タロット(tarot)とは、
占いなどに使われる一組のカード。フランス語・英語・ドイツ語などでは「タロー」、イタリア語では「タロッキ(tarocchi)」と呼ばれる。これらの呼称が使われるようになる以前は「トリオンフィ(trionfi;凱旋)」と呼ばれていた。この「トリオンフィ」は現在の「トランプ」の元となった言葉とされる。ただしこれに代わり使われるようになった "tarot" の語に関してはその由来がはっきりしていない。
22枚の絵札からなる「大アルカナ(メジャー・アルカナ)」と、40枚の数札+16枚の人物札からなる「小アルカナ(マイナー・アルカナ)」の合計78枚のものが現在広く使われている。
「アルカナ(arcana)」はラテン語で「秘儀・秘伝」を意味する。この語が初めて使われたのは、ポール・クリスチャンの占星術書『チュイルリーの赤い人』(1863)で、「大アルカナ」「小アルカナ」という言葉はカバラ数秘術などにより独自のタロット理論を構築したパピュスの『ボヘミアンのタロット』(1889)で初めて用いられた。
タロットの起源については、古代エジプトの絵本を起源とする説、ジプシー起源説、古代地中海のグノーシス主義から発生したという説など様々な説が出されてきた。しかしどの説も明確な証拠はなく、無根拠なトンデモ説も数多い。
歴史的に実証できる限りでは、15世紀、初期ルネサンス時代のイタリアまで辿ることができる。タロットに関する最古の記録は1442年、北イタリアのフェラーラ領主エステ家の帳簿にみられる「トリオンフィのカードのパック」を購入したという記述である。当時「トリオンフィ」は主に画家の手書きによるもので、貴族たちの遊戯に用いられ、枚数や絵柄などに幅広いバリエーションがあった。15世紀には北イタリアを中心にタロットを用いた遊戯が流行しており、そのあまりの流行に修道士が説教の中で忌むべきものとしてとりあげたり、領主が禁止の勅令を下すほどであった。
現存するタロットで最古のものは、ミラノ領主ヴィスコンティ家およびその後継であるスフォルツァ家のために15世紀半ばに作られた計271枚のカードで、まとめて「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」と呼ばれる。このうち最も現在のタロットに近い形式なのが「ピアポント・モルガン-ベルガモ版」と呼ばれる74枚のカードで、元は78枚のセットだったと考えられている。このほかに、48枚が現存する「ブレラ・ブランビラ版」、67枚が現存する「キャリー・イェール版」などがある。これら「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」に共通する特徴として、どの版をみても、「悪魔」「塔」の凶札2枚が存在しないというものがある。これらはもともと存在しなかったのか、たまたま全て紛失したのか、あるいは意図的に破棄されたのかわからず、現在でも意見が分かれる。
タロットはその後イタリアからフランスへ、そしてやがては欧州中へと広まり、安価な木版画の量産版が生産されたことにより庶民の間でも流行。18世紀頃には現在のタロットとほぼ同じものが確立、なかでも彩色木版画版のものが広く普及した。これは一大生産地のマルセイユから「マルセイユ版」と呼ばれるようになる。
タロット占いに関する最古の記録は、ボローニャ大学のライブラリから発見された18世紀前半の1枚の手書きシートである。各カードの意味と占い方が記載されたシートで、62枚構成のタロットのうち35枚を占いに使う形式になっている。
1781年、フランスの牧師クール・ド・ジェブランが著書『原始世界』の第8巻で、タロットのエジプト起源説およびエジプト風解釈を発表。同書にはド・メレなる人物による「タロットについての調査とタロット・カードを使った占いについて」というエッセイも掲載され、こちらもド・ジェブランとは委細がやや異なるもののエジプト起源説を唱えている。
この背景には、当時フランスで一種のエジプトブームが巻き起こっていたことがあるとみられている。ド・ジェブランはタロットを見ただけでこれが古代エジプトの寓意画本だと閃いたと主張しているが、その根拠は非常に乏しい。
1783~1785年にかけて、ド・ジェブランの説に影響を受けた職業占い師のエティヤ(エッティラとも、本名ジャン・バプティスト・アリエット)が史上初のタロット占い本『タロットと呼ばれるカードのパックで楽しむ方法』を出版。エティヤは1770年に『ミスター***によるカードのパックとその使用を楽しむ方法』というカード占いの本を出しており、この時点であらかじめ各カードに意味を当てはめ、実際に占う際には出たカードに当てはめた意味から答えを導くという現在のカード占いの基礎といえる方法が採用されていた。
1789年にはエジプト神秘主義を採り入れ、順番を大胆に入れ替えたり現在の小アルカナに22~77の番号を振ったりするなど独自の修正を施したタロット(エティヤ版)を製作。同時に『トートの書』という解説パンフレットを出版した。このタロットはパリで人気を集め、タロット占いとタロット神秘主義の土台を作った。現在のタロット占いは、すべてこのエティヤに遡ることができるといえる。
タロットによる占いは、その後フランスで一大ブームとなった。エティヤのタロット解釈は弟子達によって引き継がれ、1791年にはトートの書解釈会による『トートの書の解釈事典』が、1807年にはドドゥセによる『サインの科学』がそれぞれ出版され、タロット占いに影響を与えた。
1854年および1855年、「近代魔術の父」と呼ばれるエリファス・レヴィ(本名アルフォンス=ルイ・コンスタン)が『高等魔術の教理と祭儀』(全2巻)を出版。この中でタロットをカバラ(ユダヤ神秘主義)に関連づけた。レヴィはタロットを「魔術師達の間で古くから読まれてきた魔術書」とし、古代魔術の秘法を解き明かす鍵と位置づけた。一方で、レヴィのタロットデザインにはインドやエジプトに由来するシンボルも採用され、そのうちのいくつかは後述するウェイト版に引き継がれている。
1863年、ポール・クリスチャン(本名ジャン=バプティスト・ピトワ)が占星術書『チュイルリーの赤い人』においてタロットを占星術と結びつけた。
1889年には、レヴィとクリスチャンのタロット解釈をベースに、「薔薇十字カバラ団」創始者スタニスラス・ド・ガイタの指示の元、同団所属のオストワルト・ウィルトが『カバラ的タロットの22のアルカナ』を制作(旧オストワルト・ウィルト版)。レヴィが果たすことのできなかったレヴィの解釈に基づいたタロットを完成させている。
タロットとカバラの結びつきを更に整備・確立したのは19世紀末イギリスの魔術結社「黄金の夜明け団」である。レヴィがヘブライ文字22文字と対応させた大アルカナ22枚を、カバラにおけるセフィロトの樹の22の小径に関連づけるなど、結びつきをより明確に表したのである。1896年には未刊行だったレヴィの著書『タロット・トランプによって解釈された聖域の魔術の儀式』が「黄金の夜明け団」創始者ウィリアム・ウィン・ウェストコットによって翻訳・出版されている。
「黄金の夜明け団」におけるタロットとカバラの解釈理論は門外不出で、入団して昇進した者にのみ伝えられた。しかし1901年にメンバー間の対立やスキャンダルによって「黄金の夜明け団」が崩壊。1909年、元団員の「魔術師」アレイスター・クロウリーが自著『777の書』にてその秘儀を公開した。同じとし、これに呼応してか、やはり元団員であったアーサー・エドワード・ウェイトが自らタロットカードを制作・発売した。これが「ウェイト版」もしくは発売した出版社の名前から「ライダー版」と呼ばれるタロットである。ウェイトは翌々年には解説書「タロットの絵の鍵」も発売。パメラ・コールマン・スミスによるアール・ヌーヴォー調の親しみやすい絵柄を採用したウェイト版は大ブームとなり、タロットの大衆化を急速に推し進めることとなった。1960年に出版され人気を集めたイーデン・グレイ著のタロット占い本『明かされたタロット』がウェイト版を紹介したことなどもあって、ウェイト版は現在でもマルセイユ版と並んで最も普及しているタロットとなっている。もっとも、ウェイト本人はタロットは本来占いに使用するものではないと否定的な態度をとっていた。
またこれとは別にアレイスター・クロウリー自身も1942年、『黄金の夜明け団』の教義を元にタロットをデザインしている。これは「トート・タロット」と呼ばれ、クロウリーによってデザインや構成などに独自の解釈が加えられている。
現在では、さらに多種多様な要素を採り入れたバラエティあふれるタロットが数多く制作されている。
寓意画の描かれた22枚のカードセット。タロット占いは主にこれを使って行われる。
大アルカナから「愚者」を除いたものを「トランプ・カード」と呼ぶ。なお余談だが現在日本で「トランプ」と呼ばれるカードは欧米では「プレイング・カード」と呼ばれ、「トランプ」は通常「切り札、奥の手」を意味する。
以下に示すのはその名称と解説、占いにおける解釈、およびウェイト版の解釈による占星術上の意味と対応するヘブライ文字である。正しい向きに置かれた場合(正位置)と上下さかさまに置かれた場合(逆位置)のそれぞれにおける解釈を記載。正位置と逆位置で必ずしも意味が完全に逆転するとは限らない。
解説の内容や解釈については一例であり、このほかにも文献や占者によって様々なものがみられる。
なお、カード個別で単語記事があるものはをクリックするとその記事へ飛ぶ。
0 愚者 The Fool |
旅人と一匹の犬が描かれた図版。どこにも属さず気ままにうつろう放浪者。解釈によってはしたたかなトリックスターともされる。ウェイト版などでは0番が割り振られているが、元々は無番号で、定位置はない。かつては「狂人」とも呼ばれ、無精髭を生やしみすぼらしい姿をした男が描かれていた。 |
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【正位置】自由、無計画、極端、可能性、独創、冒険 【逆位置】軽率、愚考、無責任、無自覚、落伍 |
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風(天王星)、א(アレフ) | |
I 魔術師 The Magician |
「奇術師」とも。様々な道具を並べ、何らかの術を行っている男性の図版。神秘主義的な解釈では真の魔術師だが、かつては「奇術師」あるいは「ペテン師」と呼ばれていた。テーブルの上には小アルカナの4種のシンボルが描かれ、これは四大元素との関わりを示すともいう。 |
【正位置】創造、起源、知恵、熟練、技巧、計画 【逆位置】混迷、未熟、消極、怠惰、虚偽、詐欺 |
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水星、ב(ベート) | |
II 女教皇 The High Priestess |
「女司祭長」とも。冠を被りベールを纏い、書物を持った女性の描かれたカード。知識や学問、女性原理の象徴。史実上正規の女性教皇は存在せず、伝説上の女教皇ヨハンナがモチーフとされる。図像学では教皇権の擬人化とされる。ウェイト版では両側にヤヒンとボアズという白黒の柱が描かれる。 |
【正位置】学識、洞察力、平常心、女らしさ、秘密、持続 【逆位置】冷酷、無関心、身勝手、不安定、激情、高慢 |
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月、ג(ギーメル) | |
III 女帝 The Empress |
王冠をかぶり玉座に腰掛け、錫杖を持った女性の図像。豊穣と大地の恵み、未知なるものの象徴とされ、受容的な支配力を持つ。時にはギリシャ神話のデーメーテールやシュメール神話のイシュタルとも結びつけられる。神秘性を持つ女教皇に対して、現世的な豊かさを示す。 |
【正位置】幸福、繁栄、収穫、愛情、美、母性 【逆位置】虚栄、停滞、貪欲、浪費、高慢、不一致 |
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金星、ד(ダレット) | |
IV 皇帝 The Emperor |
王冠をかぶり玉座に腰掛け、王笏を持ち髭をたくわえた堂々たる皇帝のカード。秩序と全体性を象徴する4番目に配置された地上世界の支配者とされる。統治・堅固・防御・同盟・男性原理などの象徴とされる。現存する最古のタロットカードでは、神聖ローマ皇帝がモチーフとされる。 |
【正位置】統治、安定、行動、父性、防御、達成 【逆位置】横暴、野心、無責任、激情、過保護、未熟 |
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白羊宮、צ(ツァディー) | |
V 教皇 The Hierophant |
「法王」「司祭」「司祭長」とも。現代の標準的なカードでは杖を持ち冠を戴いた教皇と二本の柱、双子の聖職者が描かれ、あわせてサイコロの「5」の目の形をとっている。神と人間を繋ぎ、その聖性によって精神世界を治めるという。神秘主義的には秘儀の祭司でもある。 |
【正位置】慈悲、伝統、秩序、連帯、教育、霊感 【逆位置】狭量、束縛、躊躇、守旧、迷信、嘘 |
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金牛宮、ו(ヴァヴ) | |
VI 恋人 The Lovers |
かつては「愛」。古い版では一組の男女が描かれ、結婚の象徴とされた。マルセイユ版では男性1人と女性2人、目隠しをされたクピドが描かれており、1人による選択を意味するようになった。ウェイト版ではアダムとイヴらしき2人と、大天使ラファエルが描かれている。 |
【正位置】恋愛、娯楽、魅力、調和、克服される試練、選択 【逆位置】別離、解散、嫉妬、裏切り、気紛れ、優柔不断 |
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双児宮、ז(ザイン) | |
VII 戦車 The Chariot |
冠と甲冑を着けた若者が天蓋つきの二頭立て凱旋車に乗っている図版。古い版では乗り手は勝利の擬人化である女性。ウェイト版では白と黒のスフィンクスが戦車を引き、車上の若者はその問いに答えた勝利者とされ、名声などをも表すとされる。援軍・摂理・勝利・復讐などの象徴。 |
【正位置】勝利、援軍、前進、成果、闘志、初志貫徹 【逆位置】敗北、暴走、性急、事故、不注意、トラブル |
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巨蟹宮、ח(ヘット) | |
VIII(XI) 力 Strength |
初期には「剛毅」と呼ばれた。トート・タロットでは「欲望」。マルセイユ版など伝統的なタロットでは11番に配される。人間の女性がライオンの口に手をかけている図版が一般的。元はギリシャ神話のヘラクレスおよび旧約聖書のサムソンがモチーフとも。力・勇気・寛大・名誉などの象徴。 |
【正位置】力、決意、行動力、統制、不屈、持久戦 【逆位置】虚弱、腰砕け、自惚れ、統制不能、独裁、長続きしない |
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獅子宮、ט(テット) | |
IX 隠者 The Hermit |
ランプをかざし外套を着た老人が描かれたカード。古い版においては老人が手に持っているのは砂時計で、このカードも「時」と呼ばれていた。メジャーなものでは老人は図像学的に内面や理性を表す左側を向いており、孤独と思索の象徴で、自己の内面との対話を示すという。 |
【正位置】孤独、高尚、秘匿、思慮分別、助言、探究 【逆位置】陰湿、隠蔽、内気、邪推、虚偽、現実逃避 |
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処女宮、י(ヨッド) | |
X 運命の輪 Wheel of Fortune |
「運命」とも。回る車輪とそこに鎮座するスフィンクスの図版。上昇下降を繰り返す有為転変を示す。かつては運命の女神フォルトゥナが描かれた。マルセイユ版では車輪とともに回る1対の動物が(エジプト神話のアヌビスとギリシャ神話のテューポーンとされる)、ウェイト版には四大元素を司る天使が描かれる。 |
【正位置】好転、幸運、転機、向上、復帰、必然性 【逆位置】暗転、不運、急変、誤算、停滞、潮時 |
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木星、כ(カフ) | |
XI(VIII) 正義 Justice |
「公正」「裁判の女神」とも。剣と天秤を持った女性の図像で、正義の擬人化。初期からほとんどデザインに大きな変更のないカードである。11番目への配置はウェイト版など神秘主義系のもの特有で、カバラに対応している。ウェイト版では女性は正義の女神アストライアとされる。 |
【正位置】公正、正当、均衡、両立、安定、厳格 【逆位置】不公平、不正、不均衡、偏向、混乱 |
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天秤宮、ל(ラメド) | |
XII 吊るされた男 The Hanged Man |
「吊るし人」「死刑囚」などとも。初期は「裏切り者」と呼ばれた。逆さまに吊るされた男性の図像。神秘主義的解釈では自らに苦難を科している状態とされる。男性を殉教者と捉えイエスや聖人だとする解釈、あるいは北欧神話のオーディンにモチーフを求める解釈がある一方、反逆者ユダであるという解釈もある。 |
【正位置】苦難、処罰、忍耐、不動、自己犠牲、別の観点 【逆位置】徒労、骨折り損、犠牲、不条理、盲目、警告 |
|
水(海王星)、מ(メム) | |
XIII 死神 Death |
単に「死」とも。その名の不吉さゆえに、マルセイユ版などでは無記名となっているカード。多くは大きな鎌を持った骸骨姿の死神が描かれる。ウェイト版では死神は蒼ざめた馬に乗り、鎌ではなく軍旗を持つ。全てのものに等しく訪れる不可避なる終焉と、変容・再生の始まりとされる。 |
【正位置】死、破壊、破綻、喪失、結末、転換 【逆位置】再生、復活、更新、雌伏、不沈滞、惰性 |
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天蠍宮、נ(ヌン) | |
XIV 節制 Temperance |
枢要徳のひとつである節制を示したカード。羽の生えた人物(大天使ミカエルとも)が両手に持った容器から容器へと一滴もこぼさずに液体を注ぐ図像。これは水で葡萄酒を薄めているところである。陰陽の交流とも解釈される。調整・中庸・倹約・管理などの象徴。トート・タロットでは「技」。 |
【正位置】節度、調和、穏健、集中、堅実、献身 【逆位置】災難、浪費、不和、身勝手、吝嗇、集中力の欠如 |
|
人馬宮、ס(サメフ) | |
XV 悪魔 The Devil |
奇妙な姿をした悪魔と、その僕となっている堕落した2人の男女の図像が一般的。悪魔は誘惑を象徴し、2人の男女はその誘惑に捕らえられた蒙昧な存在とされる。構図は「教皇」のカードとの対比とみられる。前述の通り、現存する最古のタロットには残されていないカードである。 |
【正位置】誘惑、拘束、堕落、邪心、欺瞞、物質主義 【逆位置】悪意、抑圧、盲目的衝動、強迫観念、解放、覚醒 |
|
磨羯宮、ע(アイン) | |
XVI 塔 The Tower |
冠を戴いた塔が稲妻によって崩壊する様と、逆さまに落下する人間を示した図版。かつては「火」「稲妻」「悪魔の家」とも呼ばれた。仏語などでは現在「神の家」と呼ばれる。稲妻は神の聖なる力を示し、自らの造った塔に固執する人間をその力をもって解放する図ともされる。 |
【正位置】崩壊、災害、転落、破滅、革命、改心 【逆位置】緊迫、窮地、誤解、驚愕、抑圧、再建 |
|
火星、פ(ペー) | |
XVII 星 The Star |
天空に輝く大きな星と、その周りを囲む7つの小さな星、そしてその下で水場と大地に水を注ぐ女性が描かれたカード。希望・霊感・放棄などの象徴。マルセイユ版とウェイト版で大きなデザイン変更のなかったカードのひとつ。ただしマルセイユ版以前はデザインが大きく異なる。 |
【正位置】希望、期待、瞑想、寛容、インスピレーション、放棄 【逆位置】失望、消極、悲観、卑下、厭世、高望み |
|
宝瓶宮、ה(ヘー) | |
XVIII 月 The Moon |
輝く滴のような光を放つ月、月に向かって吠える狼と犬、水辺のザリガニ、そして暗示的な2つの塔が描かれたカード。古い版では三日月と弓を手にした女性像(ローマ神話のディアナとされる)だった。「星」と同様、マルセイユ版とウェイト版でほぼデザインが同じだが、古い版とは大きく異なる。 |
【正位置】不安、幻影、危機、狂気、曖昧、現実逃避 【逆位置】動揺、小さな失敗、安堵、思い過ごし、明瞭 |
|
双魚宮、ק(コフ) | |
XIX 太陽 The Sun |
人の顔を持ちまばゆいばかりの光を放つ太陽と、子供の描かれた図像が一般的。エネルギーに満ちあふれた生命力の象徴とされる。新しい生命の誕生、刷新・変革の始まりをも意味し、子供はその象徴と捉えられることが多い。また子供は魂の解放を意味するともいう。 |
【正位置】成功、活力、自信、獲得、誕生、輝かしい未来 【逆位置】失敗、延期、後悔、虚栄、喧嘩、再起不能 |
|
太陽、ר(レーシュ) | |
XX 審判 Judgement |
新約聖書における最後の審判を描いたカード。天使が赤正十字旗つきのラッパを吹き鳴らし、すべての死者が蘇る。地上では人々が天使を畏敬をこめて見上げているという図像。復活・更新などを意味し、「復活」とする版も。初期は「天使」と呼ばれた。トート・タロットでは「永劫」。 |
【正位置】復活、再出発、啓示、解答、最終判断、ターニングポイント 【逆位置】後悔、幻滅、固執、耽溺、無目的、悪い知らせ |
|
火(冥王星)、ש(シン) | |
XXI 世界 The World |
中央にいる裸の女性(運命の女神フォルトゥナとも)を囲むように月桂樹の輪があり、更に四隅に天使・鷲・牛・獅子が取り囲む。これらはテトラモルフと呼ばれ、一説には四大元素と福音書・福音記者を表す。大アルカナの最後であり、特に重要視されるカード。トート・タロットでは「宇宙」。 |
【正位置】完成、完全、輪廻、永遠、挑戦、旅行、多角的視野 【逆位置】未完成、失敗、中止、中途半端、八方美人、惰性 |
|
土星、ת(タヴ) |
56枚からなるカードセット。棒(バトンorワンド)・聖杯(カップ)・剣(ソード)・硬貨(コインorペンタクルorディスク)の4つのスート(組)があり、それぞれに1~10の数札(ヌーメラル・カード)+小姓(ネイヴorペイジ)・騎士(ナイト)・女王(クイーン)・王(キング)の4種の人物札(コート・カード)を加えた14種がある。
占いやオカルトでは、4つのスートは四大元素(火・水・空気・地)をはじめとして四大精霊、テトラモルフ、四大天使、方角、季節などなど「4つのもので出来た組み合わせ」に関連づけられることが多い。
コート・カードは現在では4種類だが、かつては様々なバリエーションがあったと考えられ、たとえば15世紀イタリアのキャリー・イェール版と呼ばれるタロットでは6種類だった。
トランプとの関連ははっきりしておらず、小アルカナがトランプの元になったとも、逆にトランプが小アルカナの元になったとも言われ、棒がクラブに、聖杯がハートに、剣がスペードに、硬貨がダイヤに相当すると言われる。現在でも、欧州や中南米の一部地域では小アルカナのシンボルと同じものがトランプのマークに使われている。
掲示板
85 ななしのよっしん
2022/12/29(木) 20:41:58 ID: vzy4zGgDBe
せっかく行動を起こそうと思って吉凶を占ったら(ある程度時間を開けて)「死神」と「悪魔」のカードが出てきてブチ切れた
ここ数年八方塞がりなのにそれはないわ 何が未来を切り開くタロットだよ
86 ななしのよっしん
2022/12/31(土) 10:27:45 ID: fAoUBJQnMX
せっかく行動を起こそうと思ったときにいちいちタロットにお伺いを立てようとするそのマインドセットそのものが「死神」であり「悪魔」であることに何時になった気づくのか。
タロットは乳離れもといタロット離れを促す力も持っているのだ。
いい加減に遠い栄光にうつつを抜かすよりも、足元から一歩づつ進められるモノゴトに取り掛かかってみたらいいのではないか?
拘りやプライド、いちいち格好つけようとする心は手放すかひとまず置いておくしかないだろう。
87 ななしのよっしん
2023/01/12(木) 12:33:30 ID: jH5CLLv5BP
>>69
(超遅レスだけど)むしろタロットが本来遊戯用で後から占いの用途を見出されたのでは
少アルカナもトランプのスートも元はアラブのゲームカードからの派生だし
遊戯・ギャンブル自体に儀式性があると言えなくもないが、18世紀以降の神秘主義とは意味が違うと思う
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/13(月) 10:00
最終更新:2025/01/13(月) 10:00
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