「山森雅文」(やまもり まさふみ)とは、日本人初のアメリカ野球殿堂博物館入りを果たしたサーカスプレイで知られる元プロ野球選手である。1986年時のみ登録名は「山森眞幸」。愛称「ゾンビ」。
※阪急ブレーブス→オリックスブレーブス→オリックスブルーウェーブ(1979 - 1994)
概要
1960(昭和35)年11月26日生まれ。熊本県宇城市出身。右投右打。
熊本工業高に進学し、3年で迎えた夏の甲子園熊本県予選では準々決勝で、甲子園に出場した熊本工大高に敗れた。
1978年に阪急ブレーブスからドラフト4位指名されて入団し、福本豊二世を期待されて1979年よりプロ野球選手生活をスタートさせるも、入団当初から守備について高い評価を得ていたものの打撃が振るわず、プロ1年目は1軍レギュラーどころか1軍での出場機会すら得られなかった。
プロ2年目の1980年には、1軍でやっと1試合出場し1打数を記録したものの無安打に終わった。
1984年にやっと1軍に定着し、9番打者として恐怖の下位打線トリオと呼ばれ、自身初の満塁本塁打も記録した。
1986年には、102試合に出場してゴールデングラブ賞を受賞する等、課題のバッティングに比べて守備力は高いレベルを維持し、控え野手として主に活躍した。
球団が、阪急ブレーブスからオリックスブレーブス、そしてオリックスブルーウェーブへと変わり、仰木彬が監督1年目の1994年には1軍での出場を果たせず、この年限りで現役生活にピリオドをうって引退した。
通算成績 | 試合 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打率 | 打点 | 三振 | 四死球 | 盗塁 |
実働14年 | 1072 | 1209 | 289 | 43 | 11 | 33 | .239 | 134 | 194 | 89 | 25 |
現役引退後の1995年には、阪急ブレーブス時代の監督だった上田利治の元で日本ハムファイターズの一軍外野守備走塁コーチとなり、2000年には同二軍コーチを務め、2001年には仰木彬の第一次監督時代最後の年に古巣のオリックスブルーウェーブにてニ軍コーチを務めて2004年に退団した。
2007年からは千葉ロッテマリーンズのスカウト、2011年は同一軍外野守備走塁コーチ、2012年は同二軍外野守備走塁コーチを務めた。2012年オフ、西村徳文監督の辞任とともにコーチから再びスカウトに。
2018年限りでロッテを退団し、2019年からは社会人野球のJFE東日本でコーチをしている。
アメリカ殿堂入り
1981年9月16日に西宮球場で行われた阪急ブレーブス対ロッテオリオンズ11回戦の1回表、伝説に残るそのプレイはガラガラの観客の前で行われた。
ロッテの2番打者の弘田澄男が、阪急先発の山田久志から明らかにホームランの打球をレフトへ打ち返した際に、レフトを守っていた山森雅文は、打球は見ずにバットにあたった音だけで落下点を判断し、ラッキーゾーンの金網に右足をかけてた勢いで左足をフェンス上に乗せて軽快に登り、右足でバランスをとりつつ、この明らかにホームランの飛球をキャッチした。
※ちなみに、キャッチしたまま山森雅文がラッキーゾーンに落ちても、キャッチしたボールを落さなければアウトが成立する。
次の日に弘田澄男から、数少ないホームラン1つをレフトフライにされた事をいじられるぐらいで、本人も忘れていたプレイだったが、2年後の1983年、山森雅文のサーカスプレイの映像を入手したアメリカNBCが全米に放映した事で、本人の与り知らぬアメリカでこのスーパープレイが話題となり、大リーグコミッショナー事務局より、ベストファインプレー賞と、パネル写真と映像をクーパーズタウンの野球殿堂博物館に飾りる事を決め、練習の延長のようなプレイと言う認識から、
そんなプレイをしたことすらすっかり忘れていた
という状況だった山森雅文は、アメリカ野球殿堂博物館入りを果たした日本のプロ野球選手第一号となった。
※所謂「殿堂入り」ではない。
山森雅文のサーカスプレイは、現在でもアメリカ野球殿堂博物館にてパネルと映像が流されており、アメリカのテレビが放送したホームランキャッチ特集にて、メジャーリーガーのスーパープレイを抑えて1位を獲得する程の人気を博した。
フェンスが気になるといいプレーができないから、フェンスの位置を歩幅で覚えてる。
守備は誰にも負けたくないし、自信もある。
と言うプロ意識から、西宮球場だけでなく他の球場に遠征した際も練習中にフェンスの位置や高さを測っておくと準備により、フェンスまで全力疾走する事が可能な準備をしていた事がその要因の一つであると考えられる。
ゾンビ
これは、現役時代にジョージ・A・ロメロの映画「ゾンビ」を仲間達と見に行った際に、山森雅文のニキビ顔がゾンビに似ているということからつけられたものである。
珍記録
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関連項目
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