アナクサゴラス(Anaxagoras、紀元前500年頃~紀元前428年頃)とは、古代ギリシアの自然哲学者である。
紀元前500年頃、イオニアのクラゾメナイに生まれる。紀元前480年頃にアテナイに移住する。
後に不敬罪でアテナイを去り(後述)、ランプサコスに移り、そこで生涯を終えた。
エンペドクレスと同様に、「万物の根源(アルケー)」と、それを生成変化させる原因について考えた。
アナクサゴラスは、アルケーとは「種子(スペルマタ)」)だと考えた。「種子」とは、万物の根源となる無数の元素である。この元素の離散集合によって万物の生成消滅が起こっている。
エンペドクレスとの相違点は、彼が四つの元素をアルケーと考えたのに対し、アナクサゴラスは元素が無数に存在する、と説いている点である。例えば、色であれば赤・青・緑・黄色それぞれの種子が存在する。匂いであれば、音であれば、……とあらゆる種類の種子が存在するのである。万物は、そうした無数の種子の集合、すなわち「カオス」であるという。
また、アナクサゴラスは種子とは無限に分割できるものであるとも説いている。これはデモクリトスの原子論とは反対の立場である。
アナクサゴラスは、無数の種子を離散集合させる原因とは「知性(ヌース)」だと主張した。「知性」といっているが、これは人間の知性のような精神的なものではなく、他の物質から独立して存在し、他の種子とは交わらない存在のことである。このような存在が、種子の交じりあう「カオス」を秩序立てているのだという。
ただ、「知性」が「カオス」をどのように秩序立てているかについて、アナクサゴラスは説明をしていない。これについてソクラテスらが批判をしている。
アナクサゴラスは科学者としても活躍した。月が太陽の光を反射していると説明した。彼にちなんで、月の表面にあるクレーターはアナクサゴラスと名づけられた。また。我々が太陽の熱を熱く感じないのは、太陽があまりにも遠くにあるからだとも説明した。
晩年、彼は「太陽は燃える火の石だ」と主張した。この主張は、太陽神アポロンを侮辱するものと批判された。彼の友人ペリクレスが彼を弁護したが、結局彼はアテネを去ることになった。
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2 ななしのよっしん
2017/06/08(木) 15:51:34 ID: 0n57OGxlwJ
色々調べてて辿り着いたけど、この人かなり現代の宇宙観に近いようにみえるね。
スペルマタが素粒子、ヌースが観測かなぁ?
3 ななしのよっしん
2019/09/25(水) 22:03:56 ID: 87TnSx7bPl
月は神ではなく岩である。そう主張して追放された古代ギリシャの哲学者
http://k
4 ななしのよっしん
2019/11/03(日) 11:57:54 ID: oB9AKtB0uX
月や太陽や原子論などの先進性に対し、
地球は平面だと思っていたというのが解せん。
それだけの考察をする時間が無かったのだろうか
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最終更新:2024/04/18(木) 14:00
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