サミュエル・リドル・マクレガー・メイザース(1854~1918)とは、近代魔術師の一人で、黄金の夜明け団の創設者の一人である。
ロンドンの事務員の息子、サミュエル・リドル・メイザースとして生まれた。若いころからオカルト関係の探求に没頭していたとされる。
メイザースはフリーメーソン団員、さらにイギリス薔薇十字会の会員でもあり、1888年、同じく会員であったウィリアム・ウィン・ウェストコット、ロバート・ウッドマンらと「黄金の夜明け団」を設立したのである。設立にあたってはウェストコットがドイツの魔術結社に属するアンナ・シュプレンゲルと文通し秘密の首領から許可を得たとされる。しかしウッドマンは早くに亡くなり、1892年にメイザースが秘密の首領と直接連絡を取ったと主張したことで、1897年にウェストコットが追放された以降教団の実権を握ったのであった。
当時の魔術師はブラヴァツキー夫人の神智学協会と密接な関係を有していたが、メイザースは神智学協会の東洋的要素に反発する。そのため西洋魔術の復活を図り、中世イギリスのジョン・ディー、14世紀エジプトのアブラメリンといった人々の魔術体系を発掘し、カバラの研究やタロットの理論的整備も行ったいった。
しかし、メイザースによるアニー・ホーニマンの追放や、アレイスター・クロウリーの入団をめぐる意見の対立で教団は分裂状態に至り、ついには1900年にメイザース自身も退団に追い込まれる。以降メイザースはアルファ・オメガを設立するが、1918年に亡くなった。
黄金の夜明け団、およびメイザースはのちに様々な魔術師に引き継がれる「秘密の首領」概念や「ソロモンの大きな鍵」をはじめとしたグリモアの整備・確立に努めた。
これらはアレイスター・クロウリーの「聖守護天使エイワス」概念や「ゲーティア」出版、ロバート・フェルキンやダイアン・フォーチュンの「星気体投射(アストラル・プロジェクション)」概念を生み出していくこととなる。
前述のとおりウェストコット、メイザース、ウッドマンの三人に設立された魔術結社。西洋魔術の体系を復活・整備し、多くの魔術結社が分離したことから、近代魔術結社の源流と呼ばれる。
秘密の首領と結びついた組織長の傘下に、「イシス・ウラニア・テンプル」などのテンプルと称する小組織を持つ。メイザースの妻であるミナ・ベルクソン、オスカー・ワイルド夫人、ウィリアム・バトラー・イエイツ、モード・ゴンといった人々が加入し、最盛期には100人近くの会員がいたとされる。
しかしメイザースが第二組織を組織して以来内紛が続き、1903年までに協会は分裂した。その後メイザースのアルファ・オメガ、暁の星、聖黄金の夜明けの三団体に分裂した他、クロウリー関連の東方聖堂騎士団、ウィッカといった団体にもその魔術体系は引き継がれている。
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最終更新:2025/12/07(日) 07:00
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