スイッチヒッターとは、野球・ソフトボール等において、左右両方の打席で打てる選手のことである。
野球やソフトボールの打者は、左右どちらかの打席に入って打撃を行う。
ほとんどの選手は利き手と同じ側、または利き腕に関わらず打ちやすい側の打席に入るが、本来右打ちの打者が足の速さを生かすために左打ちに転向するケースも現代では多く見られる。(左打席のほうが右打席よりも一塁までの距離が若干短いため)
しかし、中には元々左右どちらの打席でも同じように打てたり、あるいは自分のプレーの幅を広げるため、本来入るのとは逆側の打席でも打てる技術を練習の末に習得する者もいる。
これがスイッチヒッター(Switch=切り替える)である。
左右両方で打つということは、片方でしか打たない打者に比べて必然的に練習量も多くなる。
何故そうまでしてでもスイッチヒッターになるのか? 野球やソフトボールに詳しくない読者にはピンと来ないかもしれない。
一般的に、右投手相手には左打者が、逆に左投手相手なら右打者が、投球が見やすい、打者から逃げていく変化球が少ない、といった理由で有利とされている。また、どちらかの打者に極端に強い(あるいは弱い)投手というのも存在する。
その場合、攻撃側は相手投手に合わせて、例えば相手の先発投手が右の場合には左打者を集中的に使ったり、左打者の打順で交代で出てきた左投手に対し右打者を代打に起用する、といった戦略を取るケースがよく見られる。
だが、スイッチヒッターであれば、入る打席を変えれば良いだけである。
相手投手が左右どちらでも使いやすいというのはそのまま出場機会の増加に繋がるので、そのためにはそれだけの練習をする価値がある、というわけだ。
このように、スイッチヒッターは元来の素質や厳しい練習によるものが大きく、その希少価値というのも会得する理由の一つになっている。
現に日本プロ野球には、両打ち登録の選手は2013年レギュラーシーズン終了時点で20人(1球団平均1.67人、支配下選手のみ。割合にすると約2.5%。ちなみに全員右投両打)しか存在しない。その上、そのほとんどは短~中距離打者であり、ホームランバッターとなると更にその希少性は増すことになる。
では、海を渡ってアメリカの様子を見てみると……。
2013年シーズン終了時点のメジャー40人枠では、アメリカンリーグ東地区の5球団だけで15人いる。
別に珍しくもないというほどではないが、単純計算で7.5% 。日本と比べるとその数は圧倒的である。
そして二桁本塁打を狙える強打者も少なくない。
これは日本とアメリカの野球観や国民性の違いが一つの原因かもしれない。
日本では、両打ちに挑戦するのはプロ入り後に伸び悩んだ選手や、プレーの幅を広げたい小技が得意な選手が多い。一方アメリカでは、出場機会や可能性を広げるために、長距離打者であっても学生時代から両打ちに挑戦するケースも珍しくない。
子供の可能性を探るために、若いうちは色々なことをやらせてみる育て方が一般的なアメリカらしい考え方ともいえよう。
とはいえ、なろうと思っても全員が全員スイッチヒッターになれるわけではなく、なれたとしてもその中で成功を収められるのは一握り。トップステージで活躍するスイッチヒッターは、やはり稀有な存在と言えるだろう。
尚、特殊な例であるが、藤川球児は当初実況などでスイッチヒッターと紹介されていたが、藤川はあくまで右投げ左打ちである。これは左打ちだと利き腕を投手の方向へ向けるので死球による怪我防止の為に右打席に入ることがあったからである。
※ニコニコ大百科に記事がある選手のみ。
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最終更新:2025/02/16(日) 23:00
最終更新:2025/02/16(日) 22:00
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