本記事では、「欲しい」と「ほしい」の違いについて記述する。
概要
「ほしい」の漢字変換が「欲しい」であり、意味に違いがないと思われがちだが、厳密にはこの二つには日本語的に違う意味合いが含まれている。
どちらも希望・願望の表現として使われる言葉であるが、ざっくり結論から言うと「物を入手したい表現」として使うのが「欲しい」で、「お願いの表現」として使うのが「ほしい」である。
※なお、国語辞典や教本などによっては「漢字ひらがなどちらでも構わない」とする説もあり、実際正しいのかどうかはこの記事では解説しないこととする。こまけぇこたぁいいんだよ!の気持ちで読んでほしいです。
「物を入手したい表現」の「欲しい」
漢字の「欲しい」は名詞にくっついた形容詞として使われる。所有したいという気持ちの表現のために「欲」の漢字を使った「欲しい」を使うということである。たとえば「5000兆円欲しい!」の「欲しい」は「5000兆円というお金そのものが欲しい」という意味で、「欲しい」の言葉が5000兆円という名詞にかかっている。
なお、この法則で言うとAmazonの「ほしい物リスト」は日本語的に誤りであるといえる。
「お願いの表現」の「ほしい」
ひらながの「ほしい」は動詞にくっついた補助形容詞(もしくは形式形容詞)として使われるものである。「待ってほしい」という文章は「待つ」という動詞の連用形「待って」に「ほしい」を足したもの。他にも「見て→見てほしい」「来て→来てほしい」などが挙げられる。「ほしい」という言葉自体に意味はなく、動詞部分だけで言葉の意味は成立している。
ちなみにニコニコ大百科の記事に「だがちょっと待って欲しい」という単語記事があるが、この法則で言うと漢字で使うのは誤りであるといえる。そもそも元ネタの朝日新聞に確固たる文章も存在せず、実際の文章も「ちょっと待ってほしい」とほぼひらがな表記なのが大半。
「欲しい」と「ほしい」を混同していた例
中京テレビ制作のテレビ番組「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」は長らく「オードリーさん、ぜひ会って欲しい人がいるんです!」という表記であったが、2019年3月の放送局拡大を機にタイトルの修正を行った。
若林「誰も気づかなかったの?こんだけ大人がいて?」
春日「高学歴の人もいるでしょだって」
⇒オドぜひの旧タイトルに間違い発覚! 未公開トーク(『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』公式, Youtube, 2019/11/01)
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