トリカブトとは、
ここでは1について記述する。
キンポウゲ科の植物のレイジンソウ、ヤマトトリカブトなどの総称で、2のように美しい花を咲かせることからこの名がついたと言われている。実際に、多くのトリカブトの仲間は紫、青、白、黄色などの美しい花を咲かせるものが多い。
その美しさとは裏腹に、古くから有毒植物として知られ、毒殺や毒矢に用いられてきたことで有名である。アイヌやエスキモーはその毒を毒矢に使用してきたし、これを用いた事件も実際に起きているし、サスペンス物でも毒殺に使われる毒としてしばしば登場する。主な毒成分はアコニチンで、飲むと心不全、臓器不全を起こして最悪死亡する。
不美人な女性を「ブス」と言うが、ブスはトリカブトの根を乾燥させたもの「附子(ぶし)」を飲むと無表情になり顔がおかしくなることが語源である。
漢方薬として用いられることもある。しかしながら、市販のものはちゃんと弱毒化するように処理されているわけで、勝手にその辺から取ってきたトリカブトを自分で煎じて飲んだり誰かに飲ませてはいけない。
1986年に発生したトリカブトの毒を凶器に使った保険金目的の殺人事件。
妻をトリカブトで殺害し、保険金をだまし取ろうとした夫に対し、保険会社は不審な点があるとして支払いを拒否。夫側は民事裁判を起こして争うが、二審の最中に妻がトリカブトの毒で殺害されたかもしれないという証言があり、それをきっかけとして事件が発覚した。
刑事事件としては1991年に夫が殺人容疑で逮捕された。とはいえ、妻が殺されてからすでに5年が経過しており、証拠が見つかるかは怪しい状況だった。しかし、5年前に妻の検死を担当した医師がまだ若い妻が突然死したことを不審に思い、心臓と血液を保存していた。改めて鑑定したところ、その中からトリカブトの毒が検出された。
夫側は事件当日は妻は友人たちと旅行中であり、自分が即効性のトリカブトの毒を飲ませられるはずがないと主張したが、検証によってトリカブトの毒とフグ毒であるテトロドトキシンを同時に摂取すると互いに毒性を打ち消しあうことが判明した。実際にはフグ毒の方が先に効果がなくなるため、トリカブトの毒とフグ毒を同時に摂取するとフグ毒の効果がなくなったころにトリカブトの毒で死亡することになる。夫はそのことを独自の研究で知っており、それを利用して妻を時間差で殺害していたのである。
夫側は最高裁判所まで争うものの、2000年に無期懲役が確定した。
上にも書かれているがトリカブトの塊根を乾燥させたものが附子である。読み方は「ぶし」「ぶす」の二つがある。毒性を減らして生薬として使われる際には「ぶし」と呼ばれ、毒として使われる際には「ぶす」と呼ばれる。
狂言にも『附子』という題のものが存在している。主人と二人の従者が登場するドタバタ劇となっている。
ある日、主人が「これは附子といって、猛毒である。箱から漏れ出る空気にも毒が混じっているから近づかないように」と従者たちにいって外出するが、従者たちは逆に好奇心がそそられて、とうとう箱を開けてしまう。そこには実においしそうな「附子」が入っていた。実は「附子」と呼んだものは砂糖であり、従者たちに食べられないように主人は噓をついていたのである。従者二人はおいしそうな砂糖をすべて食べてしまい、このままでは主人に怒られると思った二人はさらなるとんでもない行動に出ることになる。
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最終更新:2024/11/08(金) 00:00
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