Internet Explorer 9とは、マイクロソフト製のインターネットブラウザ「Internet Explorer」のバージョンの1つである。
2011年3月15日(日本語版は東日本大震災の影響で4月26日に延期)にリリースされた。
概要
Internet Explorer 9では、ユーザーインタフェースが大きく変更され、HTML5の対応が進められているほか、新しいJavaScriptエンジン「Chakra」の導入、GPUアクセラレーションに対応するなど大きく高速化されている。
また、IE8に続いて互換モードを搭載しており、互換性も維持されている。
仕様・機能
- ユーザーインターフェース
- より広くページを表示できるように整理されている。Chromeのパクリ。
アドレスバーと検索ボックスが統合され、その横にタブバーが表示されるようになり、ステータスバーが非表示になった。今までのバージョンに比べてかなりシンプルになっている。 - Web標準(HTML5)
- IE8から始まったWeb標準対応がさらに進められ、ほかのブラウザとの互換性が大きく改善している。
IE7以前はもちろん、IE8とも比較にならないほど良くなっている。標準に準拠していない、表示にバグがあるなどから「IE死ね」と言われ続けてきたが、ようやく汚名を返上できる程度になった。 - JavaScript
- Chakraではほかのブラウザと同じようにJITコンパイラが搭載され、SunSpiderベンチではそこそこ良い結果を出している。
- GPUアクセラレーション
- GPUを使ってレンダリングを行うようになった。そのためCanvasを使ったベンチマークなどで高得点を出している。
さすがWindowsの開発元と言うべきか、ほかのブラウザよりも多くのGPUをサポートしているのが特徴。
また、DirectWriteを使うようになったのでフォントの描画がきれいになっている。といってもClearTypeなので、gdi++系には敵わないが。
Windows XPに対応しない理由
Internet Explorer 9はWindows 7とWindows Vistaのみに対応し、Windows XPには対応しない。
理由はいくつか推測されており、1つはWindows XPのメインストリームサポートが終わり、延長サポートフェーズに入っていたこと。(原則として、延長サポートフェーズでは新機能は提供されない)
もう1つはGPUアクセラレーションでDirect2DやDirectWriteを使っているが、これはWindows Vista以降でしか使えないため。
ちなみにIE7とIE8もフル機能で使えたわけではなく、Vista以降に搭載されたサンドボックス機能(保護モード)が使えない。同様にIE9でもGPUアクセラレーションを削って対応させることもできたはずだが、結局対応しなかった。
(ちなみにほかのブラウザのGPUアクセラレーションも、XPではDirect2D/DirectWriteが使えないため機能が制限されている)
その結果として、XPのサポート期限である2014年までIE8が残り続けることが確定してしまった。Web開発者の皆様お疲れ様です。
余談だが、Vistaのメインストリームサポートが先日終わってしまったのでInternet Explorer 10はVistaには提供されず、IE9が最終バージョンとなる。
関連項目
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