MOON.とは、美少女ゲームブランドTactics(タクティクス)が発売したアダルトゲームである。
MOON.の概要
オウム真理教事件の記憶もまだ生々しかった1997年11月に発売されたアダルトゲーム。キャッチコピーに「商業ゲームのタブーに挑む」と題された野心的な作品。
長い間、傍に居なかった母が帰ってきた。 宗教集団FARGOの隔離施設へ行ったきり、永らく逢う事が無かった母が帰ってきた。 母との幸せな生活がおくれると思った矢先、母が謎の死を遂げる。何故母は死んだのか。 彼女が最後にいた宗団の施設で、いったい何が行われていたのか。 母の怪死の理由を突き止めるべく、天沢郁未は単身、FARGOの隔離施設へと向かう。そして、その中で出会う2人の仲間。 固い信念を持ち、義兄を連れ戻しに施設に入った少女、巳間晴香。 無邪気な笑顔の裏に陰惨な過去を秘めていた少女、名倉由依。徐々に真実に近づくにつれて、明らかになる『不可視の力』の存在。 繰り返される悲劇。過酷な現実。先にある「真実」とは、果たして何か。 そして、彼女達の運命は……?
この作品を開発したタクティクスは、次に『ONE ~輝く季節へ~』を制作。同作の完成後、タクティクスのプロデューサーYET11を除いた殆どのスタッフが株式会社ビジュアルアーツに移籍し、新ブランドKeyを立ち上げた。keyの設立メンバーである、樋上いたる、みらくる☆みきぽん、しのり~、麻枝准、久弥直樹、折戸伸治らは、keyで『Kanon』を制作し同作は爆発的なヒットとなった。本作はkeyのルーツとなつた作品だといえる。
なお『MOON.』は、Keyの十八番である泣きゲーの範疇にはおそらく含まれない。しかし麻枝が企画した時点での本作の仮タイトルは『涙』というもので、当時泣きゲーという構想がまだあったかは分からないが、人を感動させることを意識した尖った作品を目指していたのは間違いない。当時、麻枝も久弥も他と同じことをしては駄目だと語りあっていたという。企画書には「鬼畜サイコ涙腺緩まし系」と書かれていた。
凄惨な陵辱シーンや暴行シーンが満載でダークで狂気に満ちた作品である。
しかし、シナリオライターである麻枝の家族愛をテーマにしたシナリオは健在。Keyのファンを自認する人には是非プレイしてもらいたい作品である。久弥のシナリオデビュー作でもある。
余談だが、『リトルバスターズ!エクスタシー』における朱鷺戸沙耶での地下のシーンは、本作に登場するFARGOの施設内の移動パートを髣髴とさせる。
作品名は『MOON.』である。最後のピリオドを忘れると別の作品の『moon』を指してしまうので注意。
関連動画のOSTのサムネに写っているのは高槻というサブキャラで、極めてクズであるが一部で妙な人気がある。
MOON.の登場人物
MOON.の関連動画
※麻枝と久弥はグラフィッカーの手が借りられず、動画編集ソフトを購入する予算も下りなかったのでデモムービーを徹夜で会社に泊まり込み二人してMSペイントで製作している。
MOON.の関連静画
MOON.の関連項目
関連サイト
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