なぜ、そうも簡単に人を殺すんだよ!
死んでしまえ…死んで!
『機動戦士Ζガンダム』第41話『目覚め』における、カミーユ・ビダンの台詞。
劇場版三部作『A New Translation』ではカットされている。
「なぜこうも簡単に~」ではないので注意。
ティターンズによるスペース・コロニーへの毒ガス注入作戦。カミーユらアーガマ隊はその阻止に失敗し、数百万人の住民が全滅してしまった。ニュータイプ能力で無数の死者の怨念を感じ取った後、地べたに転がる子供の遺体を目にしたカミーユは、なおも攻撃を仕掛けてくるティターンズに向かって絶叫する。
「人を殺すのはよくない」と言った直後に「殺してやる」と言う、一瞬で矛盾している字面故に、『Ζガンダム』をよく知らない人(あるいは劇場版のみしか観てない人)たちからは、TV版特有のカミーユの支離滅裂具合を表す迷台詞だとネタにされやすい。
……が、実際に第41話を観た人ならば、カミーユが殆ど発狂寸前でこの台詞を叫んでいることも自然に受け入れられるだろう。何しろこの話は妙に悪い作画のロザミィの乳首描写がどうでもよくなるほどTV版でも屈指の虐殺・胸糞展開が繰り広げられるのである。
第40話以降、カミーユの精神状態はどんどん悪化していくが、本話では狂いかけのカミーユ以外にも、狂わされたロザミア、無意識に狂っているバスク、狂わざるをえないレコア、相変わらずの傲岸さのシャア、マッドサイエンティスト気質を漂わせるハサン先生、恋敵が消えてどこかほっとするファなど、いい感じに狂ってきた人々達が描かれている。
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この節以降は、『Ζガンダム』第41話までを 鑑賞後に閲覧することを推奨します。 |
レコア・ロンドの裏切り、サイド2・18バンチコロニーの崩壊、そして謎の少女ロザミィの正体に関する疑惑……。カミーユの心は揺れていた。遂に救えなかったフォウ・ムラサメを重ね合わせ、どうしてもロザミィを放っておけないカミーユは、精密検査を嫌がる彼女を優しく諭すのだった。
一方その頃、レコアはバスク・オム大佐から、ティターンズへの忠誠心を示すため、サイド2・21バンチコロニーへ毒ガスを注入する作戦の指揮を命じられていた。忠誠心を試すなら他にやりようがあると抗議するレコアだったが……。
自惚れるな!(レコアの顔面に鉄拳)
貴様の事など、作戦のついでに過ぎん!
エゥーゴの抵抗を挫折させる上に、この作戦は極めて重要な意義を持つ(中略)
サイド2から、ティターンズMSが接近中との緊急連絡を受けたアーガマは、MS隊を順次発進させる。時を同じくして、ロザミィの検査結果が出た。クワトロ・バジーナは発進を中断して、強化人間の疑いが強まったロザミィを捕えようとするが、彼女は「お兄ちゃん(=カミーユ)を助けに行く」と言ってネモに乗り込んでしまった。
飛び立ったロザミィ機の脚を狙撃するクワトロ。しかし、ロザミィは振り返りもせずに真後ろからの攻撃を避けた。クワトロは彼女が強化人間だと確信する。
その頃、レコアたちは21バンチ外壁に取りついていた。極度のプレッシャーで人事不省になりかけつつも、レコアはG3ガスの注入ボタンを押してしまう。極大の不快感が体を通り過ぎ、カミーユはえづく。
さっきの感覚は、この毒ガスが! 好きにさせるか!
間に合って欲しいけど……無理だな。ん?遅い……。遅かったわ、アンタ達
激昂するカミーユと、彼を試すように振舞うレコア。そこにロザミィのネモが近寄ってきた。カミーユは無邪気に笑いながらハイザックを撃墜してしまうロザミィに混乱する。
レコアの相手をクワトロにまかせ、カミーユはロザミィを退避させることにした。
今更なぜかとは聞かん
大尉、あなたはいつもそうして……
いつも自分だけ高いところに居ようとする
カミーユはロザミィを連れ、G3ガスタンクの爆破跡からコロニー内へ侵入した。既にコロニー内にはG3ガスが充満している。カミーユはロザミィをネモから降ろし、スーツを脱がずに待っているよう諭すが、ロザミィは道路に斃れている子供に駆け寄っていった。
シンタ!クム!(子供に駆け寄る)ね、どしたの?
シンタじゃないんだ。あなた、起きてよ。ねぇ!……ロザミィ、死んでいるんだ。もうよしなさい
どうして? いやよ! 起きなさい。起きてってば!
……ロザミィはここにいて
……ティターンズめ!
死が理解できず、子供を必死に起こそうとするロザミィ。頭上に迫るハイザックを見たカミーユはΖガンダムに戻り、ハイパー・メガ・ランチャーを振るう。
銃剣でコクピットを串刺しにされ、半身を焼かれ断末魔をあげるハイザックのパイロット。墜落し止めを刺されるハイザックに、ロザミィの記憶が呼び起こされる。コロニー落としの悪夢……。
宇宙が、落ちる……? あぁ、あぁぁぁっ……
もう一機のハイザックに取りつき、バルカン砲で頭部をメチャメチャにしながら、カミーユは叫ぶ。
なぜ、そうも簡単に人を殺すんだよ!
死んでしまえ……死んで!
ハイザックに銃剣を突き刺して撃破した後、カミーユは息も絶え絶えにロザミィを探す。
振り向くΖに、ロザミィのネモが銃を向けた。通信機から冷たい戦士の声が聞こえてくる。
Zガンダムは宇宙を落とす……
お前は敵だ!
私はロザミア・バダム中尉だ
私の使命はZガンダムの破壊と、そのパイロットの抹殺!
コロニーの外へ出るΖを、エマ・シーンのガンダムMk-Ⅱが援護する。攻撃をやめるよう懇願するカミーユにエマは、ロザミィはティターンズの強化人間だと言い放つ。
だけど、あれはロザミィなんだ!
そのまま、レコアたちと合流して逃走していくロザミア機。虐殺を阻止できず、レコアも討てず、ロザミィも引き留められず……。カミーユは絶叫し、泣き崩れた。
掲示板
49 ななしのよっしん
2025/02/21(金) 17:30:51 ID: XWX26czrQY
>>48
正確には分からんけどテレビ由来な気がするんだよね
昔から似たニュアンスで「くたばれ」とか使われてたと思うけど、まあ知らん世代が「死ね」「殺すぞ」子供が言ってるの聞いたらぎょっとするよなと。言われてみると直接的過ぎるんだよな、表現として
50 ななしのよっしん
2025/02/23(日) 15:46:21 ID: kpdBGbtI+2
>>39
いっそのこと殺す相手を悪魔化したり「相手がザクなら人間じゃないんだ!」くらいのことを考えられたらよかったかもしれないけど、カミーユは変に真面目なところあるからおかしくなってしまった
51 ななしのよっしん
2025/03/02(日) 00:33:13 ID: /o4FNvW2Yw
>>50
カミーユは真面目というよりは軍隊って組織には似つかわしくない程にピュアなところがあっただろう。
育ちに起因するエキセントリックだったりセンシティブなところもそこの点を増強させたんだけど、例えばアムロは途中から連邦軍の正式な一員となって組織の一員としてある程度割り切りせざるを得なかったのに対して、カミーユは終始一民間人だったからそれが出来なかった。
カミーユのセリフに「出てこなければやられなかったのに!」とか「抵抗すると無駄死にをするだけだって、なんでわからないんだ!」と言うあたりにもそれが見えてしまう
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最終更新:2025/03/24(月) 11:00
最終更新:2025/03/24(月) 11:00
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