰安婦は契約に基づく売春婦」という趣旨の論文である。
「ハーバード・クリムゾン」はハーバード大の学部生が運営し、印刷までする学生新聞で、マサチューセッツ州ケンブリッジ唯一の日刊紙である。
2021年3月9日の社説で「慰安婦に関するラムザイヤーの嘘はより腹黒い戯言の証(Ramseyer’s Lies on Comfort Women Signal Deeper Rot)」を発表した。
社説ではまず「完全に明らかにさせてくれ(Let’s be perfectly clear)」と啖呵を切る。
-Up to 200,000 comfort women were sexually enslaved by the Japanese Army before and during World War II. Survivors of this violence have, for decades, paid powerful witness to the atrocities they were subjected to. Even the Japanese government has repeatedly apologized for its crimes. (第二次大戦終戦までに、20万に至る慰安婦が日本軍によって性奴隷にされた。この暴力の生存者は何十年間も彼女らが受けた残虐行為の強力な証人となってきた。日本政府は繰り返しその罪を謝りさえしている。)-
これは吉田清治の著作と朝日新聞の報道を真に受けた内容である。吉田の著作はなんの検証もなく、本人が作り話と認めている。朝日新聞は取り消した上、社長が引責辞任している。
日本政府は慰安婦の身の上に同情したのであって強制連行を謝罪したのではない。
続けて「学術理論は、基本的な事実に反する場合は公表する価値がない」とする。なぜなら「ホロコーストの否定主義者の論文を擁護する人は誰もいない」と、ナチのジェノサイドと同列視してしまっている。
最終的に社説は、「編集委員会としては、学問の自由、すなわち挑戦的でデリケートな話題や、物議を醸す可能性のある意見を議論する自由を大切にしている」としながら、ラムザイヤー論文は「学問の自由の保護に値しない」と勝手に独断する。話が支離滅裂である。学問の自由はどこにいったのだろうか。
さすがにまずいと思ったのか同大学のローレンス・バカウ学長は、この件について「大学内でこのようにラムザイヤー教授が論争的な見解を表現したことも学問の自由に含まれる。論争的な見解が我々の社会の多くに不快感を与える時も同様だ」とのきわめてまっとうな趣旨を述べている。
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