加賀恭一郎(かが きょういちろう)とは、東野圭吾の推理小説に登場する刑事。
ガリレオシリーズの湯川学と並ぶ東野作品の名探偵。加賀の登場する作品についても本項で記述する。
初登場は東野圭吾の第2作『卒業』(1986年)で、このときは国立T大学に通う大学生。『眠りの森』(1989年)で捜査一課の刑事として再登場し、以降『どちらかが彼女を殺した』『悪意』『私が彼を殺した』『嘘をもうひとつだけ』『赤い指』『新参者』『麒麟の翼』『祈りの幕が下りる時』に登場している。所属は警視庁捜査一課(『眠りの森』『悪意』)→練馬署(『どちらかが彼女を殺した』~『赤い指』)→日本橋署(『新参者』以降)。
大学卒業後、2年間教師をしていたが、とある事情で教師を辞め、確執のある父親と同じ刑事の道へ進む。剣道六段で全日本優勝者。趣味は茶道とクラシックバレエ鑑賞。30代後半ぐらいで独身。大学時代の同級生にプロポーズしたが玉砕したらしく、『眠りの森』では事件関係者のひとりに惹かれたが……。
長身で肩幅が広く、彫りの深い顔立ちで、煙草を吸わず歯が白いため笑うと爽やかに見えるらしい。寡黙だが情が深く、特に『赤い指』以降は事件の謎だけでなく、その背景にある人間関係の問題も解決しようと努める。
教師を辞めた事情については『悪意』で、父との確執については『赤い指』で、母親については『祈りの幕が下りる時』でそれぞれ語られる。
初期はフーダニットを突き詰めた『どちらかが彼女を殺した』『私が彼を殺した』のような、遊戯的な本格ミステリ色の強い作品にも登場していたが、現在は『新参者』のように、本格ミステリと人情話を融合させた作品で探偵役を務める傾向にある(東野圭吾の作風自体がそっち方面に流れているせいもあるが)。
1993年に『眠りの森』が2時間ドラマ化された際には山下真司が演じた。『新参者』が「このミステリーがすごい!」で1位を獲って以降は東野圭吾を代表するキャラクターとして認知度が高まり、2010年に『新参者』がドラマ化されて以降は『新参者』シリーズとして阿部寛が演じている。
全作品、講談社から刊行(『悪意』単行本のみ双葉社刊)。最新の『あなたが誰かを殺した』以外は講談社文庫で読める。それぞれ物語は独立しているので、どこから読んでも、どんな順番で読んでも概ね問題ないが、『眠りの森』は早い段階で読んでおいた方が良い。また『祈りの幕が下りる時』は『新参者』を読んでからの方がいいだろう。『希望の糸』は加賀ではなく、その従弟の松宮脩平刑事が主役の外伝的作品(加賀も登場するが脇役)。
『どちらかが彼女を殺した』『悪意』『新参者』の3作は特に東野圭吾の代表作にも挙げられるので、そのあたりから入るのがオススメ。また『祈りの幕が下りる時』は第48回吉川英治文学賞を受賞している。
なおWikipediaの「加賀恭一郎シリーズ」の項には長い間(2009年の立項から2022年まで)「『学生街の殺人』に加賀がゲスト出演している」とか書かれていたが、実際は登場しない(「彫りの深い顔立ちの目つきの鋭い刑事」は出てくるが、彼は香月という名前で加賀とは別人)。『卒業』と舞台となる大学および周辺街が同じで、同じ喫茶店が登場するだけである。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/04(土) 14:00
最終更新:2024/05/04(土) 14:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。