アンソニー・ギデンズ(1938~)とは、「再帰的近代論」を展開するイギリスの社会学者である。
ロンドンに生まれる。1959年にハル大学を卒業後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに進み、同校より修士号、1974年にはケンブリッジ大学より博士号を取得した。そのままロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで教職を務め、現在は名誉教授である。
彼はまず、近代を17世紀以降のヨーロッパに出現し、その後は世界中に影響が及んでいった社会生活や社会組織の様式、ととらえる。そして近代を制度的にとらえると資本主義、産業主義、監視と管理、軍事力の4つの観点に分けられる。そんな近代が終焉を迎えようとしているが、ポストモダン論者のいうようにこれら近代の4つの特徴は現代社会で消えてしまったわけではない、というのが彼の主張である。
つまり「ポスト・モダニティ」の時代に突入しているのではなく、近代化のもたらした結果がこれまで以上に徹底化し、普遍化していく時代、「ハイ・モダニティ」に突入したということなのだ。その原動力となるのが近代に特有の「脱埋め込み」と「再帰性」である。
さらにギデンズは、近代は本来的にグローバル化していく傾向がある、とする。グローバリゼーションを近代の制度的な特質からとらえなおすと、世界資本主義経済、国際的な分業、国民国家システム、世界の軍事秩序に分けられるのである。ではグロ―バリゼーションの何が新しいかというと、社会主義の終焉とネオリベラリズムの登場である、といえるだろう。こうしたグローバリゼーションこそ、まさに近代の帰結である、というのがギデンズの基本思想なのだ。
そして彼はグローバリゼーションに対して「第三の道」を選択するという立場でブレア政権の指南役となった。つまり新自由主義の効率性と、社会民主主義の公正性を弁証法的にいいとこどりした新たな道を模索していくというものである。そのために民主主義の民主化が必要である、というのが現代に対する彼の提言である。
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最終更新:2025/12/06(土) 14:00
最終更新:2025/12/06(土) 13:00
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