20件
戦闘のテーマI部とは、ブレイングレイのゲームソフト「ラストハルマゲドン」の楽曲のうち、物語前半の戦闘曲として使用されている楽曲およびそのアレンジの総称。
原作曲者は葉山宏治で、その後発売の移植により多数の異なるバージョンが存在している。
エモノがいたぜ
概要
1988年7月にPC-88版が発売以降、いくつかのハードにおいてリリースされてきたRPG「ラストハルマゲドン」における、物語前半の戦闘曲。FM音源の重低音を活かし、インパクトあるイントロからエネルギッシュに推移する曲調は、エンカウント時のメッセージ「獲物がいたぜ」（エモノがいたぜ）とともに当時のプレイヤーの記憶に残っている。
本作の楽曲は、それぞれのハードにおいて楽曲アレンジや書き下ろしが行われており、差異がある。これは、ハードの制約等による細部の差異を含む。
PC-88・PC-98の初期2版は葉山宏治・猪瀬勝幸によって作曲されたが、本楽曲は葉山による担当であった。PC-98版がオリジナルに近く、PC-88版はいくらか要素がオミットされているようである[1]。
一方、作曲陣の退社後に発売されているX68版・MSX2版・PCエンジンCD-ROM2版のアレンジには彼らオリジナル作曲陣が関わっておらず、クレジットもされていないため2023年現在まで編曲者不明となっている。
FM TOWNS版には戦闘のテーマI部にあたる楽曲が収録されていないほか、アドバンスコミュニケーションに外注されたファミリーコンピュータ版は楽曲も新規のものが使用された。
YouTubeに投稿された、PCエンジン版をアレンジした動画の一つ[2]には作曲者の後ろで仕事していたという人物がコメントしており、「キーボードが壊れるかと思うぐらいノリノリで曲作ってました」と証言している。
2023年にはなぜか全曲集（サウンドトラック）がリマスタリングされて再発売となっている。
ファミリーコンピュータ版
エモノがいたぜ
1990年にユタカから発売されたファミリーコンピュータ版は、アドバンスコミュニケーションで開発され全曲書き下ろしとなっており、蓮舎通治、笠井治、原田昌亮、にしやまひろやすという布陣がクレジット。
ノイズは不使用だが、矩形波2音のリード・三角波によるベースの構成によって、アップテンポでどこか怪しげなロックンロール調の楽曲に仕上げている。
サウンドトラック未発売であるため楽曲の正式名は不明で、PC版のサウンドトラックでの曲名に則って同様に呼称されている。
PCエンジンCD-ROM2版
獲物がいたぜ
さて、全移植を通して特別に評価の高いのが1990年8月発売のPCエンジンCD-ROM2版で、おそらく最も有名なバージョンである。
PCエンジンCD-ROM2ではデジタルオーディオの音声ファイルをソフトに収録してDTMによる無制限なエレクトロサウンドを奏でられるため、ハードに依存しないダイナミックなサウンドを実現できた。
結果、一部のコード進行やイントロのフレーズ以外がほとんど新録という、魔改造アレンジとなっている。金属感のあるエレクトロサウンドや高音の三味線のような音色、派手なオーケストラヒットなどまさにカオスでありながら、世界観に合致した疾走感ある和ロック的な曲調に仕上がった。
その完成度は「オーパーツ」などとゲーム音楽ファンの間で非常に高く評価され、「みんなで決めるゲーム音楽ベスト100」でも幾度となくランクインする人気を誇っている。こちらもサウンドトラック未発売であるが、PC版のサウンドトラックに則った同曲名で呼ばれている。
しかし、先述のように編曲者は一切不明。サウンドからしばしば葉山自身による編曲と混同されてきたが彼の退社後のソフトであり、本人によっても否定されている。
ニコニコでは、ゲーム実況者のキヨが自身らのラジオ「全く身にならないラジオ」内の鼻歌クイズで口ずさんだ際にも話題になっていた。
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
- *「ぬふぅ！ ラストハルマゲドンのBGMを狩るとしよう。(sm411836)
」コメント810-870番(猪瀬によるコメント。当該動画はPC-88版のサントラ動画となっており、アレンジがどのように行われたか細かく証言されている) - *【獲物がいたぜ】ラストハルマゲドン 戦闘のテーマI部 (Last Harmagedōn Battle Thema) 【medly】- さなぎまん - YouTube
- 4
- 0pt
