SCP-NULL-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は『そこにはもうない』。
SCP-NULL-JP | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Euclid |
収容場所 | N/A |
著者 | Sansyo-do-Zansyo |
作成日 | 2018年7月29日 |
タグ | ミーム 反ミーム 概念 食物 |
リンク | SCP-NULL-JP |
SCPテンプレート |
SCP-NULL-JPは、『SCP-1253-JP』の概念的枠組みである。現時点でこの具体的な内容は喪失している。このSCP-NULL-JPはミーム上ダイラタントに振る舞うため、『ダイラタント・ミーム』と呼称される。外部の情報ダイナミクスに応じて転移する2相からなり、
という性質を有する。このため、SCP-NULL-JPを隔離しようとすればするほどSCP-NULL-JPはミーマチックに伝播しようとするし、そこに定義づけを行うと、その定義づけ通りにSCP-NULL-JPは変容してしまう。収容し研究し続けつつ、新たな定義を与えないために、「ナンバリング未指定」という状態に置かれたのがこのSCP-NULL-JPということになる。
2███年に「再編成」された財団日本支部反ミーム部門は、かつて日本支部がSCP-1253-JPと指定していたオブジェクトの報告書を発見した。これの抜粋に関しては、概念的欠落を多数含むためSCP-NULL-JPの相転移を励起しない。『SCP-1253-JP-W-1』という語句が文章中で使われるが、これはSCP-NULL-JPを指し示す単語でありながら、SCP-NULL-JPの認知を励起しないという非異常のミーム性質をもっていた。しかし、財団がSCP-NULL-JPを社会から隔離したことでSCP-NULL-JPのミーム相が励起されてしまい、そのうえで財団がSCP-NULL-JPを反ミームオブジェクトと定義してしまったために、SCP-NULL-JPは『反ミーム性質を持つオブジェクト』としての性質を得る。その後、SCP-1253-JP-W-2を財団が開発したことで、反ミーム相が強調され、SCP-NULL-JPに関係する概念 (財団のSCP-NULL-JP研究含む)が包括的に隠蔽される。すべてが隠蔽されきったことで、SCP-NULL-JPは認知者が0になるため、こんどはミーム相が励起され、極端に顕在化し、最終的に具体性を持たない「空の」概念的枠組みとなったとみられる。
SCP-1253-JPは『仏前に供えられた██堂の水羊羹』であり、反ミーム性を有する。これを表現可能な語句 (SCP-1253-JP-W)は、製菓会社『██堂』の、自社の水羊羹のキャッチコピー (SCP-1253-JP-W-1)である。このSCP-1253-JP-W-1は現代ではマイナーな方言による言い回しを多数含んでいるために、SCP-1253-JPの反ミームにかかわらず、SCP-1253-JP-W-1をしることで即座にSCP-1253-JPの正確な想起、反ミーム性の発揮につながらないという特性を有する。キャッチコピーであるため、非異常であるが強力なミーム特性を持つ。
さて、『██堂』は日本国内でも有数の和菓子メーカーであり、水羊羹も同社の主力商品であるため、SCP-1253-JP-W-1の隠蔽措置は保留していた。
さて、『仏前に供えられた██堂の水羊羹』はその瞬間に反ミーム性の獲得により見えなくなるが、財団は記憶補強剤という薬品を使うことでこれが認識できるようになる。その結果わかったことだが、██堂の本拠地たる長崎県では、民家の仏壇に供えられた水羊羹が、一軒あたり数kg存在していた。供えた瞬間に見えなくなり記憶からも消えるので、何度もお供えしてしまうのだろう。更に、本来なら反ミーム性の獲得により微生物にも知覚されないため腐朽しないと思われていたのだが、なんと「反ミーム性を持つ有機軸上でのみ繁殖する未知の真菌類」に覆われていることがわかった。この真菌類の胞子により、長崎県の仏壇のある家の住民は有意に寿命が短くなっていた。これは放置すべきでないという判断により、SCP-1253-JP実例を回収し、SCP-1253-JP-W-1を隠蔽、そしてここから現代日本標準語によるSCP-1253-JP-W-2の開発を行った。この文字列も記憶補強剤を用いないと認識できないが、研究を財団は進めていた。
なお、上記抜粋部における和菓子メーカー『██堂』、および『SCP-1253-JP-W』は現在及び過去において存在が記録されていない。
ながながと述べて来たが、このオブジェクトはかなりシンプルである。
SCP-1253-JPとは、「とある和菓子メーカーの水羊羹を仏前にお供えすること」であり、これが反ミーム性を持っていたということは、仏前に当該メーカーの水羊羹をお供えするとそれが認識できなくなるということである。当該メーカーのキャッチコピーがこのSCP-1253-JP実例を作成させるということは、『お供えするなら、██堂の水羊羹』みたいな文言だったと考えられる。
さて、この認識できない状態故に放置されている水羊羹にはとある真菌類が蔓延り、結果健康に害があるということがわかった。そこで財団は「とある和菓子メーカーの水羊羹を仏前にお供えすること」は反ミームオブジェクトである、と定義づけた。実際は前述のダイラタント・ミーム特性ゆえにたまたまその状態は反ミーム性を持っているに過ぎなかっただけだが、とにかく財団がSCP-1253-JPを人々から隠蔽したことで、SCP-1253-JPはミーム相を呈して定義づけに自身を合わせる形になった。次に今度は財団が反ミームオブジェクトと定義づけ、SCP-1253-JP-W-2文言を開発したことで、SCP-1253-JPの認知性を増大させたので、反ミーム相を呈する。結果、「財団のSCP-1253-JP研究」を含むSCP-1253-JPに関する概念はすべて消失した。和菓子メーカー『██堂』も、財団日本支部反ミーム部門もこのタイミングで巻き添えで消失した。
そして、すべての人から概念が消え去ったので、今度はミーム相を呈する状態になったが、誰も定義づけしてくれないので、結果『空っぽの』概念だけが残った。財団日本支部は、反ミーム部門を設立(後にこれが『再編成』であることをSCP-1253-JPの再発見で知ることになる)。記憶補強剤によってSCP-1253-JPの報告書を発見した反ミーム部門は、SCP-1253-JPにこれ以上の定義付けを与えず、研究を続行する方法としてナンバリングを与えないことを決定、結果SCP-NULL-JPという呼称に落ち着いた。
財団はオブジェクトの収容に対して理想的な行動を取ったが、それが逆効果だったというわけだ。流動体だと思って叩いたら衝撃を受ける水溶き片栗粉のようなダイラタント流体のようなミーム、だからダイラタント・ミームということなのである。
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最終更新:2024/05/26(日) 22:00
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